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悪名太鼓   (1964・大映京都)
■ジャンル: ヤクザ
■収録時間: 85分

■スタッフ
監督 : 森一生
原作 : 今東光
脚本 : 藤本義一
撮影 : 今井ひろし
音楽 : 斎藤一郎

■キャスト
勝新太郎(八尾の朝吉)
田宮二郎(清次)
浜田ゆう子(杏子)
朝丘雪路(宏子)
若松和子(お徳)
芦屋雁之助(一郎)
芦屋小雁(二郎)
悪名太鼓悪名太鼓
そして、『悪名』は見る影もなくなった。最後の最後に朝吉がやけにハイテンションで太鼓をしばき倒す姿だけがオレを痺れさせた作品。このシリーズは『悪名波止場』までの7部作として捉えるべきであり、残りの9作品は番外編として余裕をもって楽しむべきだろう。

■あらすじ


朝吉(勝新太郎)の許可を得ずに、八尾で長年使われてきた伝統ある太鼓を九州のやくざに貸した清次(田宮二郎)。そんな清次の行動にいらいらする朝吉のもとに「セイジキュウシュウデコロサレタ」の電報が届く。早速朝吉は九州に飛んでいくのだったが・・・『悪名』シリーズ第九弾。


■もう清次をやる役者ではなくなっていた


悪名太鼓 悪名太鼓 悪名太鼓
あらゆる面においてシリーズ最低作かもしれない。本作の脚本は、今まで脚本を担当していた依田義賢ではなく、藤本義一が数日間で脚本を書き上げたものである。そんな脚本家の交代をきっかけに勝新も森一生も『悪名』シリーズのマンネリ化を打開しようと考えたのだろう。しかし、結果的に『悪名』シリーズのいい部分が全て排除された作品になってしまった。

『悪名』の魅力とは何か?それは軽妙な河内弁の応酬と単純明快な男意気、さらに朝吉と清次のほろりとさせる男の友情である。しかし、この作品にはそれらが欠けていた。更にこの作品以降田宮二郎(1935−1978)は、もはや
清次をやるような役者ではなくなった。

折角の清次死すの電報も、朝吉と清次の決闘も何の緊張感も生み出せず、だからと言って笑いも生み出していない。何よりも演出が悪すぎる。もはや田宮と勝新の噛み合せの悪さばかり目立つ。さらに女優陣も強烈に弱い。というよりも魅力的に撮られていない。朝丘雪路(1935− )なんかは実に酷な扱いを受けており、浜田ゆう子(1939− )も実にもったいない。


■『悪名』ファンだけ最後まで見届けよ


悪名太鼓 悪名太鼓
「あの・・・今夜一人でいたくないんです」

朝丘雪路の色っぽい眼差しで、こんなセリフを吐かれると男はそれを我慢できなくなるだろうが、基本的に女性陣の魅力は浜田まり子の能面のような色っぽさだけである。この作品に欠けていたものは、
まさしく馴れ合いのなれの果てだろうが、勝新にも田宮の芝居にも全く熱気が感じられない点にあった。

9作も続けば、このシリーズをさらにすごいものに押し上げようなんて腹はなくなってしまって当然だ。はっきり言えば誰の責任でもない。このシリーズに付き合うか否かは明確に観客に託されているのである。この作品を見てしょうもないと感じたら悪名シリーズは以後見る必要はない。


■バタヤンって愛称 すごくいい響き


悪名太鼓 悪名太鼓
田端義夫(1919− )が弾き語りを始める。それにしてもこの作品九州らしさの欠けらもない。九州弁は一切登場せずにバタヤンの第一声も「おまえ何さらしとんねん」ともろ河内弁。やっぱりここは九州弁と河内弁の応酬を見せ場にすべきだろう・・・。しかし、やっつけ仕事にそれ程期待してはいけない。

ただただバタヤンの歌を拝聴せよ。勿論オレは全く興味はないが・・・と思いつつも「いい声してるな」と感心するオレだった。特に街頭で弾き語りするバタヤン。いい顔してるなぁこのオッサン。一方、雁之助・小雁コンビもすっかり『悪名』シリーズに定着していてホッとさせる役割を演じている。


■浜田ゆう子の能面美貌


悪名太鼓 悪名太鼓
半分ほどの魅力も出ていないが、それでも浜田ゆう子の能面のような美女っぷりはオレを強烈に刺激する。60年代独特のいかがわしさとネグリジェーのエロさ。いい女にはムードがある。今の女が(男に対して)一人勝ちしたければ、ムードのある女を目指せとオレは言いたい。

最新ファッションを着こなし、最新メイクを施す美女よりも、自分の好きな時代のファッションを着こなし、自分の好きな時代のメイクを施す美女の方が、遥かに魅力的である。


■日本男児なら祭りの似合う男になれ!


悪名太鼓 悪名太鼓
凄まじいハイテンションで太鼓をしばき倒す朝やんと清次兄ィ。
徹夜で遊んで騒いで、炎天下の中目を真っ赤にしてナチュラル・ハイに太鼓を叩くというよりもしばき倒すその姿。コレだよコレ。勝新の魅力は何ぞやと問われれば、人生を楽しんで生きてそうなこの表情にあるんだよな。

一方、ここらへんの作品から、『悪名』の中での田宮の目立ちたがり精神は成りを潜め始めていく。田宮自身も『犬』シリーズなどの主役を張っており、『悪名』に拘る必要がなくなってきたのだろう。いい意味で田宮二郎は清次ではなくなった。そして、『悪名』はつまらなくなってしまった。

最後により明確な言葉でこのシリーズがつまらなくなった要素を表現しよう。
それはストレート・パンチが魅力だったボクサーが変に小手先のテクニックに頼り始めた事によって生み出されたこじんまりと纏まったつまらなさである。『悪名』シリーズは必然的にココに達してしまった。あとは引退試合までに奇蹟のパンチを放てるかどうかの問題になってしまった。

− 2008年2月23日 −


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