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バニシングIN60”   GONE IN 60 SECONDS(1974・アメリカ)
■ジャンル: アクション
■収録時間: 99分


■スタッフ
監督・製作・原案・脚本 : H・B・ハリッキー
撮影 : ジャック・ヴァセク
音楽 : フィリップ・ハチャトゥリアン


■キャスト
H・B・ハリッキー(メインドリアン・ペース)
マリオン・ブシア(パンプキン)
ジェリー・ドージラーダ(ユージーン)
ジェームズ・マッキンタイア(スタンリー)
バニシングIN60”
「カークラッシュバカ一代」H・B・ハリッキー!オレはおまえを無条件にリスペクトするぜ!車に対する愛情のリミッターが弾け、女王様が奴隷を愛するように、破壊することによってのみ車への溺愛を表明し続けた男・ハリッキー!ハリッキーの前では理屈は二の次、「とりあえずまず壊しとけ」。ハリッキー映画の基本は「カー・コレクションの展示」、そして、「とりあえずまず壊しとけ」。

■あらすじ


60秒で高級車を窃盗するというメインドリアン(H・B・ハリッキー)が率いる自動車窃盗集団が、希少価値のある52台の車の窃盗を依頼される。早速51台まで窃盗は完了するのだが、のこりの一台。そうムスタング・マッハ1だけが、なかなか窃盗できない。そして、やっと窃盗に成功したかと思った瞬間、警察に包囲されていた。警察の包囲網を突破すべくひたすら疾走するメインドリアンは果たして逃げ切れるか!?


■アメ車好きでハリッキーを知らねえヤツなんざいねえよな?


バニシングIN60” バニシングIN60”
「オレのカー・コレクションを堪能してくれ!」っと言わんばかりに延々と車を見せ付ける中盤のハイライトである倉庫にずらっと並ぶ高級車の一群。オレにとってはすごく退屈だったが、意気揚々と歩くハリッキーだけは、「スクリーンの前のみんなはぶったまげてるだろうな」的自己満足に満ちていた。

そんなハリッキーを見るたびにオレは思う。コイツかなりモテるだろうが、ナンパした女の前で延々と車の話をしてフラレた経験ありだろうなと。だからオレはこの自己陶酔オヤジに果てしない愛着を覚えた。

「車はクラッシュする瞬間にその車の性能と美しさがわかんだよ!」と語りだしそうなハリッキー。そんなおまえがいたからこそ、世界はより能天気に明るいものになったんだぜ。


■ちょっとひとっ走りしてくっか?


ムスタング ムスタング
目も眩む超高級車をわずか60秒でかっぱらうグーな男たちの詩 ―公開当時のキャッチコピー

70年代のアメ車といえばやはりこいつだな。そうムスタング!しかもマッハ1!まさにマックィーンへの挑戦状!
「オレならもっとムスタングですごい走りできんだぜ!」おそらくこの作品を見たマックィーンは、このカークラッシュバカ一代ハリッキーの走りに、地団駄を踏んで悔しがっただろう。

それにしてもムスタングの魅力!やはりこのエンジン音の嘶きこそが真骨頂だよな。男性ホルモンが濃縮された男がより男臭さにいかれる為の車。その前では上品なドイツ車なぞ及びもつかんだろうなぁ。
そして、このムスタングに乗り込む瞬間のハリッキー。この顔ならどんな女もホモも惚れるよな。


■おいおい?イイ車にはイイ女が定番だろ?


バニシングIN60” バニシングIN60”
しかしだよしかし、ハリッキーって絶対に女と車どっちを選ぶかといわれたら車を選ぶやつだな。このポスターの峰不二子風の女性がいつ出てくるか期待してたが、出てきたのは、
今もクラブによくいそうなバカっぽいねえちゃんが一瞬だけ・・・しかも、カメラワークは最低。せめてポスターが嘘なら、このシーンくらいは舐めまわすようなカメラアングルでお詫びのショットを・・・だろ?

ハリッキーって、絶対にサーキット場にはレースクィーンはいらねえ!と考える派だよな。オレはすっかり「出演者 エレノア」とはこのポスターの姉ちゃんと思ってたので・・・それがムスタングの暗号名と知った瞬間かなりがっかりした。

オレとしては、イイ車にはイイ女はべらして欲しいのだが・・・虎じゃなくてさぁ??もしくは神<pーネリ・ジョーンズじゃなくてさぁ。しかし、あのパジャマ姿で車をぶっ飛ばし捕まるオヤジ。
ジョン・カザールだと一瞬思ったぜ。


■ハリッキーお前はどこまで自己顕示欲が強いんだよ!


H・B・ハリッキー H・B・ハリッキー H・B・ハリッキー
さすがはH・B・ハリッキー!
スーツは白で、奥さんは自分より背が高い!これって見栄っ張りの基本だよな。ここでハリッキーについて説明しよう。決して映画正史には記載されない男だろうから。

トビー・ハリッキー(1940−1989)。通称H・B・ハリッキー。父親は自動車のスクラップ工場を経営していた。彼には13人の子供がいてトビーはその11人目である。父親の仕事柄、子供の頃から車に興味を持ち、8歳で車の運転を覚え、15歳で全財産40ドルを持って家出し、17歳の時にハイスクールに通いながらレースの賞金を元手に小さなカーショップを経営した。そして、中古車販売業、不動産業で億万長者になる。

1970年ハリッキーは友人から聞いたアイデアを元に、カークラッシュ・ムービーを製作しようと思い立った。当時はまだカーチェイスのある映画といったら『ブリット』(1968)くらいの時代だった。早速ハリウッドに原案を書き売り込むが、全く相手にしてもらえず、自分達で製作することにした。それがこの作品である。

ちなみにこの作品の前にハリッキーはスタントマンやアクション監督として活躍していたという経歴が一部謳われているが、実際のところ、そういう事実はないらしい。こういうちょっと吹かした経歴もハリッキーらしくて憎めない。


■キャデラックぶっ潰しちまったよ?やっぱ弁償しないとダメか?


バニシングIN60” バニシングIN60”
本作製作のためにハリッキー自身の全ての資産と、集められるだけの金150万ドルをかき集めた。その車代だけでも80万ドル(総数116台→93台廃車に)かかったという。さらに女性3名を含む16人のスタントドライバーの協力によりカークラッシュシーンの撮影に7ヶ月を費やした末に本作は完成したのだった。全スタッフの総勢は27名だった。この撮影にあたりカリフォルニア州の市長や警察、消防も全面協力した。

後半の40分間のカーチェイス・シーンの中で圧巻なシーンは、ハリッキーがキャデラックの代理店のショールームの撮影許可をもらったついでに、どさくさにまぎれて12台のキャデラックの新車をぶっ潰したシーンだ。顔が真っ青なマネージャーにハリッキーは
「いい絵が撮れたよ」と肩を叩き立ち去ろうとしたが、もちろん12台分のキャデラックを購入する羽目になったという。

それにしても、116台中93台が廃車になったというが、よく観てみるとフェラーリデイトナ、ランボルギーニミウラ、デトマソパンテーラ、ロールスロイス、ベンツ、ポルシェ、マセラッティーといったヨーロッパ車はマジに高級車なので廃車になっていない。そこんとこが実にハリッキーらしい。


■このスピン!やばすぎだろ?


バニシングIN60” バニシングIN60”
ハリッキーはこの作品の全編93分のうちの残り半分をまるまるカーチェイスに費やした。もちろん前半にもっとカーチェイスをばらした方が万人受けする映画にはなったろうが、ハリッキーは万人受けする気などさらさらなかったのだろう。
エレノアは全シーン映ってようと映ってなかろうとハリッキーの運転なのだが、40分間のカーチェイスの中でも先のシーンよりも圧巻のシーンがまだある。そう、ハイウェイから側道に逃げる時に、けつを後続車に当てられ電柱に激突するシーンだろう。このシーンはマジで事故ってるシーンである。

とにかくスピンの回転速度が異様なほど速く、コレはヤバイだろというほどの衝撃が車体に襲い掛かっているのが、観ているだけでわかる。ハリッキーはこれで重傷を負ったのだが、その時の一言も
「いい絵が撮れたか?」だった。


■オレは鳥になりたいんだよ!


バニシングIN60” バニシングIN60”
飛ぶ!飛べ!飛んだ!羽ばたいたァ〜!これでもかとくどいほどのスロモーションで、ジャンプシーンを様々な角度から、ジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー』(1985)のポール下り並みに繰り返すハリッキー。正直そこまで繰り返すほどかとも思ったのだが、このスタントでハリッキーは脊髄損傷し、生涯歩行が不自由になったという事実を知れば、その思い入れ故なんだと許容できる。

ちなみにこのムスタング40分間延々と走り続けるのだが、実際に撮影に使用されたのもこの一台だけだったという。このムスタングまさに一年がかりで改造された超強化ムスタングだった。

しかし、残念なのは、ハリッキー死後に、7回に及んだ様々な法廷闘争の結果サントラの権利を失ったので、あのカントリーチックなロイス・レーン・ブルース≠ネどの魅力的なスコアが全てシンプルなスコアに変更された点だ。この点はかなり痛い!

さらにこの作品、全体的にストーリーが分かりにくい。それは脚本が存在せず、役者のせりふはアドリブかまたは、ハリッキーがメイク中に指示するというアバウトな感じだったため、編集過程でどう繋げばいいかハリッキー自身もこんがらがったらしい。


■ハリッキー、その死に様も本望だろう


バニシングIN60” バニシングIN60” バニシングIN60”
本作は全米でも約20倍の興行収入をあげ、日本においても、1975年度洋画興行成績第10位(4億5800万円)を記録した。そして、続いてハリッキーは、1982年に『ジャンクマン』を製作し、このカー・クラッシュ映画では合計175台をぶち壊した。さらに1983年に『バニシングIN60” デッドライン』を公開するが、これはただ前二作の未使用場面を7割の『バニシングIN60”』の映像に追加して再編集しただけの作品だった。

そして、1989年8月20日に、本作の続編にとりかかり、スタント・シーンの準備中に倒壊した水の貯蔵タンクに押しつぶされ死す。5月11日に6年間交際してきたデニスと挙式をあげたすぐ後の出来事だった。ちなみに新作の主人公はハリッキーとデニスだった。

ここにカークラッシュバカ一代記は終わりを告げたのである。しかし、ハリッキーのグーな車狂いっぷりは世代を超えて尚も多くの若者の心を捉えて離さないのである。

− 2007年9月19日 −


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