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アニマル・ハウス ANIMAL HOUSE(1978・アメリカ) | |||||
| ■ジャンル: コメディ ■収録時間: 109分 ■スタッフ 監督 : ジョン・ランディス 製作 : マッティ・シモンズ / アイヴァン・ライトマン 脚本 : ハロルド・ライミス / ダグラス・ケニー / クリス・ミラー 撮影 : チャールズ・コレル 音楽 : エルマー・バーンスタイン ■キャスト ジョン・ベルーシ(ブルート) トム・ハルス(ラリー) スティーブン・ファースト(ケント) ティム・マシスン(オッター) ドナルド・サザーランド(ジェニングス教授) カレン・アレン(カティ) |
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■あらすじ 1962年、アメリカの東部でも有数のエリート大学フェーバー大学。大学一の友愛会オメガの隣にある大学でも最低の友愛会デルタ。そこに入会した新入生のラリー(トム・ハリス)とケントは、あらゆる手段で女を落とす名人のオッター(ティム・マシスン)や豚のように本能の赴くままに生きるブルート(ジョン・ベルーシ)といった一癖も二癖もある連中と共にアニマルのようなキャンパス・ライフを過ごすのだった。しかし、そんな楽しいキャンパス・ライフにも終止符が打たれようとしていた。なんと学長とオメガが結託し、エリート大学の面汚し<fルタを追放しようと機会を狙っていた。 ■常に頭よりも下半身を硬くせよ!世間には頭と下半身を同時にかたくするヤツラが多すぎる とにかく『アニマル・ハウス』を語るならココから語らないと始まらないだろ?全てはジョン・ベルーシ(1949−1982)の眉の動きを中心にこの作品は回っている様なもの。女子寮にハシゴをかけて着替える姿を覗くベルーシのこの表情。これこそが男にとって普遍的な楽しみだよね。さすがに30才を越えても銭湯を覗いたり、逆さ撮りをしたり、手鏡を使ってパンツを覗いたりするのはまずいと思うが、20代前半でこういった事をしたいと思う欲望は寧ろ正常だろ? 10代の頃のセックスに対するときめきが、やがて満たされたことにより、ゆとりを持って自分好みの性の欲望を探求する気持ちへと男を駆り立ててゆく。昔ならエロ本のお気に入りショットを切ってスクラップブックを作ったり、歩道橋の下にさり気なく立ってみたり、友達の家で綺麗なお姉ちゃんの靴をちょっと匂いで見たり・・・と。それは変態というよりも、むしろ童貞を卒業し、性に対する欲望のバリエーション探しを楽しんでる過程なのである。 色んな種類の風俗に言って遊んでみたい気持ちもそれと同じである。そんな時期をほとんどの男性が経験もしくは継続中なので、こういった女子寮覗きのシーンは映画的に抜群に楽しめる。 ■う〜ん。マンディちゃん最高! ![]() 覗かれるナイス・ボディの美女マンディを演じるメアリー・ルイーズ・ウェラー(1946− )は、映画の中では大学生を演じてるのだが、当時既に30路を越えていた。ニューヨークのトップモデル出身で、アル・パチーノ主演の『セルピコ』(1973)で映画デビューしている。 のちにチャック・ノリスの香港出稼ぎ映画『チャック・ノリスの地獄の復讐』(1982)にチャックの恋人として、坂口征二と共に出演している。1986年にマリブに3エーカーの土地を買い、現在は乗馬を趣味とする悠々自適な隠居生活を送っている。 ■人生には、損得勘定抜きにバカ騒ぎしたい時がある ![]() 1962年当時のアメリカにおいて、マリリン・モンローが急死し、ケネディ大統領の下キューバ危機が勃発し、ボブ・ディランがデビューした(英国ではビートルズがデビュー)。まさにアメリカが徐々に精神過敏になりつつある時代だった。 「沈黙の世代」と揶揄された50年代の若者。極めて従順で、消費社会の飽くなき欲望に身を任せるだけ・・・。ディスカウントショップ、マクドナルド、テレビ、GM、プレイボーイ・・・そして、60年代を迎えはじける欲望と精神と社会の矛盾。良くも悪くも常識も善悪も誠意もクソくらえの本能の赴くままにの姿勢。 それぞれの年齢においてでしか出来ないことはいっぱいある。どんな事もやってみて経験していかないと!そんなパワーがこの作品には満ち溢れている。コレはダメ、アレもダメという冷静な生き方を否定するつもりはないが、どんな人にとっても本当に生きてると実感できる瞬間は、損得勘定抜きにバカ騒ぎする瞬間にあるんじゃないだろうか?だからこそこの作品のそんなバカ野郎の姿が鑑賞者に元気を与えてくれる。 ■『ルイ・ルイ』に合わせて酔える至福の一時 ![]() キングスメン『ルイ・ルイ』(1963)!このやる気のないカラ元気な雰囲気が最高に堪らない。オレがシドニーにいた頃もスーツ族が通うクラブでは週末の酔いも廻ってきた時間帯になるとコレか同じくキングスメンの『マネー』が流れていた。このダルダルの雰囲気が酔った肉体に心地いい。 もうなんかジョン・ベルーシ、イコールこの曲だよな。オレ的には。しかし、ビール瓶が投げつけられ、ベルーシの顔面すれすれに通過して壁にぶち当たっていくシーンは凄くないか?ちなみに元々ベルーシが演じたブルート役の第二候補はミート・ローフだった。 この作品の面白いところは、デルタという大学(脚本家の一人はハーバード大学出身でありそこの友愛会をモデルに描いている)でも最低の友愛会が、オメガという大学一優秀な友愛会に歯向かう所にある。いわゆる現在で言うドレスを着飾り「貧乏でルックスの悪い男は相手しないわ」というバカ女と、ボンボンの集まるオメガに、一癖も二癖もあるヤツラが対抗するという面白さ。 デルタの格言は「男は怒らず黙って仕返し」なのだが、これこそ今の日本男児に必要な姿勢なんじゃないかな?羊のように権威にも美女にも迎合してないで、感情的にならずに黙って見返そうぜ!まさに今日的なメッセージの溢れた作品だよなこの作品は。 ![]() これぞアメリカン・コメディ。チアリーダーのパンティを黙々と覗き満面の笑みを浮かべるベルーシ。実にくだらん悪戯だが、男って何歳になってもこういうシーンが好きなんだよな。これも「黙って仕返し」のうちに入るのか?最高のコメディアンには、どんな姑息なことをしても笑って済ませられる愛嬌がある。 ■フード・ファイトっ! ![]() 本作のハイライトは間違いなくブルートのフード・ファイト・シーンだろう。そんなに食べれるの?というような量の昼食をトレイに移して、オメガの連中が清潔に食事している場所に強引に居座り、女性に「サイコーに不潔よ!あんたはPIG!豚よ!」なんて罵られながらも無言でゼリーを一口食いし、眉毛を動かして反応するだけ。 やがてブルートが言う。「オレの正体を教えてあげよう」そういってマッシュポテトを頬張りブハッ!とオメガの男女の前に撒き散らす。「にきびだよ」(勿論眉毛上下あり)そういってフットボール仕込の軽やかなダッシュ&タックルで逃げていくブルート。その太っちょの体に似合わぬ軽やかさが、バカっぷりに更に磨きをかけてくれる。そして、みんなの前で一言「フード・ファイトしようぜ!」と同時にみんなで食いもんの投げ合いが始まる。 それにしても高飛車な女に貶されている時のブルートの表情。何となく「トーク・ダーティ・トゥ・ミー」って訴えかけてるようなその眼差しのMっ気ぶりが最高。 ■多彩すぎる登場人物たち ![]() 「気持ち一つで最高な夜になるんだぜ!」 退学処分になり落ち込むデルタの面々を元気づけるブルート。そして、次の言葉が最高に面白い。「ドイツがパールハーバーに爆撃したのを忘れんな!それでもアメリカは挫けなかっただろ!」。そして、退学になったデルタのヤツラが一致団結して、「やられたらやりかえそうぜ!」と言って走り出す。そう若いうちに走らなかったら!いつ走るんだ!? とにかく魅力的なデルタの面々。ティム・マシスン(1947− )が演じたオッター役は当初チェビー・チェイスにオファーが出されていたという(『ファール・プレイ』出演の方を選ぶ。相棒のブーン役には、当初ビル・マーレイにオファーが出されていた)。こいつの女子大生ナンパテクニックが最高に面白い。新聞の女子大生死亡記事を読んで、その女子大生の恋人の振りをして、他の女子大生をナンパするというテクニック。映画でのみ許される面白さだよね。 ちなみにこのオッターという男。大学の学長夫人をナンパして、ベッドインしてしまう最強ぶりなのだが、当初この学長夫人役にはキム・ノヴァクの予定だったという。更にはバイク好きのDデイは元々ダン・エイクロイド(本人もバイク好き)が演じる予定だったが、『サタデー・ナイト・ライブ』の予定が入っていたため実現しなかった。 ■ケヴィン・ベーコンとカレン・アレン ![]() 本作がデビュー作のケヴィン・ベーコン(1958− )がトムとジェリーのトム並みに踏み潰されるシーンも面白いが、それ以上に面白いのが、白パンツ一丁でクリケットのバットでお尻を打たれるというオメガ入会の儀式をうけるシーン(バットを振ってる男の恍惚とした表情が怪しい)だ。 そして、同じく本作がデビュー作のカレン・アレン(1951− )が、目が大きくてお人形さんみたいで凄く可愛い。そして、ドナルド・サザーランド(1934− )が教授に扮して出てくるのだが、こいつもまたぶっとんでる。生徒達とマリファナやって、おまけに生徒のカレンちゃんとエッチまでしてしまう健全な教授ぶり。 手鏡で女子高生のケツに興奮してる教授よりも、カレンちゃんの生ケツに発情する教授の方が遥かに健全だよな?ちなみにサザーランドは4万ドル、もしくは売り上げのパーセンテージによるギャラ支給かどっちを選ぶかと聞かれ、4万ドルの方を選んだ(2日間の撮影)。もし彼がパーセンテージでのギャランティを選んでいたら少なくとも3000万ドルから4000万ドルのギャラになっていた。ちなみにジョン・ベルーシは3万5000ドルのギャラだった。 ■トーガ!トーガ!トーガ! ![]() 落ち込んだときには「トーガパーティ!」。オーティス・デイの「シャウト」(「シャマ・ラマ・ディン・ドン」も最高にクール)に合わせて古代ローマ時代のトーガを身にまとって踊り狂うパーティ。ベルーシの奥さんジュディまでもがエキストラとして出演して踊り狂っている。 この作品が公開された後、アメリカ中の大学のパーティでトーガ・パーティが一大ブームになったという。それもうなずける程のこの熱気。こういうバカ騒ぎこそ、から騒ぎよりも遥かに楽しいよな。 ■そして、最高にマイタイプなバブスちゃん ![]() そして、『アニマル・ハウス』と言えばこのシーン。そう下着姿で混乱のパレードの中に取り残されるバブスちゃん。オレ、この子かなりタイプです。そんなキュートな女性を演じるのは、1973年7月にプレイメイト・オブ・ザ・マンス≠ノ選ばれたマーサ・スミス(1953− )。本作以外にも13本の映画に出演している。 オレがシドニーにいる頃に、仕事柄知り合った白人女性。彼女は福井でホステス(と英会話の先生)をしていた経験があって日本語がペラペラだったが、こんな感じの人だった。最高にノリのいい女性で昼間も夜も、歩いてても、電車に乗ってても、セックスしててもテンションの高い明るい女性だった。あくまでも私の経験上の話だが、オーストラリアの白人は積極的なアジア人に弱い。 ■70年代末アメリカ人はバカ騒ぎを求めていた ![]() 本作は270万ドルという低予算で製作された。当初製作会社のユニバーサル・スタジオの幹部は脚本の内容を読んで、嫌悪したという。監督候補としてリチャード・レスターが挙がっていたが、『ケンタッキー・フライド・ムービー』を観て絶賛した製作者達によりジョン・ランディス(1950− )が選ばれた。 当初エリート大学出身の脚本家3人と、高校中退のランディスはことごとく意見が対立したという。脚本家の一人ハロルド・ライミスはブーン役を自分が演じることを念頭に書いていたが、ランディスは「どう見ても大学生には見えない」と却下した。その埋め合わせとして、小さな役柄をライミスにオファーしたが、ライミスははっきりと拒否した。 製作費を削るために、ミズリー大学で撮影する予定だったが、脚本を読んだ学長がキャンセルを申し入れた。事前のキャンセルに途方にくれていた所、オレゴン大学でのロケ撮影が許可された。30日間の構内撮影が許可された。オレゴン大学の学長は以前『卒業』(1967)のロケを断った事があり、その後映画の大ヒットで後悔した経験があるので、今回は脚本を一切読まずに撮影許可したという。 結果的に1977年10月24日から11月30日にかけて28日間で撮影された。400万ドルかけた広告やプロモーションの費用の方が製作費を上回ったが、1億4160万ドルの売り上げをあげる爆発的な大ヒットを記録した。映画の大ヒットを受けて、1967年の設定で続編「サマー・オブ・ラブ」が企画された。内容は、ラリー(トム・ハルス)の結婚式の為にサンフランシスコに再結集したデルタの面々(ヒッピーになったケントを含む)が捲き起こす大騒動だったが、ジョン・ベルーシの急死により実現しなかった。 − 2008年2月28日 − |
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