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ポセイドン・アドベンチャー2 BEYOND THE POSEIDON ADVENTURE(1979・アメリカ)
■ジャンル: パニック
■収録時間: 119分

■スタッフ
製作・監督 : アーウィン・アレン
原作 : ポール・ギャリコ
脚本 : ネルソン・ギディング
撮影 : ジョー・バイロック
音楽 : ジェリー・フィールディング

■キャスト
マイケル・ケイン(マイク・ターナー船長)
サリー・フィールド(セレステ・ホイットマン)
カール・マルデン(ウィルバー・ハバード)
テリー・サヴァラス(ステファン・スベボ)
シャーリー・ジョーンズ(ジーナ・ロウ)
ピーター・ボイル(フランク・マゼッティ)
ポセイドン・アドベンチャー2
「この作品は今製作されている『スター・ウォーズ2』を遥かに凌ぐ大作になる!」とアーウィンは高らかに宣言した。そして、出来上がった作品は、パニック映画ではなくただの盗賊と武器商人のつまらんB級アクション映画だった。「ジャクリーン・ビセットやファラ・フォーセットにシャツ一枚でダイブさせるべきだった・・・」そう後悔しつつもめげずにアーウィンは言った「次は世界の崩壊を描いてやる!しかもニューマンを引っ張り出してな。フフフ」この不敵な笑みの前で誰も異議を唱えるものはいなかった。

■あらすじ


ポセイドン号から6人の生存者が発見されてから、5時間後にターナー船長(マイケル・ケイン)たちは、チャンスとばかりにポセイドン号から貴重品を盗み出そうと侵入する。一方、ポセイドン号にプルトニウムを積み込んでいた武器商人スベボ(テリー・サヴァラス)も荷物を引き上げるため侵入していた。まだ生存していた人々を巻き込みつつも、船は刻一刻と沈没していく。


■君はポセイドン・アドベンチャーを見たか?

ポセイドン・アドベンチャー2 サリー・フィールド
見たのなら本作は絶対に見るな?必ず失望させられるはずだからだ。「海洋アクションなら好きなんですがどうでしょうか?」やめておけ。本作には海洋アクションの要素など皆無だ。ポスターに書かれてる絵は全く存在しないシーンだ。「サリー・フィールド・ファンなんですが?」やめておけ。サリーは全く輝いてないから。「ではどんな人にお奨めなんでしょうか?」アーウィン・アレンの『崩壊三部作』を笑い飛ばしたい人にだけお奨めする。かなりつまんなさすぎて笑うネタも少ないが・・・

そう本作は、全てが中途半端に描かれたスペクタクル級の駄作である。
この作品は1160万ドルかけて作られているのだが、それだけのお金をかけた価値なぞどのシーンにも存在しない。そして、マイケル・ケインはともかくとして、どの役者も精彩を欠いているのはつまるところ企画の悪さによるものだろう。もはや脚本の質うんぬんと言う次元の問題ではない。

元々は前作のジーン・ハックマンを再度主役に据えて、死んだ牧師の双子の兄役をさせる予定だったという。しかもこの作品は前作で生き残った人たちが船舶会社を訴えウィーンの裁判所に向う列車が、船舶会社の陰謀で脱線させられるというあまりにもめちゃくちゃな企画だった。この企画の内容にひどさには、さすがのハックマンもオファーを断ったほどだったという。


■アドベンチャーと呼ぶにはあまりにおそまつ


そこで生み出された作品が、沈没した=他人の不幸を利用して金塊を盗み取ろうとするターナー船長(マイケル・ケイン)率いる悪党一味と、実はこっそりつまれていたプルトニウムを回収しようとしている武器商人スベボ(テリー・サヴァラス)率いる悪党一味による、今まさに沈没しようとしているポセイドン号の中での銃撃戦なのである。

しかも情けないことにポセイドン号に乗り込んだ時点で、この悪党たちは閉じ込められるのである。はっきり言って誰も同情しない自業自得の展開振りである。それでいながらなぜかターナー船長のほうは人道主義に目覚めたりもして、
観客の同情を勝ち取ろうとするのだが、勿論誰一人も同調しないことなど、監督をしているアーウィン以外は演じているマイケル・ケイン自身までも分かっているかのようなやる気のない芝居っぷりである。

結果的にポセイドン号から脱出する避難ダチは減るよりも増えていくバカリ。しかもだらだらと船内を緊張感なくほっつき歩く始末。なんなんだ、この緊張感のなさは?酔っ払いのオヤジは酒瓶持ってほっつき歩くし、サリー嬢はかなり情緒不安定な上に、一人ハイテンションだし、コジャックは「私は医者だ」とバレバレの嘘をついて、しかも皆が騙されてるし・・・マーク・ハモンが出てるし。


■ヴェロニカだけが輝いていた


ヴァロニカ・ハーメル ヴァロニカ・ハーメル ヴェロニカ・ハーメル
この映画の中で魅力的な役者はゼロだった。ただ一人魅力的な女性がいるのみである。
それはサリー・フィールドではなくヴェロニカ・ハーメル(1943− )である。当時30代半ばだが元々ファッション・モデルだけあって身長も173pと長身でなかなか魅力的な女性である。ただし、あくまでも女優として魅力的なのではなく女性としてである。

ちなみに彼女は1975年からスタートした『チャーリーズ・エンジェル』の主役の最終選考まで残っていたが、結果的にジャクリーン・スミスが選ばれた。そう彼女だけが輝いていた。でもそれは他があまりにも輝かなさすぎだった為かもしれない。


■ここでそんなにこだわるなよ?


ポセイドン・アドベンチャー2
とにかく物語の始まりから、ちゃっちさ満点の合成映像で始まる。しかもドリフのコント並みのドタバタ劇をマイケル・ケインとサリー・フィールドとカール・マルデンという3人の名優が演じるのである。とにかく、この作品の数多くある敗北ポイントの一つがこのオープニングなのである。

つまるところは登場人物の役柄に全く重みがない点である。主要登場人物3人の個性付けの時間でもある最初の5分が意味の分からん(サリー嬢が水中銃を突然ぶっ放す!)ドタバタ劇になっている時点でこの作品が映画ではなく、繋ぎ合わされたゴミくずになってしまったのである。

それにしても、セットは豪華なのは分かるんだが、「ここでそんなにこだわるなよ」ってことなのだ。なんかあまりにもぐだぐだとトラップを乗り越えるシーンを見せ付けられるのだが、それ以前に登場人物の誰一人に対しても感情が沸き立たつような描写がないので、ただ単にちょっと有名人が登場して障害物競走をしているだけにしか見えないのである。なんか全てのピントがずれている。

それにくだらんセットに金つぎ込む前に、もっと転覆したという雰囲気が出るようにセットを汚せよと突っ込みたい。一作目は見事に汚れていたのだが、本作は最初の船底のシーンから、まっさらに綺麗な赤色の船底なのだ。
それって昨日作って今日セッティングした感たっぷりだろ?しかもコジャック、白のスーツで汚れるぞ!

しかし、何よりもの必見はラストのサリー嬢の射撃の腕である。なんと一発撃ってスコーンと相手に当たってしまうのである。この射撃の腕は『スケバン刑事』のヨーヨー並みに説得力なさすぎだろう。


■さぁみんなでアーウィンを励まそうのノリ


アーウィン・アレンを励ます会会長マイケル・ケインの『スウォーム』(1978)に続く出演だが、真面目な物語にしては締りのない話なので、全くケインの持ち味は見えてこない作品である。ちなみに閉所恐怖症のケインはスキューバ・ダイビングのシーンでかなり苦労したというが、見ている側からしたら「だったらこんな映画のために自分でする必要ないって」と突っ込みたくなる。

しかし、最も嘆かわしいことは本作にヒロインとして出演している『宇宙家族ロビンソン』で有名なアンジェラ・カートライト(1952− )が言ったこのコメントに凝縮されているだろう。
「本当に私、火の中でも水の中でもスタント頑張ったのに、映画を見てみると私自身がやってるのかどうかもわからないの」

ちなみの本作のカメラマンは『タワーリング・インフェルノ』(1974)でオスカーを受賞した人なのだが・・・
一つのセットに多くの役者を配置しすぎだから、映像が逆にこじんまりして来る。映像を引き締めるためには画面上に堪えず多くの登場人物は絶対にしてはいけない演出上の基本である。

しかし、アーウィンは同じミステイクを次作『世界崩壊の序曲』(1980)でも繰り返すのである。

− 2007年7月5日 −


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