HOME
■サイト内検索

■洋画
 □カタカナ順
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 □クラシック
 □ドラマ
 □コメディ
 □サスペンス
 □アクション
 □ポリス
 □スパイ
 □犯罪
 □カー
 □ミュージカル
 □史劇
 □文芸
 □戦争
 □西部劇
 □アドベンチャー
 □パニック
 □ギャング、マフィア
 □SF
 □ホラー
 □スポーツ
 □香港
 □ドキュメント
 □アニメ
 □エロス
 □B級
 □アカデミー賞
 □カンヌ映画祭
 □ヴェネチア映画祭



■邦画
 □ひらがな順
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 □名作
 □ドラマ
 □喜劇
 □サスペンス
 □アクション
 □刑事
 □時代劇
 □戦争
 □文学
 □パニック
 □東映ヤクザ
 □ギャング、ヤクザ
 □特撮
 □怪奇
 □ドキュメント
 □アニメ
 □エロス
 □B級
 □海外映画祭受賞
デストラップ・死の罠   DEATH TRAP(1982・アメリカ)
■ジャンル: サスペンス
■収録時間: 116分

■スタッフ
監督 : シドニー・ルメット
製作 : バート・ハリス
原作 : アイラ・レヴィン
脚本 : ジェイ・プレッソン・アレン
撮影 : アンジェイ・バートコウィアク
音楽 : ジョニー・マンデル

■キャスト
マイケル・ケイン(シドニー・ブリュール)
クリストファー・リーヴ(クリフォード・アンダーソン)
ダイアン・キャノン(マイラ・ブリュール)
アイリーン・ワース(ヘルガ・テンドープ)
デストラップ・死の罠
日曜日の午後に紅茶でも飲みながら鑑賞する≠ノ相応しい大人のサスペンス。マイケル・ケインの役柄をジーン・ハックマンが演じきっていたらある意味傑作になっていたかも・・・。それ程味わい深い作品ではないが、『スーパーマン』ではないクリストファー・リーヴの芝居とマイケル・ケインの相変わらず上手い芝居のかみ合い加減に注目して観てみるとなかなか面白い。

■あらすじ


ブロードウェイの劇作家シドニー・ブリュール(マイケル・ケイン)は、かつてはミステリー劇を大ヒットさせていたが、今や4作連続失敗作であり、すっかり落ち目になっていた。そんな折、クリフォード・アンダーソン(クリストファー・リーヴ)という元講義受講生のミステリー劇の脚本の処女作「デストラップ」が、自宅に送られてくる。その作品の質の高さに、シドニーはクリフォードを殺害して作品を奪う決意をするのだが・・・


■スーパーマンから、一転してホモ青年を演じる


デストラップ・死の罠
スーパーマン』(1978)のイメージ以外の可能性を求めるためにクリストファー・リーヴ(1952−2004)が模索していた時代に作られた作品。『ある日どこかで』(1980)で印象深い芝居を見せた後に選んだ作品が、この作品だった。芸達者なマイケル・ケイン(1933− )とほぼ二人芝居に終始するというチャレンジに望んだ作品。

決して深い印象を残すわけではないが、鑑賞している間は心地良いミステリー空間が満喫できるはず。この作品の魅力は、ずばりこの二点に絞られる。まずは二転三転するストーリー・ライン。そして、マイケル・ケインを中心に微妙なかみ合いを見せるキャノンとリーヴの芝居合戦。


■酷評されたダイアン・キャノン


デストラップ・死の罠 デストラップ・死の罠
公開当時酷評されたダイアン・キャノン(1937− )の芝居。本人にとっては不本意な評価だろう。この作品は、作中劇であり、意図的に登場人物の芝居は大げさである。そんな中でもキャノンの芝居が目立って大げさだったから酷評されたのだろうが、私的には、キャノンの躁鬱的な芝居はとてもよかった。

特にケインとリーヴを前に演説をぶつかのように一人でまくし立てるキャノンの姿は、キュートであるとさえ言える。作中劇を強調するカットの少ない映像の中で、舞台劇の熱気が映画をマヌケにしてしまっているのだが、それを分かって見ると、この作品に奇妙な味わいが生まれてくる。
ダイアン・キャノン ダイアン・キャノン
夫にペット扱いされるカワイイキャノンが実に魅力的なのだが、この作品の一番ダメな所は、なぜ彼女を殺す必要があったという点にある。恐らく目の肥えたミステリー愛好家は、この一点において、この作品に対して興覚めするだろう。


■小道具を多用するもイマイチ面白味に欠ける


マイケル・ケイン デストラップ・死の罠
ブラックなユーモアに包み込まれた二転三転する展開の中に、手錠や斧、ナイフ、拳銃といった小道具が多く登場するのだが、理路整然としたその流れが都合のよさを感じさせる(だからこそ血の通っていない作中劇なのだが・・・)。ここが実に舞台劇的であり、映画的には、面白味を削いでいる部分になる。しかし、物語の中盤に見逃せないこの作品のハイライトとも言えるシーンが存在する。


■男同士のキスシーンの舞台裏

デストラップ・死の罠 クリストファー・リーヴ クリストファー・リーヴ
『デストラップ』では、クリストファー・リーヴにキスしなければならないシーンがあった。彼は私よりでかいし、それに正直に言って、父親を除けば、生まれてこのかた一度も男とキスしたことはない。この仕事をするのは、私にとって殺人的に大変なことだった。ある程度までは、ここでもジョークが救いになった。私はクリスに
「口を開け、舌を入れたら殺すからな」と言った。クリスと私がこの難関を乗り越えられたのは、技術とか感情によってではなく、残念ながら二人で飲んだ一瓶のブランデーのおかげだった。

マイケル・ケインが上記のように述懐しているこのシーンは、観ているこちらも照れるような艶めかしいキスシーンである。もしお互いに服を着ていたならばそうではないだろうが、なんともホモっぽい雰囲気のリーヴが上半身裸であるという所が要らぬ想像をさせ、ケインの透き通った青い眼さえもホモっぽいと思わせてしまう。

しかし、このキスシーンが見所であるのは何も男同士のキスのためだけではない。そのキスシーンの後にカットなしで泣きの芝居を見せるケインの凄さも合わせて見所なのである。こういった部分にさり気なく見せ付けられる役者魂。
私が、マイケル・ケインという役者が好きな理由もこの役者にはどんな作品に対しても本気≠ナ臨んでいるという姿が芝居の端々から窺えるからである。


■果たして映画としてはどうなのか?


デストラップ・死の罠
― リーヴと当時の恋人、ケインの妻とケイン 1982年 ―

最後のオチは作中劇だったというオチだが、ヘルガが本当の事件をパクって舞台劇に仕上げたという風にも取れなくはない。ただし、一介の霊媒師が、自分のいない時に起こったディテールを含めて舞台劇として書き上げる事など不可能に近いであろうことから、ヘルガという舞台劇作家が書いた芝居を見せられていたというオチが正当な解釈だろう。

ちなみに最後の舞台劇のシーンは、実際にブロードウェイで本作が上演中に撮られている。原作は『ローズマリーの赤ちゃん』『ブラジルから来た少年』などで有名なアイラ・レヴィンが1978年に発表した戯曲である。本作は、アメリカだけでも1738万ドルを稼ぎ出すヒット作となった。

− 2008年2月5日 −


当サイト内で使用している画像・映像キャプチャー等は、あくまで映画文化の熟成及び芸術復興を標榜する当サイトの意図により、
「映画を文章だけで云々することの不誠実さ」と「目で感じる芸術及び娯楽」である映画に対する敬意の姿勢で使用しております。よって著作権等は、全て各製作者・会社に帰属します。
画像・映像キャプチャー等の使用に関して表記の問題がある場合、又は削除依頼がある場合は迅速に応対させていただきますのでご連絡ください。
このサイトは、100%非営利に、純粋に「映画解釈の究極」を求めて運営されています。取り上げるべき作品・感想等ございましたらどんどんメールください。
当サイトはリンク・フリーです。
Copyright (C) 2007 Geijyutsu Taizen. All Rights Reserved.
Mail:webmaster@summaars.net