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007/カジノ・ロワイヤル   CASINO ROYALE(2006・アメリカ/イギリス)
■ジャンル: アクション
■収録時間: 144分

■スタッフ
監督 : マーティン・キャンベル
製作 : バーバラ・ブロッコリ / マイケル・G・ウィルソン
原作 : イアン・フレミング
脚本 : ニール・パーヴィス / ロバート・ウェイド / ポール・ハギス
撮影 : フィル・メヒュー
音楽 : デヴィッド・アーノルド

■キャスト
ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)
エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)
マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)
ジュディ・デンチ(M)
ジェフリー・ライト(フェリックス・レイター)
007/カジノ・ロワイヤル
007の明るい未来が開かれた。やはり007は若返るべきであった。最高に野性的でクールなクレイグ=ボンド像の構築を観客が見ている前でしていった所にニュー・ボンド戦略の賢さがあった。世界中のメディアとインターネット上でミスキャストと叩かれていたこの男の魅力を堪能してくれ。世界にぐうの音も言わせないほどに魅力的なジェームズ・ボンドを演じているこの男を。

■あらすじ


二人の人間を殺し007に昇格したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。ミッションに対して失敗を重ねながらも、ポーカーの腕をかわれ、1500万ドルのミッションを行うことになる。財務省から派遣されたヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)を相棒に、テロリストの資金源となっているル・シッフルの野望を打ち砕くためモンテネグロで1億ドルを賭けたポーカーの勝負へ・・・


■新しい007シリーズの幕開け


ダニエル・クレイグ ダニエル・クレイグ ダニエル・クレイグ
いかにメディアというものが当てにならないかと言うことが分かる。当初ニュー・ジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグに対するバッシングは凄まじかった。そして、いざ映画が公開されてみれば賞賛の嵐である。なんとも人間とは調子のいい生き物である。そして、人間ほど他人のことについてとやかく言いたがる種族はいないのである。

私自身もそういった情報の中で、ダニエル・クレイグをろくに知らずに、
「なぜブロスナン続投じゃないんだ?よりによってこんな地味な男がボンドを演じるのか?」と失望したものだった。メディアを鵜呑みにしていると自分自身の浅はかさまでもさらけ出してしまうことになると言うことを自覚し、自戒している。

それにしても、大いなるプレッシャーの中で本作を作り上げた人々はまさに敬意に値する。本作は若干の不満はあるが、全体において007シリーズの中でも傑出した作品である。まさに新しい007シリーズの幕開けである。


■正統ショーン・コネリーの後継者


新ボンドを演じるダニエル・クレイグ(1968− )はイギリス出身の俳優で『ロード・トゥー・パーディション』(2002)や『ミュンヘン』(2005)などに出演している。彼は2005年9月15日に6代目ジェームズ・ボンド役に決定した。新ボンドを演じるにあたってショーン・コネリーが役作りの上の悩みに随時乗っていたという。そして、クレイグはボンドを演じるために禁煙をして徹底的に肉体強化し9キロ体重を増やし、新しいボンド像である筋骨隆々の肉体改造に成功した。

ここに007史上初の金髪碧眼のジェームズ・ボンドが誕生したのである。製作のバーバラ・ブロッコリが『レイヤー・ケーキ』(2004)を見て、クレイグこそ新しいボンド役に相応しいとボンド役を依頼したという。ちなみに前ボンド役を演じたピアース・ブロスナンは続投を希望したが、製作サイドが若返りを図っていたので断っている。

他にユアン・マクレガー、ゴラン・ヴィシュニック、ヒュー・ジャックマン、クライヴ・オーウェン、クリスチャン・ベール、エリック・バナ、コリン・ファレル、ジュード・ロウ、オーランド・ブルームなどがニュー・ジェームズ・ボンドの候補に挙がっていたという。



■エヴァ・グリーンの美しさ


エヴァ・グリーン エヴァ・グリーン エヴァ・グリーン
最近において、ボンドガールの価値は低下してきているとよく言われているが、それは間違っている。実際のところ007シリーズ開始からティモシー・ダルトンがボンドだった頃までは、ソフィー・マルソー・レベルの女優はなかなかやりたがらなかった。それはボンドガールをしても、その後のキャリアが上昇しそうになかったからである

しかし、昨今においてはロジャー・ムーア時代のような多人数で添え物的なイメージではなく、重要なパートナー的役割になったので一流女優がボンドガールを演じるようになってきているのである。本作のボンド・ガール、エヴァ・グリーン(1980− )はソフィー・マルソーに少し似てはいるが、時折魅せる幼げな表情と、一種独特な目が美しい人である。

エヴァ・グリーン エヴァ・グリーン
しかし、何よりも彼女の魅力的な所は、その唇だろう。ある意味ボーイッシュな美女でその中性的なところが今までのボンドガールと違うところである。

彼女の母親はブロンソンの『雨の訪問者』(1970)のマルレーヌ・ジョベールである。そして、身長168pとさすがにスタイルもよい。ちなみに彼女は5人目のフランス人ボンド・ガールである。そして、この美しきボンドガールが愛用する香水は
サンタ・マリア・ノヴェッラのメログラーノ(ザクロ)である。

エヴァ・グリーン エヴァ・グリーン エヴァ・グリーン
当初ヴェスパー役としてアイシュワリヤー・ラーイ(1973− インドの女優、1994年ミス・ワールド)、ナオミ・ワッツ、シャーリーズ・セロン、タンディ・ニュートン(1972− )、アンジェリーナ・ジョリー、レイチェル・マクアダムス、カテリーナ・ムリノ、シエナ・ミラー、ローズ・ボーン、レイチェル・スターリング(1977、『スティル・クレイジー』)、ナターシャ・ヘンストリッジ、ジェシカ・シンプソン、スカーレット・ヨハンソン、ヴェラ・ファミーガが候補に挙がっていた。

このヴェスパー・リンドは原作者イアン・フレミングが、実際の知り合いであるクリスティーン・グランヴィル(1915−1952)をモデルにしたと言われている。ポーランド人の彼女はナチスに占領された祖国のために戦ったレジスタンスである。そんな彼女は戦後スチュワーデスをしていた時に、同僚のスチュワードにナイフで刺され死んだという。そんな彼女の想いをこめてフレミングは1952年に本作を書き上げたと言う。


■ボンドガール


カテリーナ・ムリーノ カテリーナ・ムリーノ カテリーナ・ムリーノ
「ジェームズあなたは人妻趣味なの?」「事が簡単だからね」


こういう会話の中で登場するもう1人のボンド・ガールは、ペネロペ・クルス似の美女
カテリーナ・ムリーノ(1977− )である。ちなみに私が今までで一番愛した女性は、日本人女性だが、日本人離れしていてカテリーナにそっくりなルックスの女性だったので、ある意味親近感を感じる。カテリーナはイタリア出身で、1996年ミス・イタリア第4位にも選ばれたことがある。

イワナ・ミルセヴィッツ アレッサンドラ・アンブロシオ アレッサンドラ・アンブロシオ アレッサンドラ・アンブロシオ
そして、イワナ・ミルセヴィッツ(1974− )サラエボ出身で178pと長身の女優であり、この3人が本作のメインのボンド・ガールである。イワナに関して言えばあまり見せ場のない役柄で印象は薄い。どちらかというとオーシャンクラブの受付嬢役をしたクリスティーナ・コール(1982− )の方がちょい役ながら魅力を感じる。あとテニス・ウェアを着た美女役でスーパーモデル・
アレッサンドラ・アンブロシオ(1981− )がカメオ出演している。

ちなみに『007は二度死ぬ』(1967)でボンドを裏切る中国美女役で出演していツァイ・チン(1936− )がマダム・ウー役で出演している。


■欠かせない魅力的な敵役


マッツ・ミケルセン マッツ・ミケルセン マッツ・ミケルセン
そして、007に欠かせないのが魅力的な敵役である。当初ル・シッフルが登場したときは、血の涙を流すその不気味な形相にドナルド・プレザンスの再来かとワクワクしたのだが、借金の取立てにおどおどしたりと結構なさけない部分もあり、さらにボンドの最後のボスではなかったのでがっかりした。このル・シッフルは最近の007の中でもなかなか魅力的な敵役だっただけに残念である。

しかし、この役を演じた
マッツ・ミケルセン(1965− )はなかなか魅力的な役者である。デンマークの俳優で、2004年に『キング・アーサー』でハリウッド・デビューしている。彼はなんとデンマークでは、「最もセクシーな男」と言われている。

ちなみにル・シッフル役には当初『ヒトラー/最期の12日間』(2004)でゲッペルスを演じたウルリッヒ・マテス(1959− )にオファーされたが『ヴァージニア・ウルフなんて怖くない』の舞台のため辞退している。さらに『ガンジー』(1982)のベン・キングスレーからの要望により、敵役で出演交渉をしたが実現しなかった。


■007ファンとして不満な部分


残念なことに本作において、秘密兵器開発のQもRも出てこない(『007/死ぬのは奴らだ』以来である)。そして、マネーペニーも出てこない。これは007ファンとしてはかなりの不満である。この二人が出てきてくれるだけで007だというわくわく感が生まれるのだが・・・恐らく次作においては復活してくれるだろう。ジョン・クリーズもサマンサ・ボンドもかなりはまっているので二人での続投望む。

一方、Mを演じるジュディ・リンチは続投して出演している。『ゴールデン・アイ』(1995)で出てきた当初は違和感があったが、今は彼女の存在だけは外せないだろう的役柄である。
「感性の欠しい人間には理解できないと思うけど、傲慢≠ニ自己認識≠ヘ別なのよ」なんてセリフは、昔のMや違う役者じゃあざとくなるだろう。


■アクションシーン


ダニエル・クレイグ ダニエル・クレイグ
007といえば超人的アクション・シーンであるが、本作においても若干のパワーダウンは感じるが、肉体を酷使したスピーディーなアクションが展開する。前半のパルクール(フリーランニング)の第一人者セバスチャン・フォーカンとのマガダスカルの工事現場でのアクションは、まさに肉弾戦でスピーディーな展開で抜群に良かったが、締めが撃ち殺して終わりだったのが残念だった。
007の売りはアクション・シーンの締めの見事さである。これが007らしさを生み出すのであるが、本作はその部分が全体的に弱い。空港でのアクションも迫力はあるが、目新しさのない使い古されたシークエンスのアクションだった。

ヴェスパーが誘拐され、それを追跡するボンドがアストン・マーチンに乗り込む。これはまさしく期待度をくすぐる演出なのだが、アストンが何の活躍もせずにクラッシュしてしまうのである。あのシークエンスは7回転が実にスリリングだから文句つけようがないが、せめてその前に一回くらいアストンの活躍の場を与えてほしかった。空港のシーンを簡略化して組み込むべきだったであろう。

ラストのヴェニスでの、水の上に浮かぶ建物でのアクション・シーンは凄いとは思うがイマイチ迫力が感じられなかった。007作品のラストを飾るにはこじんまりし過ぎな狭い場所でのアクションだからだろう。このシーンの撮影だけのために3週間かけて撮られたというが、
やはり007のラストはスケール感溢れるアクションを期待するファンが多いはずである。


■ボンド・カー&ゴージャス・ロケ


アストンマーチン
007と言えばボンド・カーであるが、バハマのシーンにおいて、衝撃的にダサいシーンが出てくる。なんとボンドがフォードの新型モンデオに乗って登場するのである。いくらタイアップしているとはいえダサすぎる。それならまだレクサスのLSの方が良い。このシーンには正直幻滅してしまった。

本作における企業との露骨なタイアップぶりに
「ジェームズ・ボンドはソニーとフォードとオメガに雇われた宣伝部員である」という人もいるが、確かに露骨過ぎるタイアップは物語をしらけさせる。

しかし、アストンマーチンDB5(1964年製)と新型DBSはぞっとするほど格好良かった。DBSの回転シーンのために30万ドルのDBSが3台破壊された。願わくばDBSに秘密兵器を3つばかり搭載してほしかったところである。やはりボンドカーと言えば秘密兵器搭載だろう。

エヴァ・グリーン エヴァ・グリーン
他にもボンド映画の醍醐味と言えばゴージャスなロケーションである。本作においてはチェコ、バハマ、ヴェニスでロケーションをしている。やはりボンドには南国と水の都が凄く似合う。この浮世離れ感覚が実際のところ007映画の最高の魅力かもしれない。


■抜群のオープニング・タイトル


007/カジノ・ロワイヤル 007/カジノ・ロワイヤル
そして、忘れてはいけないのがオープニング・タイトルとテーマ曲である。007は本当に多くの部分において楽しめる大人のおもちゃ箱である。かつてはモーリス・ビンダーが女性の体のシルエットを巧みにイメージしたタイトルバックを作り上げていたが、本作では女性のシルエットは一切登場しない。

『ゴールデン・アイ』から担当しているダニエル・クラインマンによる本作のテーマとなるポーカーとニュー・ボンドをイメージしたタイトル・バックはかなり魅力的で、クリス・コーネル(1964− )によるテーマ曲"You Know My Name"とマッチしていてかなり良い。

特にタイトルの最後で実物のボンドがこっちに向って歩いてくるところなんかは鳥肌ものである。それにしても007の主題歌はどの曲も出色の出来である。本作の曲もニュー・ボンドらしいロックで凄く良い。


■やはりダニエル・クレイグにつきる


毒を盛られて死にかけるボンドの設定は実に斬新で、その毒殺から逃れるためのプロセスはかなりスリリングである。こういうリアルな描写が本作を魅力的なものにしたのだろう。ちなみにその前のシャワーでヴェスパーが嘆いているシーンは当初全裸で撮影の予定だったが、クレイグが反対したと言う。

最後の
「マイ・ネーム・イズ・ボンド。ジェームズ・ボンド」と名乗るシーンは最後の決めとしては悪くないのだが、欲を言わせてもらうとエンディングが流れた後にタキシード姿でガンバレルの登場シーンを登場させるべきだった。まさにボンド誕生。そして、「ジェームズ・ボンド・ウィル・リターン」とすべきである。

やはり新しいボンドになっても培ってきた素晴らしい印象的なものは継承していくべきだろう。


■勝利者達の真の勝利は第22作目にかかっている


007/カジノ・ロワイヤル 007/カジノ・ロワイヤル
シリーズ21作目の本作から新しいボンドの時代が始まり、ジェームズ・ボンドの設定は、1968年4月13日生まれとされた。本作の監督は『ゴールデン・アイ』も監督したマーティン・キャンベルであるが、当初はタランティーノがピアース・ブロスナン続投で監督したいと直訴していた。

ちなみに本作は007史上最も上映時間が長い作品となった。前作の20作記念が北朝鮮が絡んできたり、ハル・ベリーにイマイチ花がなかったり、CG多様のアクションでしらけたりと不評だった分、本作において見事に007シリーズは生まれ変わった。

おそらくこれからダニエル・クレイグ=ジェームズ・ボンド時代が始まるだろう。

− 2007年6月14日 −


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