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デッドポイント 〜黒社会捜査線〜   非常突然(1998・香港)
■ジャンル: アクション
■収録時間: 90分


■スタッフ
監督 : パトリック・ヤウ
製作 : ジョニー・トー

■キャスト
ラウ・チンワン(サム)
サイモン・ヤム(ケン警部)
ヨーヨー・モン(マンディ)
ルビー・ウォン(メイシー)
レイモンド・ウォン(ジミー)
ホイ・シウホン(ベン)
ラム・シュー(宝石泥棒)
佐藤佳次(宝石泥棒)
デッドポイント 〜黒社会捜査線〜
衝撃のラストシーンにあなたは何を見るか?人間に必ず訪れる死という最終局面。全ての物事がその瞬間に投げ出され、未完の記憶として残っていく・・・出来る時に出来る限りのことを実行しておく・・・。とにかくこの作品をまず鑑賞してみよう。何ともいえない気分になるはずだ。

■あらすじ


宝石店が3人組に襲撃される。しかし、警官の迅速な対応により宝石を奪わずに逃走する3人組。そのうちの1人はあるマンションに逃げていく。実はこのマンションには宝石店を襲おうと考えていた重火器を装備した別の4人組が、住民の母娘を強姦し、ある部屋を占拠していた。思わぬ警官隊の突入により大銃撃戦になる。そして、彼らは逃げていった。特捜班のケン警部(サイモン・ヤム)とサム(ラウ・チンワン)達は、早速凶悪犯の追跡を開始するのだった。



■まずはラム・シューの冷や汗≠ゥら


ラム・シュー
冒頭からラム・シュー(1964− )がはじける。まさに位置についてヨ〜イドン!でダッシュをかます馬鹿野郎そのものに一人スパートをかますラム・シュー。「オイオイ、90分のレースなんだから・・・」という突っ込みは無用。
ラム・シューは息切れになってからが見どころなんだ。そして、彼だけはVIP待遇でレースを早く切り上げることが許されている。

まずはどこかからパクってそうなバンを運転して駐車に失敗し前の車にごっつんこ。日本だとこの時点で通報されハイ終了のはずだろう。しかし、ここは香港。宝石店を襲撃しハンマーでディスプレイのガラスをぶち壊そうとするラム・シュー。
目を剥いて冷や汗¢S開にガラスと格闘するのだが、ラム・シューだから勿論ガラスは壊れない。

そして、警官が駆けつけてきたので、何も奪わずに逃げるラム・シューたち。バンに駆け込むが、ここもラム・シューなので駐車した真後ろにトラックを止められ動けない状況に。そして、右往左往しながら逃げた先が、鬼畜犯罪者の住処だった。それにしても、ラム・シュー。あっさりと捕まるのだが、コイツの身の上話が、何とも現実的に日本の出稼ぎ中国人にも当てはまってそうで悲しすぎる。

河南省(日本の半分の面積に1億人の人々が住む。中国でも貧困地帯が多く存在する省)から、男5人女3人を食べさせるために香港に出てきたという。そして、3ヶ月路上で暮らし結局仕事が手に入らず強盗するハメに・・・


■元ギャンブル大将の仲間その一≠セったホイおじさん


デッドポイント 〜黒社会捜査線〜
同情の余地のあるラム・シューに対して、彼が逃げ込んだ先の犯罪者達は、まさに鬼畜としか言いようがない所業を繰り広げる。母娘家庭を狙い、母と娘を同時にレイプしながらずっとそこに居座り続け、犯罪の拠点にし、犯し続けた末に、殺して去るという残酷さ(別の家庭では女を犯して殺し、その女の赤ん坊を乾燥機に閉じ込めて殺している)。

そんな鬼畜犯罪者に対峙するのが特捜班である。その面々はサイモン・ヤム、ラウ・チンワン、ホイ・シウホン、ルビー・ウォンとかなり豪華だ。中でも二人の主役はさておきホイおじさんがかなりいい味を出している。『MR.BOOギャンブル大将』(1974)の頃(写真右端)はさすがに若い。

このホイおやじさんの存在が、本作の緩和剤になっていた。日常においても見るからに仕事の出来る人よりも、こういった和ませる&オ囲気を醸し出しながらも仕事が出来るおやじの方が重宝されるよな。


■中年男性の魅力とは


デッドポイント 〜黒社会捜査線〜
そして、美女ヨーヨー・モンちゃんをめぐる三角関係。寡黙でクールな頼れる上司サイモン・ヤム(1955− )と我が道を行くタイプで、出世は出来なさそうだが、仕事は出来るラウ・チンワン(1964− )。若い女性に対してなかなか素直になれないサイモンと自分の純真ぶりをおちゃらけぶりで隠すラウ・・・。

どっちも中年男性にはわかりすぎる程にわかる役柄。
中年の渋さに惚れる若い女性は多い。しかし、どんな男でも若さに対して自信を失う瞬間がある。年を取ればとるほど恋愛にに奥手になる男女がいる。逆に言うとそうであるからこそ彼らは魅力的なのだが・・・

そして、中盤で描かれる刑事としての日常的な出来事が、衝撃の最後に結びつくのである。それにしても張り込みのため売店の売り子に変装するルビー・ウォンが可愛い。


■ヨーヨー・モン 美しすぎる

ヨーヨ・モン ヨーヨ・モン ヨーヨ・モン ヨーヨ・モン
それにしてもヨーヨー・モン(1977− )は美しすぎる。この人本当にタイプだよなぁ。何といってもあの長い手足と目鼻立ちのバランスが絶妙すぎる。彼女はこの作品の芝居で第18回香港電影金像賞最優秀新人賞にノミネートされる(受賞は『ジェネックス・コップ』のニコラス・ツェー)。

しかし、あの鬼畜3人組が彼女の家に立て篭もっている(=犯されて)と連想させる思わせぶりな演出にはすっかり騙されてしまった。この作品の展開ならヨーヨーちゃんも犯されて殺されてましたなんてやりかねない何でもありの雰囲気があったからなぁ。
特に90年代の香港映画には70年代の東映映画&角川映画のような鬼畜そのものの暴走パターンに突入する危うさがあった。

そして、銃撃戦の末に鬼畜3人組を射殺し、ほっとする特捜班の面々。あとはモデルガンで宝石泥棒をして逃亡中のラム・シューの片割れ二人組だけだったから、楽勝だとばかりに勤務を切り上げ特捜班全員で上機嫌に酒場に繰りだす。そして、酒場の前でその二人組を発見してしまうのだった。


■ジョニー・トーは1998年から一つの可能性を見いだした


さあ一石二鳥だとばかりに、増援も呼ばずに、防弾チョッキもつけずに正攻法で逮捕しようとした特捜班6人は、大銃撃戦の末に、情無用に全員即死してしまうのだった。犯人二人と共に。ラウ、ルビー、サイモン・・・どの殺され様もかなりリアル。
しかも全員が全員とも瀕死の重傷で殺しあう姿が映し出されるのだが、もはや映画を越えて醜すぎる。

この醜すぎる衝撃のラストが鑑賞者にどういった印象を与えるのだろうか?カタルシスはそこにはない。『ワイルドバンチ』のように全員死ぬのだが、そこには滅びの美学はない。
彼らには守るべきもの、愛するものが存在した。にもかかわらず唐突に死んでいくその姿。

取り残されたヨーヨー。
カタルシスの重箱を逆さまから突っついたような幕切れは、世界中の刑事アクション映画の中でも極めて異質なものではないだろうか?全てを台無しにしたとも、全てを良くしたとも取れるこのラスト・シーン・・・しかし、1998年という香港映画がどん底だった時代にこれを生み出せたからこそ直ぐその後にジョニー・トーは『暗戦』『ザ・ミッション 非情の罠』という傑作を生み出し得たのだろう。

ちなみに本作は600万香港ドルで製作された。

− 2008年2月18日 −


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