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ミニミニ大作戦   THE ITALIAN JOB(1969・イギリス/アメリカ)
■ジャンル: アクション
■収録時間: 100分

■スタッフ
監督 : ピーター・コリンソン
製作 : マイケル・ディーリー
脚本 : トロイ・ケネディ・マーティン
撮影 : チック・ウォーターソン
音楽 : クインシー・ジョーンズ

■キャスト
マイケル・ケイン(チャーリー)
ノエル・カワード(ブリッジャー)
ラフ・ヴァローネ(アルタバーニ)
マーガレット・ブライ(ローナ)
ロッサノ・ブラッツィ(ベッカーマン)
ミニミニ大作戦
60年代テイスト満載のミニクーパーが大活躍する本作の魅力は、なんと言っても車と音楽である。これにもう少し美女の比率が高ければ文句なしの作品だった。本作の惜しむべきポイントはローナちゃんの扱いである。もっと茶色のミニにブーツでミニミニ大作戦してほしかった(くだらねぇ)。

■あらすじ


出所したばかりのチャーリー(マイケル・ケイン)の元に400万ドルの金塊を強奪する計画が舞い込んでくる。場所はイタリアのトリノ。チャーリーはミニクーパー3台を利用して、奇想天外な強奪計画を編み出したのだった。果たして強奪は成功するのか!?


■主役は車と音楽と60年代テイスト

ミニミニ大作戦 ミニミニ大作戦
まず脳裏に残るのは、ミニクーパーをはじめとする名車の数々と、おしゃれに早口な主題歌と、マーガレット・ブライの茶色のミニスカ&ブーツの60年代テイスト・ファッションである。時代は巡り巡って、今の時代においてはその3点セットが素晴らしくオシャレな印象を与えている。

そして、もちろんマイケル・ケインと3人の老練俳優、ノエル・カワード&ロッサノ・ブラッツィ&ラフ・ヴァローネもなかなか渋い味を出していて良いが、私は60年代テイスト満点のマーガレット・ブライの魅力に注目した。そして、なぜか交通網の監視センターの職員がミニスカでモデル体系の美女ばかりという点にも。

1960年代のイギリス映画が世界に与えた最大の影響は、007シリーズに代表される
不必要なほどまでに美女を配置する≠アとである。この影響が映画女優のスーパーモデル化につながっていき、一部のスーパーモデルの勘違いを生み出したのである。そういった弊害に対抗するためにファッション・ショーをモデルの自己主張の場にさせないために、ジバンシィー時代のアレキサンダー・マックィーンのようにモデルの目の辺りを白く帯状にペインティングし、個性や表現力を取り払う演出をするデザイナーも登場した。


■ミニミニ大作戦のその真意は?


ミニミニ大作戦 ミニミニ大作戦
マーガレット・ブライ(1942− )はアメリカ・テキサス生まれの女優で、他にもリズ・テイラーの『別離』(1973)、ブロンソン&コバーンの『ストリートファイター』(1975)、『リトル・ダーリング』(1980)などにも出演している。

彼女の茶色のミニスカートとブーツ姿は最高にいけている。そして、チャーリー(マイケル・ケイン)に「出所祝い」をするときの白ずくめのファッションも格好いい。残念なのは、イタリアに行ってからは彼女の出番はほとんどなく、そして、不自然にフェイドアウトしていったところである。それにしても、「出所祝い」に七人の美女をプレゼントしてくれるとは出来た恋人だ。

ヴァレリー・レオン
ちなみにチャーリーが最初に訪れるロイヤル・ランカスター・ホテルの美人受付嬢を演じた
ヴァレリー・レオン(1945− )は『007/私を愛したスパイ』(1977)でもボンド・ガールとしてホテルの受付嬢を演じている。ちなみに『ピンクパンサー4』(1978)ではボンデージばりばりで鞭を振り回すSM嬢ターニャを演じていた。


■ミニクーパー、ランボルギニー、アストン・マーチン・・・


ミニクーパー ミニクーパー
とにかく出てくる車の豪華なこと豪華なこと。冒頭にロッサノ・ブラッツィが乗っているランボルギーニ・ミウラを始め、マイケル・ケインのアストン・マーティンDB5コンバーティブル、ジャガーのEタイプ、そして、ミニクーパー、追いかけるパトカーはアルファロメオ・ジュリアと堂々たる顔ぶれでしかも本当にクラッシュして崖からポイ捨てまでしてしまっているのである。

何よりもミニクーパーでトリノ市内を暴走するシーンが、最高に美しく。見ているうちに何か可愛いペットがいたずらをしているような幻覚にとらわれていくのである。出来ることなら1人の運転手はローナちゃん(マーガレット・ブライ)にしてほしかった。

ちなみに当時マイケル・ケインは車を運転することが出来なかったという。



■クインシー・ジョーンズ+マット・モンロー


ミニミニ大作戦
冒頭にイタリアの伊達男・ロッサノ・ブラッツィが赤のランボルギーニで山道をぶっ飛ばすロマンティックなシーンにタイトルバックと共に流れるカンツォーネのようなゴージャスな歌声。そう『007/ロシアより愛をこめて』のテーマ曲を歌ったマット・モンローの歌声だ。もうこのオープニング・ソングのアダルトっぽさが60年代チックで最高に格好いい。

そして、終盤にかけて流れるテーマ曲。やたら早口のテーマ曲が軽快なミニクーパーと警察のおっかけっこの中流れる。このテーマ曲はマイケル・ケイン自身も歌っているのだが、今やミニクーパーイコールこの曲というくらい印象深い曲である。



■金塊強奪グループの没個性


ミニミニ大作戦
チャーリーを演じるマイケル・ケインに関してはもはや安定感さえ感じられるリーダーっぷりであるが、前半の女好きで軽い感じの役柄も『アルフィー』を意識した感じでなかなか良い。一方、刑務所でなぜか我が物顔のブリッジャーを演じるノエル・カワードは、体調が優れないセミリタイヤをしていた所を2週間で出演シーンを撮影したというだけあって、全体的に表情が死んでいる形で、物語の軽妙な雰囲気に全く相応しくない配役であった。

意外にツボにはまる名演を見せてくれたのが、太った女性好きな教授を演じたベニー・ヒルである。太った女性の後姿を見ると舌なめずりして擦り寄ってしまうのである。ベニー・ヒルはイギリスで有名なコメディアンである。

ノエル・カワードの出演と並ぶ本作の難点は、金塊強奪のグループの登場人物が不必要に多すぎて全く個性的に描かれていないもったいなさである。ミニクーパーがあくまでも主役という姿勢で映画が作られているのでしょうがないが、
どうせなら60年代ファッション・ショー的な勢いでローナちゃんももっと目立たせてほしかった。

ちなみに強奪グループの一人にマイケル・ケインの弟が出演している。さらにラフ・ヴァローネの妻役でピーター・コリンソン監督の実の妻もブロンド美女として出演している。


■もうひとつ、これを忘れるな。ここの車線は我が国と反対だぞ


トリノで400万ドルの金塊を強奪する最後の指示がかなりウケる。何ヶ月もずっと金塊強奪計画について打ち合わせしておいて最後の指示にこれはないだろうと思ってしまうが、このほどよい間抜け具合がミニクーパー3台と見事な調和を出していると言っても良い。

本作はある意味、犯罪アクションであって、犯罪アクションではないのである。厳密に言うとミニクーパーの魅力をマイケル・ケインと堪能する作品なのである。


■今見ても圧巻のカーアクション


ミニミニ大作戦 ミニミニ大作戦
とにかくおおよそカーアクションには不向きなミニクーパーが3台揃って警察の車やバイクからの追跡から逃れていく軽妙さが最高に良い。階段を降り、ショッピングモールの中を走り、結婚中の教会の階段を駆け下り、建設中の展示ホールの屋根の上を走り(このシーンは一見の価値あり)、ビルからビルにジャンプし、川の中を走り、下水道を走り逃亡に成功するのである。

本作は明確にイギリス対イタリアの図式を取っている。チャーリー・サイドは、ミニクーパーをはじめとして、アストンマーチン、ジャガーとイギリス車のみを使用している。しかもミニクーパーで逃走するときの並びは赤、白、青の順番、つまりユニオン・ジャックの並びというこだわりようである。


■最高のラストのオチ


ミニミニ大作戦
金塊を奪取した喜びで、緊張の糸が途切れたことによって、金塊と強奪グループ全員を乗せたバスが崖から落ちるぎりぎりの状態で停止する。前にも後ろにも進めない四面楚歌の状態で、金塊は崖の方=バスの後部にゆっくりと滑り落ちていく中チャーリーが言う最後のセリフ「そうだ俺にいい考えが・・・」で終わるエンディングがなかなか良い。

本作は続編を考えて作られたという。ちなみにチャーリーはローナをスイスに飛ばせているのだが、これはラストの付箋になっていたのだが、ラストシーンをぎりぎりで変更したためになぜローナが消えたのかまったく解せない形となっている。


■ピーター・コリンソン


当初パラマウントのロバート・エヴァンスはチャーリー役にロバート・レッドフォードを希望したという。そして、監督には『ブリット』(1968)のピーター・イエーツにオファーされたという。そして、舞台はトリノではなくミラノで考えられていたという。

監督のピーター・コリンソン(1936−1980)は他に強いてあげるならば『そして誰もいなくなった』(1974)『アドベンチャー・ロード』(1980)が代表作である。

本作は、緊張感溢れる犯罪アクションを期待してみれば、まずがっかりすることだろう。物語の展開は60年代特有の非現実感とのんびりとしたムードに溢れている。本作は明確に、60年代の音楽とファッションと今は失われたのんびりしたムードと、そして、今見ても素晴らしいミニクーパーの軽やかな動きをゆったりと堪能する作品である。

観客を退屈させないことが最近の映画作りにおける最も重要な事項になっている節があるが、
ゆったりとした余韻の味わえないものばかりが氾濫しすぎることは、人間の感受性の欠如以外のなにものも生み出さないのではないだろうか?

− 2007年5月27日 −


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