HOME
■サイト内検索

■洋画
 □カタカナ順
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 □クラシック
 □ドラマ
 □コメディ
 □サスペンス
 □アクション
 □ポリス
 □スパイ
 □犯罪
 □カー
 □ミュージカル
 □史劇
 □文芸
 □戦争
 □西部劇
 □アドベンチャー
 □パニック
 □ギャング、マフィア
 □SF
 □ホラー
 □スポーツ
 □香港
 □ドキュメント
 □アニメ
 □エロス
 □B級
 □アカデミー賞
 □カンヌ映画祭
 □ヴェネチア映画祭



■邦画
 □ひらがな順
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 □名作
 □ドラマ
 □喜劇
 □サスペンス
 □アクション
 □刑事
 □時代劇
 □戦争
 □文学
 □パニック
 □東映ヤクザ
 □ギャング、ヤクザ
 □特撮
 □怪奇
 □ドキュメント
 □アニメ
 □エロス
 □B級
 □海外映画祭受賞
片腕カンフー対空とぶギロチン ONE-ARMED BOXER VS. FLYING GUILLOTINE(1975・香港)
■原題: 獨臂拳王大戦血滴子
■ジャンル: アクション
■収録時間: 85分

■スタッフ
監督 : ジミー・ウォング
製作 : ウォン・チューホン
脚本 : ジミー・ウォング
撮影 : チュー・ヤウ・ム
武術指導: ラウ・カーリョン / ラウ・カーウィン

■キャスト
ジミー・ウォング(片腕ドラゴン 兪天竜)
カム・カン(ギロチン使い 封神無忌)
ドリス・ルン(シャオティエン)
シュエ・ハン(武道大会審判)
シャム・チンボー (ムエタイ使い)
片腕カンフー対空とぶギロチン
この映画を見ずして香港映画を語るべからず。ブルース・リー、ジャッキー・チェン、マイケル・ホイの前にはいつも彼がいた。そして今も振り返るとジミーさんの影がある。中華映画界の影の皇帝と言われた今最も自伝を書いてもらいたい男ダントツNo.1ジミー・ウォングを堪能せよ。

■あらすじ


世界一強い男・片腕ドラゴン(ジミー・ウォング)に対する復讐に燃える伝説のギロチン使い・封神(カム・カン)。ジャーマン・テクノとクンフー映画の奇跡的コラボ。まさにこの発想自体が神の領域か?もしくはただの悪趣味な幼稚さなのか?見た人が決めてくれとしか言いようのない作品。


■ゴールドを愛する民族


片腕カンフー対空とぶギロチン
1975年ジミー・ウォング監督・脚本・主演作品。
この作品を見ずして香港映画を語るかなれ。ジミーさんの偉大さを語りつくそう。それにしても金ぴかむんむんの香港第一影業機構のタイトル・センスはいかがなものであろう。私が海外に住んでいた時チャイナタウンの金ぴか振りをみていかに中華民族が金色というものを愛しているかという事を知った。とにかく70年代の胡散臭さたっぷりのこの雰囲気が私は大好きだ。


■その男、ジミー・ウォング先生


片腕カンフー対空とぶギロチン
早速本当か嘘か分からない「18世紀 満州族の清朝が漢民族を支配していた時代 漢民族再興を目指す志士を、清朝は武術家に弾圧させた。その武器は人呼んで、空とぶギロチン=E・・」ナレーションから物語は始まる。いかにもドリフのコントかのようなかつらと付け髭の老師が登場する。勿論当時の香港映画の例に漏れず若い男性が老師役をやっているところがばればれなのがかなりよろしい。

ジミー・ウォング先生最強伝説その1
みよ!この武器を!これぞ空とぶギロチンなのである。まさにスカイ・ハイを追求し続けているジミー先生らしい着想の一品である。スーパージャンクのマジシャンもびっくりの惨殺振りを連想させる代物なのである。10人もの敵に囲まれヌンチャクのように10人の首を刈り取っていくその姿をイメージするだけでもすごすぎなのである。そして、なによりもこの効果音の派手さ加減がすさまじく良いのである。「ッパーーーーッ」とかが。

そして何よりも恐怖なのが、21世紀のテクノロジーを駆使すれば実際に実用可能な空とぶギロチン≠ェ作れそうな気がする所である(もちろん折りたたみ携帯使用で)。これリアルに存在したらかなりの恐怖である。


■ジャーマン・テクノとクンフー映画の奇跡的コラボ


片腕カンフー対空とぶギロチン 片腕カンフー対空とぶギロチン
ジミー・ウォング先生最強伝説その2
ソール・バスも超えた超斬新なタイトルバック!老師が『ユージョアル・サスペクツ』の
カイザー・ソゼ並みに自分の家を焼き、旅に出るときに南無阿弥陀仏と唱えると同時に重低音ばんばんの見事にイカス・テクノ・ミュージックが流れる。お経と現代音楽のコラボレーション凄すぎる!まさにロンドン・フィルがクラッシクとポップスの融合を着想した並みの快挙である。そして、始まるこのカラフルなタイトルバック!まさかとは思うが、この作品を見てガイ・リッチーは『スナッチ』のタイトルバックを考えたのではと勘ぐるほどの最強ぶりである。

ギロチン老師のテーマ曲
テクノの教祖・クラフトワークのクラウス・ディンガーによるグループ・NEU!(ノイ!)の「Super16」が使用されている。ちなみにタイトル曲はNEU!の「Super」である。もちろん無断使用なのだが、当時の流行を先取りしたジミー先生の嗅覚は凄いものがある。


■人類における大きな一歩


ジミー・ウォング先生最強伝説その3
逆さ歩きを弟子に伝授するシーンに。スカイ・ハイ原理主義のジミー先生のクンフー映画に対する一歩進んだ姿勢が見える。クンフー映画にファンタジーを取り入れてみる試みを行っているのである。リアル・クンフーから超空想的クンフーへ・・・・・そして、このジミー先生の着想がのちに、『北斗の拳』や『ドラゴンボール』や『ストリート・ファイター』を生む原動力になるのである。この逆さ歩き1975年的に見ても、どう考えてもちゃっちすぎる特撮なのだが、その中に秘められた試みは実はすごかったのである。

ジミー先生天井を歩くは。ある意味ニール・アームストロング船長月面を歩く並みに人類における大きな一歩へとつながったのである。


■ドラゴン・ボールはここから始まった


片腕カンフー対空とぶギロチン 片腕カンフー対空とぶギロチン
そして天下一武道会開催!うわ!観客すくなぁぁ〜〜。しかもこのやるきない大会会場はないだろ?しかし、画面上の左下に木々が見えるのだが、気になるところである。そして、なんの前振りもなくいきなり大会は開始される。三節棍の使い手やら変な日本の武士・躍馬次郎やら、蒙古相撲やら鷹爪拳、猿拳、ムエタイが戦い始める。
それにしても「勝」の扇を振りかざすオヤジいちいち素敵だ。

ジミー・ウォング先生最強伝説その4
変な日本の武士・躍馬次郎が武器に仕込んだ隠し刀で対戦相手を殺して勝った時にジミー先生は言う。「何が無刀流だ!」もちろんそのあとに続く言葉は卑怯な!とかそんな言葉かと思っていたが、ジミー先生はその後にこういったのである。「
やるな。よし参考にしよう」と!!凄すぎるジミー先生。武道家の誇りもへったくれもないところがすごく良い。超実利主義の人なのである。

そして、この無表情で過去にどんなことをしてきたか謎な所がジミーさんの魅力なのである。日本で言うとジミーさんは、安藤昇に近いポジションなのだろうか?しかし、ジミーさんは今も現役みたいなのでどうなんだろうか?などといろいろ黒い想像力を働かせたくなる人なのである。


ジミー・ウォング(1943〜 )


ジミー・ウォング
ブルース・リー登場前夜の香港映画界で天皇巨星と言われていた中華圏では伝説的な神的存在。元々は香港記録を出すほどの名水泳選手だったが、水球の試合での乱闘騒ぎにより選手資格剥奪され、俳優のオーディションを受けて選ばれる。以降中華圏映画界の神的存在となるが、本当のジミーさんの神化が始まるのは、プライベートでのひき逃げ事件、黒社会との癒着、梅子飯店での傷害事件、ブリジット・リン(林青霞)をめぐる痴話騒動→台湾に逃亡→黒社会との密接な関係にて映画界から失脚→いつの間にか中華圏の映画界に君臨→今や帝王に至るのである。
台湾黒社会の重鎮とも言われているが、真意の程は定かではない。しかし、そういう話が出るあたりもジミー・ウォングの特別な存在感によるものだろうと思われる。


■君はスカイ・ハイを見たか?


片腕カンフー対空とぶギロチン
ジミー・ウォング先生最強伝説その5
やっぱり使ってくれました。木の杭の上で戦います。かなりの激戦を繰り広げてくれ見ごたえ満点だが、一つ笑ったのが、「おいあそこでやるのか?」とジャワ人が聞かれ、不適に笑うのだが、自分が選んだ場所でジャワ人は殺されてしまうのである。っていうか自分の得意な場所でもなかったのか??こういう観客の期待をやすやすと裏切ってくれる所もジミー先生の魅力なのである。

ジミー先生の常識は一般的には非常識なのかもしれない。やはりナチュラル・ハイを超えたスカイ・ハイな大人物である。


■この作品こそ本物の仁義なき戦い


片腕カンフー対空とぶギロチン
ジミー・ウォング先生最強伝説その6
この手の伸びるインド人を見てみよ。ヨガの達人。スト2のダルシムの原型はここから始まったのである。このジミー先生の発想力には素直に信服してしまう次第である。

天下一武道会もギロチン使いによってぶち壊しにされる。やがて、道場破りに来たインド人を見事に撃退し、ギロチン使いとつるむムエタイ使いと熱する鉄板の上でだまし討ちの死闘を繰り広げることに。
勝つためには手段を選ばぬところがジミー先生らしいところである。


■空とぶギロチン


片腕カンフー対空とぶギロチン
遂にジミー先生対ギロチン使いである。それにしても盲目のギロチン使い1971年にジミー先生が出演した『新座頭市・破れ!唐人剣』のアイデアからアレンジしたのだろう。仕込み杖ではなく仕込みギロチン。この発想の飛躍はさすがジミー先生である。そして、更にこのギロチン使いは頭が360度回転するのである。まさに1973年大ヒットを飛ばした『エクソシスト』のアイデアをアレンジしたのである。
それにしても、盲目のギロチン使いが360度頭が回転しても目が見えないのだから意味がない気がするのだが・・・ジミー先生の前では勿論理屈は無用の長物であるので気にしてはいけないのだが。

カム・カン 金剛(1939〜 )ギロチン使い 封神役
なんとカリフォルニア大学卒で、短距離走のオリンピックの台湾代表だったらしい。テコンドーの達人である。90年代序盤にはアメリカで洗濯屋を経営していたが、現在は消息不明との事である。


■フィニッシュはグーパンチ


ジミー・ウォング先生最強伝説その7
フィニッシュは、グーパンチである
。そして、天井を突き抜けてぶっ飛んでいくギロチン使い。まさに描写が神である。ジミー先生の物語構想力はまさに梶原一騎をしのぐものがあるだろう。

この作品、ジミー先生の間違い無しの代表作であろう。
ジミー先生の映画はその理不尽・予測不可能・失笑を誘う人間心理の描写の浅さ・無表情テイストに満ち溢れているのだが、その大真面目に作ってこのクオリティである所が、最大の魅力なのである。

私は、ジミー・ウォングという人の作品を映画としてみるのではなく、1人の大金持ちの黒い社会の人間が撮影した偉大なるプライベート・ビデオだと考えてみている。だからこそ、ジミー先生の自由な発想が反映された唯一無比な魅力で溢れているのである。映画をプライベート・ビデオ化できる人の作品は時代が経てばたつほどに味わい深いものへとなっていくのである。だからこそ彼は先生と呼ばれるに値する人なのである。


ちなみに本作品の紅一点ドリス・ルン(龍君兒)は、『少林寺木人拳』(1976)『カンニング・モンキー天中拳』(1978)などに出演するも本人はカンフーの達人だが、功夫映画への出演よりも他の分野の芝居の仕事をしたかったのと、プライベートのトラブルにより、何度も自殺未遂を繰り返し、やがて銀幕から姿を消した。


− 2007年2月9日 −


当サイト内で使用している画像・映像キャプチャー等は、あくまで映画文化の熟成及び芸術復興を標榜する当サイトの意図により、
「映画を文章だけで云々することの不誠実さ」と「目で感じる芸術及び娯楽」である映画に対する敬意の姿勢で使用しております。よって著作権等は、全て各製作者・会社に帰属します。
画像・映像キャプチャー等の使用に関して表記の問題がある場合、又は削除依頼がある場合は迅速に応対させていただきますのでご連絡ください。
このサイトは、100%非営利に、純粋に「映画解釈の究極」を求めて運営されています。取り上げるべき作品・感想等ございましたらどんどんメールください。
当サイトはリンク・フリーです。
Copyright (C) 2007 Geijyutsu Taizen. All Rights Reserved.
Mail:webmaster@summaars.net