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緯度0大作戦   LATITUDE ZERO(1969・東宝=ドン・シャープ・プロ)
■ジャンル: 特撮
■収録時間: 89分

■スタッフ
監督 : 本多猪四郎
製作 : 田中友幸 / ドン・シャープ
脚本 : 関沢新一 / テッド・シャードマン
撮影 : 完倉泰一
音楽 : 伊福部昭
特技監督 : 円谷英二

■キャスト
ジョセフ・コットン(クレイグ・マッケンジー)
宝田明(田代健)
シーザー・ロメロ(マリク)
岡田真澄(ジュール・マッソン)
リチャード・ジャッケル(ペリー・ロートン)
緯度0大作戦
ジョセフ・コットンまで出演している幻の東宝特撮映画は、当時衰退しつつあった東宝特撮映画を象徴したようななんとも気の抜けたコーラーのような映画だった。おお・・・これだけの予算があったならば、なぜアン女医役をラクエル・ウェルチにしなかったか?彼女が出演していれば本作は一つの伝説になっていたはずである。「宝田明&岡田真澄、ラクエル嬢の入浴シーンに失神!」みたいに・・・

■あらすじ


海底油田調査のための潜水艇が海底火山の爆破により遭難し、謎の潜水艦に救出される。そして、救出された田代博士(宝田明)達3人は、潜水艦アルファ号の艦長マッケンジー(ジョセフ・コットン)により、海底都市に招待されることになる。そこには地球以上に理想的な都市が建設されていた。しかし、そこに世界制服を企むマリク(シーザー・ロメロ)が立ちはだかる!


■東宝特撮映画を見るうえの基本マナー


緯度0大作戦
日米合作製作費3億6000万円を投入した大作特撮映画とうたわれているが、実際は古く良きミニチュア&着ぐるみ映画である。こういう作品を見るときに必ず注意しなければいけないマナーがある。

1.子供の心で純粋に楽しむべし
2.ご都合主義には目をつぶるべし
3.批判的精神はセックスをするときと同じように持たないこと
4.CGと比べるような愚かなまねはすべからず


この4点を押さえて東宝特撮映画は見るべしである。


■どうしても地味なアメリカ側の出演者たち


しかし、キャストは豪華と言えるのか?まずはアメリカ人俳優達だが、ジョセフ・コットン(1905−1994)である。彼は『第三の男』(1949)で有名な名優だが、当時はほとんど大作の脇役かB級映画に出ていた役者だった。恐らく彼の妻であるパトリシア・メディナ(1920− )が出ていることからも、2人が日本滞在することを条件にヴァカンス気分で出演した作品だろう。最も夫婦が敵味方に分かれて演じると言う配役センスはなかなか珍しくてよい。

そして、シーザー・ロメロ(1907−1994)である。当時の彼はTV『バットマン』(1966〜1968)が終わったばかりでジョーカー役としてかなり有名な役者であったが、映画スターではなくテレビ・スターである。

リチャード・ジャッケル(1926−1997)は『愛しのシバよ帰れ』(1952)をはじめ『非情の町』(1961)『特攻大作戦』(1967)とこの当時は最も油の乗っていた時期であり、本作の2年後の『わが緑の大地』(1971)でアカデミー助演男優賞にノミネートされたが、華やかというより地味な俳優である。

最後にアン女医を演じるリンダ・ヘインズ(1947− )は本作がデビュー作である。のちに『コフィー』(1973)や『ローリング・サンダー』(1977)に出ているがいまいちぱっとしなかった。


■そしてさらに地味な日本側の出演者たち


緯度0大作戦
一方の日本側は宝田明(1934− )、岡田真澄(1935−2006)の2人くらいが有名なくらいで、あとの中山麻里は同年にTVドラマ「サインはV」で人気が出るのだが、露出度0でよろしくない。(ただし最後の女王様風の赤のブーツ姿はグーだった)他に宝塚の男役スターだった黒木ひかるであるが年齢的に1950年代ならまだしもこの当時だと厳しすぎる。

以上のように日本サイド・キャストの力の入れなささは胴に入っていて、いかに東宝サイドは本作に力を入れていなかったかがよく分かる。


■ずっとまぼろしの作品だった


本作は、合作したドン・シャープ・プロが撮影中に倒産していることもあり、版権のあいまいさゆえにビデオ化もDVD化もされず、
東宝が製作した『獣人雪男』(1955)と『ノストラダムスの大予言』(1974)と並んで二度と日の目を見ることの出来ない三大超大作と言われていた。

そもそもドン・シャープ・プロが東宝に持ち込んできた企画にのっかかる形で製作された作品であるにもかかわらず、撮影中にドン・シャープ・プロが倒産し、1/4撮影も進んでいたので、残りは東宝だけで資金を投入し撮影するはめになった作品である。こんな状態で良作が出来るわけがない。

2006年にさまざまな諸問題がクリア化され、日本語吹替えによる日本公開オリジナル・バージョン89分とアメリカで公開された英語版『LATITUDE ZERO』バージョン105分、そして、その後東宝チャンピオン祭り上映のために68分に短縮されたバージョン『海底大戦争』の3バージョンが収められた3枚組DVD−BOXが発売されている。


■「ロートン君緯度0の世界でも女性の年は聞かないのが礼儀でね」


とにかくこのセリフからも分かるように全体的に同時代の特撮映画と比べると物語の展開がゆったりしていて、しかも緊張感に欠ける作品である。前半はなかなか潜水艦同士のバトルなどもありまだ見れるのだが、海底都市に到達してからは延々と無機質な生活観溢れないマット画の合成が連続する。

そして、マリクの本拠地ブラッド・ロック島に乗り込んでからは、着ぐるみ怪獣との対決という東宝特撮の栄光はどこに言った状態のまさにへっぽこ東映着ぐるみヒーローもの路線に作品はシフトしていくのである。

本作のクオリティを明確に落としてしまったのは、演出のゆるさと脚本のすかすかさと着ぐるみなのだが、着ぐるみに関して言うと仮面ライダーもまだ始まっていない当時なので、この怪物たちを当時見れば十分ショックを受けたはずであるから、とやかく言いすぎるのも特撮ものを見るマナーに欠けるのでやめておきたい。


■本作の見せ場とは?


しいて言えばリンダ・ヘインズの胸の谷間&背中露出度100の衣装くらいである。しかし、このアン女医の役柄が、ラクエル・ウェルチやキャサリン・ロス(これはかなりやばいかもゴールドの衣装に小麦色の巨乳は、少年には刺激が強すぎかも)だったら、宝田も岡田もリチャードの芝居にももっと緊張感が生まれていただろう。

もちろんビキニ姿のおまけもついていればこの作品の価値は確実に二倍増しになったはずである。結局はそれだけの作品と言うことである。本作は大した特撮が存在しない作品なので、特撮好きな人にはつまらなさすぎるだろう。

− 2007年6月12日 −


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