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カプリコン1   CAPRICORN ONE(1977・イギリス)
■ジャンル: サスペンス
■収録時間: 129分

■スタッフ
監督 : ピーター・ハイアムズ
製作 : ポール・N・ラザルス三世
脚本 : ピーター・ハイアムズ
撮影 : ビル・バトラー
音楽 : ジェリー・ゴールドスミス

■キャスト
エリオット・グールド(コールフィールド)
ジェームズ・ブローリン(チャールズ・ブルーベーカー空軍大佐)
ハル・ホルブルック(ケラウェイ所長)
サム・ウォーターストン(ピーター・ウィリス空軍中佐)
O・J・シンプソン(ジョン・ウォーカー海軍中佐)
カレン・ブラック(ジュディ)
カプリコン1
本当に人類は月面を歩いたのだろうか?実はニール・アームストロング達3人が月に行ったのではなく、スタジオに作られた月面セットにいたのなら・・・どういう展開になっていくのだろうか?ピータ・ハイアムズの一つの「IF もし」がこれだけの作品を作り上げた賞賛に値する名作。

■あらすじ


人類史上初の有人火星探索船カプリコン1発射5分前に、「緊急事態が発生した、直ちに出てくれ」とブルーベーカー(ジェームズ・ブローリン)ら乗組員3人は、探索船より外に出される。そして、NASAの秘密基地に連れて行かれる。そこには火星表面の巨大なセットが組まれていた。


■20世紀最後の真実


とにかくこの作品は細かい技術云々よりも発想の素晴らしさを見事に映像化したところに最高の魅力が詰まっている。実際いろいろな魅力的な発想の作品が年間何十本も作られれているが、作品として成立することの方が難しい。そういった中これほど特殊で個性的な内容を見事に一本の作品に終結したハイアムズは掛け値なしに素晴らしい。

テレビを利用しての新しい形の政府の陰謀の形を明確に先取りした作品が本作である。現在日本においては日常茶飯事であるテレビの視聴者に対する騙し行為の氾濫。悪質な番組制作の元に作り上げているテレビのスター・システム(お笑い、タレント、局アナ)に迎合している愚かな視聴者達。この構図を見事に先取りして描いている作品である。

最も手ごろな情報源であり、暇つぶしにもなり、気分転換になるのだから悪用されてるに決まってるのだが、それすら考えようとせずに、何か捏造行為があれば被害者意識たっぷりで非難ごうごうするこの国民性もかなりの問題ではないだろうか?

テレビで人気が出てます。やら今流行っていますという言葉に踊らされて生きていく人生は空しすぎる。


「月面の一歩」は捏造なのか?


月面着陸
「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」
1969年7月20日アポロ11号が月面着陸に成功した。その時ニール・アームストロングはこう語った。それからもアポロ計画は1972年にアポロ17号をもって終了するまで行われ、計6回12人の宇宙飛行士がムーン・ウォーカーになった。

しかし、実際に月面着陸は行われなかったと言う陰謀説と、実際に行われたがその映像にUFOもしくは宇宙人との遭遇が含まれていたので後で撮り直したと言う宇宙人遭遇説が存在するのである。

■陰謀説の大まかな6つの根拠

1.月面は真空状態であるのに星条旗が揺れている。
2.月面着陸船の影と岩の影の方向が違う。太陽からの光だけであるにもかかわらず光源が複数である。
3.月面に着陸船が下りる際、噴射の反動で大きなクレーターが出来るはずなのに、それが写っていないのは何故か。
4.宇宙飛行士の背中の箱に吊り下げるワイヤーらしきものが見える。
5.月面の温度は日中ではかなりの高温になるはずだが、それに宇宙飛行士は耐えられないのではないか。
6.アポロ計画の後、アメリカが地球軌道より向こうへ人類を送っていないのはなぜか。

他にもヴァン・アレン放射帯など多くの根拠が持ち出されているが、実際的には全ての陰謀説の根拠に対する打ち消された解答が存在するのである。例えば、星条旗の揺れはポールを月面にさした直後のみであり、風ではなく人為的な原因であることや、ワイヤーらしきものはフィルムの傷であり、仮にあの場所にワイヤーが存在したとしても人体を持ち上げるにはバランスが悪すぎるなどの解答である。

そして、一番の疑問でもある「なぜアポロ計画以降は人類が月を訪れていないのか?」に対しての明確な解答はアポロ計画のような計画は15兆円もの国家予算を使用した計画であり、冷戦時代だからこそ実現した計画であり、1972年以降人類を宇宙のある場所に着陸させようという計画が持ち上がらないのは、ただ単に予算的な問題だからである。

つまり、陰謀説は基本的には簡単に説明のつく空論である。一方、宇宙人遭遇説に関しては、帰還した宇宙飛行士が帰国後いろいろな精神的病や孤独を好む傾向に傾くところから見てもありえない説ではないと考えられる。ただし、月面着陸が、実際に行われたことは100%事実であろう。


■奇妙な縁で結ばれた二人の主役


カプリコン1
主役の二人、エリオット・グルード(1938− )とジェームズ・ブローリン(1940− )が持ち味を発揮している。グルードと言えば実に息の長い役者で今も昔も飄々とした決して優等生ではないが憎めない役柄が似合う人だが、本作でもその線でいい味を出している(結果的にはスクープもゲットし、カレン・ブラックとの一発の約束も取り付ける程の抜け目のなさもあるが)。ブローリンの持ち味は頼れる男臭い男だが、本作においてその持ち味は発揮されている。彼は本作の5年後にこの男臭さを買われて『007/オクトパシー』からのジェームズ・ボンド役の候補に挙がることになる。

ちなみに二人は不思議な縁で将来的に結ばれるのだが、それはバーブラ・ストライサンドという同じ女性を妻にしたところである。グルードは1963−1971年まで、ブローリンは1998年からである。ちなみにブローリンの息子は『グーニーズ』(1985)のジョシュ・ブローリン(1968− )だが、バーブラの紹介でダイアン・レイン(1965− )と再婚したのである。


■何気に豪華な共演者達


カプリコン1
ブローリンの同僚宇宙飛行士としてあの伝説の男O・J・シンプソン(1947− )が出演している。そして、もう1人宇宙飛行士に『キリング・フィールド』(1984)のサム・ウォーターストーン(1940− )が出演している。O・Jはなかなか誠実そうないいキャラクターを演じていた。

そして、本作でも見事な存在感を出してくれたのがこの人ハル・ホルブルック(1925− )である。この人がこういう役柄を演じると何ともただの悪い人と言う単純な役柄では収まらないのである。。彼のようなタイプの役者が共演したことによってかなりの説得力が生まれたといってよいだろう。それくらい本作にとってケラウェイ所長の役割は重要であった。

ブローリンの妻役として、なぜかそそる女ブレンダ・ヴァッカロ(1939− )が出演している。さらにゲスト出演としてカレン・ブラック(1939− )とテリー・サヴァラス(1924−1994)が出演している。二人ともわずかな出演時間ではあるが、ブラックのきりっとした魅力、サヴァラスの好漢ぶりが見事に出ていた。

そして、何気に副大統領役で、『バタリアン』シリーズのへたれオヤジ役で有名なジェームズ・カレンが出演している。



■NASAを出し抜け!


カプリコン1
絶対NASAの協力がなくては作り上げれないシーンが各所に見られるが、これはハイアムズが実際的にNASAを騙して全面的協力を取り付けたことの勝利だった。火星探索船や冒頭のロケット発射シーンや宇宙船内や管制センター内での撮影などはNASAの協力の産物である。

のちに映画のラッシュを見てその内容に驚愕したNASAは一方的に協力を打ち切った。
このハイアムズの行動を見ていると、この男、女性を騙したりするのも得意そうだなと感じるのである。騙して途中まで協力させてぽいっていう感じが、ジゴロそのものであり、憎めないところでもある。

まさにこのハイアムズの所業は、ある女性がいて、「君のことが好きだから色々協力してほしいことがあるんだけど」と言って、その女性の協力を仰ぎ、「じゃあ今度君の女友達も交えて一緒にお茶でもしましょう」と言って、実はその女性の女友達を狙っていると言う手口並みである。


■物語の見事な二極化


3人の宇宙飛行士達は3方向に分かれ、絶望的な中荒野をさすらっていく、水を求め、ヘビやサソリの脅威の中、ヘリの追跡もうけ、一人また一人と脱落していくのである。この荒野での照明弾が遠くの方で見える描写のはかなさは見事である。ここでニ極のうちの一極の出来事が、観客の心の中に澱のような感情を溜め込ませるのである。

さらに、もう一方のコールフィールドの方も、車が何者かにいじられていて停車できなくなってしまたり、狙撃されたり、FBIに麻薬所持のでっちあげ逮捕をされたり、とこちらでも観客に澱のような感情を溜め込ませていくのである。

物語を面白くする方法として、二人の主人公が最後に初めて合流させるという方法があるが、本作はこの方法論を使用している。つまり、
緊張感溢れる二つの物語が最後一つになることによってカタルシスさせ、感動を生み出すのである。


■空前のスカイ・チェイスは伝説に


スカイ・チェイスの前にカレン・ブラックが
初代フェアレディZを運転している。このフェアレディZ。掛け値なしに格好いいデザインである。正直ポルシェかな?と最初は見間違えてしまったほどである。

複葉機とヘリ2機による時速200キロの空中追跡戦は今見ても迫力溢れる映像となっている。本当にどういう風に撮影しているのか?と思わせる。スタントマンはかなり危険なスタントを要求されたと言う。しかし、物語上複葉機を操縦しているテリー・サヴァラス本人は実際は飛行機恐怖症であることが面白い逸話である。


■エンディングのスローモーション


映画にとってオープニングとエンディングが一番重要である。さらに言うとエンディングの方がオープニングよりも重要である。本作はオープニングからエンディングまでは文句なしの見事さであった。しかし、しかしである。肝心のエンディングに大きなミステイクを犯してしまったのである。

賛否両論のエンディングのぎこちないスローモーションは、私的感覚からすれば全く美しくない。このエンディングが最後に感動できるというカタルシスを見事に壊してくれている。せっかく二人とも抜群の表情で走っているのだからスムーズなスローモーションにすべきだった。これじゃ80年代アイドルのCMじゃないか・・・

しかし、エンディングのスローはさておいて、他の二人の宇宙飛行士達は殺されているのだろうか?私は、生きていたと考える。恐らくブルーベーカーを捕まえた上で3人まとめて何らかの第三者とのコンタクト等がなかったか事情聴取をした後に処刑するならしているだろうから残りの二人も無事だっただろう。

一方、事実を葬り去るために逆にケラウェイ所長は自殺、もしくはそれに見せかけて殺されただろう。いずれにしてもそういった展開は観客の想像に任せてアーリントン墓地のシーンで終わったことは正解だった。

映画は饒舌に語る必要はないのである。


■文句のつけようのない映画音楽


ジェリー・ゴールドスミスのテーマ曲は美しさはないがサスペンス調の迫力あるスコアである。今ではずいぶん聞きなれた感じのする音楽だが、それだけ映画の雰囲気にあっていたといえるだろう。

監督のピーター・ハイアムズ(1943− )は、『破壊!』(1973)『2010年』(1984)『シカゴ・コネクション/夢みて走れ』(1986)『プレシディオの男たち』(1988)『カナディアン・エクスプレス』(1990)『サドン・デス』(1995)といった凄く面白いと言うわけではないが、味わい深い作品を取り続けている。

一般的にハイアムズは本作以外は駄作だらけという印象が強いが、私は明確に否定する。もっとも最近の数作は駄作ぞろいではあるが、基本的に手堅い演出が出来る監督である。ちなみに本作は、ハイアムズが映画化を実現するために1972年から企画を制作会社に持ち込んでいたが、内容の際どさから1978年まで実現しなかった。


− 2007年5月19日 −


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