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キングコングの逆襲   (1967・東宝)
■ジャンル: 特撮
■収録時間: 104分

■スタッフ
監督 : 本多猪四郎
製作 : 田中友幸
脚本 : 馬淵薫
撮影 : 小泉一
音楽 : 伊福部昭
特技監督 : 円谷英二

■キャスト
ローズ・リーズン(カール・ネルソン司令官 声:田口計)
浜美枝(マダム・ピラニア)
天本英世(ドクター・フー)
リンダ・ミラー(スーザン・ワトソン 声:山東昭子)
宝田明(野村次郎)
キングコングの逆襲
東宝創立35周年記念映画に相応しく?金髪美女がミニスカートに光沢パンスト姿で逃げ惑う姿に当時の全国日本人少年達は、心をときめかした。1960年代東宝の特撮映画が少年から青年に変貌していく過程においての男性の性的趣向に与えた影響を見逃してはいけない。母親の隣に座っていた当時の少年達は、スクリーン上の怪獣に集中している振りをして、何よりも女性の肢体に集中していたのだ。

■あらすじ


世界制服をもくろむアジアの某国の秘密諜報部員マダム・ピラニア(浜美枝)は、マッド・サイエンティスト、ドクター・フー(天本英世)の協力のもと、核兵器製造の画期的物質エレメントXを北極で採掘しようとしていた。そして、メカニコングという採掘用のマシンを使用したのだが使い物にならず、南ジャワにあるモンド島に生息するキングコングを捕獲し、エレメントX採掘のために利用することにする。しかし、逃亡したキングコングは東京市街に上陸した。


■ボンド・ガール浜美枝


浜美枝 浜美枝 キングコングの逆襲
本作公開の同時期に浜美枝がボンドガールをした『007は二度死ぬ』(1967)が公開されていたわけだが、さすがに絶頂期の浜美枝は美しい。しかも今回は敵役で、高飛車なアジアの某国諜報部員マダム・ピラニアという役柄を演じる。まずこの役名が気になるのだが、もしかして『007は二度死ぬ』で出てきたピラニアの池をもじってかなと思ったりもするわけである。

キングコングの逆襲 キングコングの逆襲
このマダム・ピラニア、『黄金の七人』のジョルジア嬢並にファッションと髪型を変えていってくれるのである。そして、またどれも似合う。この当時、浜美枝で『黄金の七人』系映画が撮られていたらかなりカルトになっていただろう。

しかし、この人は目鼻立ちがはっきりしているので、髪をアップにしても似合うし、ストレートも似合う。ちなみに帽子を被っている姿も登場するのだが、中国の人民服的でかなり格好良かった。この人ならあのダサイ人民服もかなり似あってしまうだろう。

当初は本作のマダム・ピラニア役は若林映子が演じる予定だった。


■少年たちに金髪・パンストフェチを植えつけたリンダちゃん


キングコングの逆襲 キングコングの逆襲
そして、浜美枝を食いかねないほどの魅力に溢れる金髪美女スーザンを演じる
リンダ・ミラー(1949− )。物語の始まりに帽子を被っているときは全く魅力を感じなかったが、帽子を脱いだ瞬間に凄い愛らしい金髪美女の魅力が発散されてくるのである。特に終盤のパンティストッキング・フェチ発狂のお色気ショットの連発は恐るべしである。ちなみに彼女はアメリカからモデルの仕事で日本に来ているときに本作と『ガンマー第3号/宇宙大作戦』(1968)に出演した。

こういった金髪美女やボンドガールの出る1960年代特撮映画が少年の健全な性的趣向を育んでいたのである。いかに多くの少年がリンダ・ミラーの存在ゆえにパンストに魅せられるようになったかを考えると、彼女はもしかしたら1960年代日本映画史において一人の象徴的な
「パツキン・パンスト・クィーン」かも知れない。


■円谷特撮は冴えている!


キングコングの逆襲 キングコングの逆襲
もちろん忘れてはいけないのが円谷特撮である。特にメカニコングというメタル製のキングコング・ロボットが登場するのだが、コイツが最高に格好いいのか可愛いのかダサいのか分からない絶妙の造形で印象深い。
以外に創造物にはこの絶妙なアンバランスなバランス感覚が重要なのである。

最後の東京タワーでのメカニコングとキングコングの決闘など大したアクションはしていないのだが、鉄骨まで使って組み立てた東京タワーのその造形の手作り感覚を見ているだけで何故か心地よい。ゴロザウルスや大蛇を見ていても感じるのだが、今見るとちゃっちく感じる特撮でありながら、映像からほとばしり出るこの暖かみは、
当時作っていた人たちの情熱が今も映像上からほとばしり出ているからなんだろう

そう考えると1970年代の使いまわしのゴジラ・シリーズや最近の変に分業化している特撮映画には、画面上から感じる情熱よりも、
子供ならこの程度で騙せるだろうという、詐欺感覚のみが臭ってくるのである。


■ドクター・フー


キングコングの逆襲 キングコングの逆襲
天本英世(1926−2003)演じるドクター・フーのしょぼさがまた良い。このオヤジはまさにこういう役柄を演じることが天職なのだろう。芝居は決してうまくないし、長いセリフに関しては棒読みになる傾向があるが、それさえも一種独特の個性になっていたところが特撮ファンから愛された理由だろう。

ドクター・フーの最後の死に様もまさに悪党の死に様の鏡であり、キングコングに逆襲され、ひるみまくり自分だけ逃げ出そうとするが、机に挟まれて絶妙するさまがダサすぎて強烈に印象に残る。死に際に捨て台詞など残さないところも抜群のセンスである。

見る人によっては東大法学部中退の秀才がドクター・フーというマッド・サイエンティスト(=ドクター・ストレインジラブ=キチガイ科学者)を演じているところにパラレルワールドを感じるのだろうか?


■果たして現在は幸せなのだろうか?


キングコングの逆襲 キングコングの逆襲
携帯電話、パソコン、自動車、コンビニ、飛行機、DVD・・・世界は益々便利になっていく。しかし、私たちはそんな便利な生活の中で、幸せを実感しているのだろうか?(=生きている実感)。機械に囲まれ、想像力よりも創作意欲よりも、器用に使いこなすことのみを優先して生きてはいないだろうか?

あまりにも自分で答えを出す前に、多くの答えが用意されすぎてはいないだろうか?他人に用意された、もしくは他人を満足させるような生き方は、本当に生きていて楽しいと言えるのだろうか?つまり私たちは便利さの中で自分を見失って生きてはいないだろうか?

最近機械ばかり幅を利かしている現実を目にするにつれこういった私が生まれる前の手づくり感覚の作品に大いなるシンパシーを感じるのである。

ちなみに本作においても宝田明は全く目立っていなかった。そして、ラストシーンに至っては、スーザンちゃんを実質横取りされてしまう始末である。(キングコングが去っていく姿を見守る3人なのだが、何故かネルソン博士がスーザンちゃんの肩に馴れ馴れしく手をかけ、スーザンちゃんもそれを受け入れてるのである)

ちなみに本作は1968年に全米公開された。

− 2007年6月18日 −


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