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仁義なき戦い 完結篇   (1974・東映京都)
■ジャンル: 東映ヤクザ
■収録時間: 98分

■スタッフ
監督 : 深作欣二
原作 : 飯干晃一
脚本 : 高田宏治
撮影 : 吉田貞次
音楽 : 津島利章

■キャスト
菅原文太(広能昌三)
小林旭(武田明)
北大路欣也(松村保)
松方弘樹(市岡輝吉)
宍戸錠(大友勝利)
金子信雄(山守義雄)
田中邦衛(愼原政吉)
仁義なき戦い 完結篇
あまりの大ヒットの中、東映らしい突貫工事で作り上げた作品。それが本来は予定していなかった『仁義なき戦い』第五弾である。しかし、コレが意外にまた面白い!役者も当時最強のメンツが揃っているので、見ていて決して退屈しない。前四作を観てきたファンサービスそのものの本作は、その東映ヤロウどもの男臭さをただただ満喫しようぜ!これがホンモノのやくざ映画です!

■あらすじ


『仁義なき戦い』第五弾。昭和40年8月6日原爆記念日から最終章は始まる。武田組組長武田明(小林旭)が広島やくざの一本化を図り、天政会という政治結社を組織する。一方、広能組組長広能昌三(菅原文太)は網走に服役していた。そんな中広能の舎弟・市岡輝吉(松方弘樹)が天政会に反旗を翻したことにより、再び広島に血の雨が降ることになるのである。


■日本に永久平和を!


仁義なき戦い 完結篇
ククッ!遂に完結篇!オープニングから
セピア色の画面に映し出されるのは、大通りで闊歩する黒スーツ、金バッチのヤクザ軍団が『日本に永久平和を!』の天幕を掲げて練り歩く姿から始まる。小林旭を先頭に宍戸錠、北大路欣也・・・かなりいかつ格好いいオープニングである。このオープニングを見て痺れぬ男児はいないだろう。レザボア・ドッグスのオープニングの本ネタかもしれない。

今作品のみ脚本が笠原和男から、高田宏治に交代。理由は本来は前作で完結の予定だったからである。後に『鬼龍院花子の生涯』や『極道の妻たち』等五社英雄作品の名脚本家になる高田だけあって全くスケールダウンしていない。ちなみに大友勝利役を『広島死闘篇』で演じたサニー千葉は、ブルース・リーが捲き起こした空手ブームに便乗した東映和製カンフー映画で忙しかったため登板できなかったのが少し残念ではあるが、1年半で全5作を世に出した深作欣二のパワー恐るべしである。


■攻撃は最大の防御でぇ〜


仁義なき戦い 完結篇
仁義なき戦い』シリーズの中でもサニー千葉の演じた大友勝利と双璧をなす狂犬やくざキャラとして本筋よりカルト的人気を誇る松方弘樹(1942− )演じる市岡輝吉。松方弘樹の演技の幅が、さらに飛躍的に開花した。まさにこういう人間が一番怖いと思わせてしまう所が素晴らしい。

「いいか?攻撃は最大の防御でぇ〜。のぅ〜わしゃ〜火ぃつけたるけん。」かなり怖すぎです。


■ええけつしとるのぉ〜


仁義なき戦い 完結篇
天政会の重要人物が市岡の手のものによって殺害され、その通夜の席にて。若頭・松村保(北大路欣也)とできているその娘かおる(野川真由美)の後姿を嘗め回す様に見つめる後ろのジジイに注目。そう山守義雄(金子信雄)である。まさに実写版ドラゴンボールがあれば亀仙人第一候補である。

「ええけつしとるのぉ〜〜」と言って、隣に座っている山城新伍に「おやっさん、よだれたれとるですよお〜」と突っ込まれる始末である。それにしても、金子信雄は本気で酔ってるのが確実なので見ていて心地良い。今時、金子信雄のような純粋に好色なすけべジジイを演じれる役者はなかなかいないのではないか?山守並みのエロオヤジ芸能人は腐るほど存在するだろうが。

しかし、金子信雄おまえは幸せなジジイだよ。
若い女性とクッキングに講じ、美酒に酔う人生だったんだから。いい男とはこういう男のことを言うのかもしれないな?


■オメガの時計?こうちゃる。こうちゃる


仁義なき戦い 完結篇
赤のすけすけランジェリーで森永牛乳を飲む橘真紀に言うエロジジイ金子の一言。
「オメガの時計。こうちゃる。こうちゃる」う〜ん。男のロマンだ〜。生活感あふれる背景のカレンダーの○△×がよろしい。


■弾っちゅうもんは当たらんもんじゃのぉ〜


仁義なき戦い 完結篇
天政会会長代理になった松村が、大友の組員に襲撃された際、危機一髪の後に吐く言葉がいかつい!
「弾っちゅうもんは当たらんもんじゃのぉ〜」それにしても、北大路の上半身の『ファイトクラブ』のブラピばりのマッチョさには驚かされた。

そして、ようやく広能昌三(菅原文太)が30分過ぎに登場する。しかも刑務所の中で手記を書いている姿が映し出されるという地味すぎる登場。そこに市岡がやってきて、松村と大友の間で内紛が起こっている今こそ広島攻めの好機だといきまくった時に昌三はぽつりと言い放つ。

「ちいと昔を思い出したんじゃ〜。なんよ〜ワシみたいな目に会いよる若い者が出てきよると思うと気がめいるワイ」
「だ〜れも知らんのじゃ〜。ケンカの後始末がどがいなもんか〜。ワシラしっとるもんが教えちゃらんといけんのじゃなかろうかのぉ〜」



■エースの錠のリアルぶち切れ!


仁義なき戦い 完結篇
この美しい女性は、藤浩子様。映画の中での役割は市岡の情婦である。藤純子と名前が似ているが、松平純子、中村英子とともに70年代初めより東映がプッシュしていた女優である。『ギャング対ギャング 赤と黒のブルース』(1972)で鶴田浩二の相手役として大抜擢されたのはいいが、その後は泣かず飛ばずで引退してしまったが、一女性としては大変気品にあふれていて魅力的だ。

元々がかなりのお嬢様ではないだろうか?現在でもすごく綺麗なおばさまになっていると思われる。それにしても東映は女優を育てるのが下手な映画会社である。蛇足になるが、私個人がお付き合いする女性もこの手の面長、首長、切れ長の目の女性が大概なのですごく愛着を覚える人である。

「エースの錠のリアルぶち切れ!」しかし、宍戸錠はかなり熱い男だ!市岡との密会で「わりゃ杯っていうもんを軽くみとりゃせんか?石のくそにも段々があるんで。おどれとわれが5寸か!かるうみんな!」と怒鳴り食卓の小皿やら急須やらコップやらをリアルに破壊してしまうのである。

この芝居は確実に宍戸錠のアドリブと思われるのだが、すさまじすぎる!特に松方の隣にいた藤浩子様の飛びのき方がリアルすぎなのだ。はっきりいって破片が浩子様の顔面に直撃寸前の激しさである。まさにこの宍戸錠こそ仁義なき役者魂である。


■イカツく死に花咲かせろ!


仁義なき戦い 完結篇 仁義なき戦い 完結篇
広能組の下っ端組員演ずる桜木健一が、水中銃で松村襲撃をしようとするも、テンパリ過ぎて己が足を打ってしまい、リンチされる間抜けシーンの後、松村の指令の下市岡が殺害されるシーンがこれ!まさに竹内力真っ青の、イカツく痺れ顔です!

この作品で完全に松方弘樹は弾けた!般若の形相を持って新境地開眼したのだった。


■槙原政吉 へたれ魂ここに堕つ!


仁義なき戦い 完結篇
1970年7月7日七夕に、水前寺清子の「365歩のマーチ」をバックミュージックにして遂に槙原政吉(田中邦衛)が、広能組の若者に殺害されるのである。桜井健一が小便をもらしてへたれこむ中実行された暗殺だった。

ちなみにその後に広能が眼帯をして登場するが、この眼帯は役作りのためではなく菅原文太がこの時にものもらいをもらっていたからである。『仁義なき戦い』で槙原が殺されるこのシーンは、多くの観客にカタルシスを与えただろう。この田中邦衛の死にっぷりに思わずガッツポーズが出たものも少なくないはずである。


■菅原文太と小林旭が対峙する迫力


仁義なき戦い 完結篇
それにしても、刑務所から出てきた広能に対して引退をして抗争から手を引けと説得する武田明(小林旭)のその姿。はっきりいってメイク濃すぎ!!これじゃ『子連れ狼』の萬屋錦之助と間違わんばかりだろ?

昌三
「シャバのもんは青信号でも信じられんわしじゃ。まして人の心の中はのぉ〜」この当時に菅原文太と小林旭が対峙するこの緊張感を今のやくざ映画で再現するのはかなり難しいだろう。

そして、大阪・西成の南海線今池駅周辺の踏み切りで、旧早川組&旧大友組の残党が松村の乗る車に銃弾を浴びせ掛けるのである。これによって江田省一(山城新伍)が死亡する。松村は重態に。重態の中、襲名式を強行する松村の性根に、広能昌三は傘下に入る決意をする。

しかし、襲名式で武田の和解を求めるこの一言。
「とにかくわしらの時代は終わったんじゃけん、落ち着いたら一杯のまんかい?」に対しては、昌三はこう答えるのである。「そっちとはのまん」武田「なんでじゃ?」昌三「死んだもんにすまんけんの〜」クゥ〜〜!格好良すぎるこのシーン。


■藤純子に抱かれて死ね!


仁義なき戦い 完結篇
一方、藤純子の『女渡世人』の看板に倒れこんで死に絶える桜木健一。彼の葬儀に出向いた広能昌三が、遺族(中原早苗)が嘆く姿を見て、そっと香典だけを置いて立ち去り、目元の涙をぬぐう姿で『仁義なき戦い』は完結したのである。そのあとで原爆ドームが登場して物語の完結を告げるのであるが、私としては、文太兄ィの立ち去る姿で終わりでよかったのではないかと考える。

『完結篇』に至っても、昌三と山守組長の確執は全く完結しなかった部分がすごく残念である。そして、ありきたりな世代交代のストーリーに終始した感は否めないが、菅原文太と小林旭の存在感と、北大路欣也の迫力で一級品に仕上げた感じである。

正直全ては前4作品で語りつくされている主題の重複なので、この作品は、偉大なるボーナストラックとでも考えるべきだろう。
そういう意味でも、『山守義雄のスケベジジイぶり』と『槙原の死に様』。そして、『市岡&大友のブチ切れ演技合戦』を素直に楽しむべきだろう。しかし、本作は珍しく女性のサービス・ショットが皆無の作品だった。

− 2007年9月8日 −


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