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黄金の犬   (1979・大映)
■ジャンル: サスペンス
■収録時間: 132分

■スタッフ
監督 : 山根成之
製作 : 武田敦 / 大岡弘光
製作総指揮 : 徳間康快
原作 : 西村寿行
脚本 : 白坂依志夫 / 加藤盟
撮影 : 椎塚彰
音楽 : 大野雄二

■キャスト
鶴田浩二(安高刑事)
島田陽子(礼子)
夏八木勲(永山)
地井武男(殺し屋)
菅原文太(トラック野郎)
黄金の犬黄金の犬
「人間様が極め付きのヒーローになりえない不幸な時代に一匹のワンちゃんの超犬的な活躍ぶりが、果たして世の英雄待望論者たちのお気に召しますかどうか・・・。図体のでかさと包装の派手さのみが目立つだけの昨今の一連の大作群に、常に否定的だった小生が、ブルータスの仲間入りだけはすまいと思っているのです」山根成之
・・・・・・そんな能書きの前にまともな映画を作れ!ただ残酷なだけのクソ映画!
本当にこれほど褒めようのないつまらん映画も珍しい。

■あらすじ


北海道で飼い主とはぐれた紀州犬ゴロは、帰巣本能で東京を目指しさすらっていたが、衰弱しているところを永山(夏八木勲)という男に助けられる。実は彼は政府がらみの汚職事件の当事者であり、通産省の役人だった。その事件の発覚により彼は口封じの為消されかけていた。そして、逃亡生活の末、北海道に流れ着いたのだった。そんな永山とゴロの後を追う殺し屋(地井武男)と、汚職事件に絡む新聞記者殺人事件の犯人の手がかりを追い二人を追う安高刑事(鶴田浩二)。そして、事態は急展開していく・・・


■角川春樹が神に見えるほどのダメダメ映画


徳間書店25周年記念作品はどれだけ素晴らしい記念碑的作品だったのだろうか?
「世紀末の荒野を往くジュコー やさしさからハードにユウジ スリリングに迫るヤマネ」(このキャッチコピー1979年当時の感性でもかなりダサい)「愛と暴力の頂点に吼える!鮮烈のハード・ロマン」とキャッチコピーに謳われた超大作の実態は?

島田陽子の乳首に絆創膏(バンドエイド)が貼り付けられているNGショットが堂々と映し出されるシーンがこの作品の全てを象徴していた。つまりやる気のない演出とやる気のない役者が生み出した当然の結果。そう答えは1979年最大の超失敗作だった。もう突っ込むしかないほどにダメダメ・オーラに満たされ切ったこの作品・・・よくぞ徳間康快は公開したものである。というか観てなかったのか?もしくは泣く泣く公開に踏み切ったのか?

いや恐らくただ単に採算が取れればいいとだけ考えて公開したのだろう。


■徳間書店25周年記念マスコット ヒグマくん


黄金の犬
さて皆様。まず最初の突っ込みどころをご覧下さい。
@熊のぬいぐるみAゴロを何故置いてきぼりにしたのか?この二点であります。っていうかこの熊のぬいぐるみ確実に『君よ憤怒の河を渉れ!』(1976)の使いまわしだよな?あの中野良子を襲ったぬいぐるみ。

そんなぬいぐるみをマスコットに(してんのか?)始まる超大作に、まず間違いなく観客のテンションは最降下したであろうことは想像に難くない。そんな展開の中、物語的にゴロを北海道に置いてけぼりにしないといけない為に、「オイオイ、乗せたれよ!」と誰もが突っ込みを入れる中、なぜか理由もなくゴロは置き去りににされるのである。

早くも『黄金の犬』・・・ご愁傷様でした。


■「天使の墓標」長瀬晴美  ヒットしたんか?


冒頭のツッコミをよそに物語は全体的にぐだぐだと何の緊張感もなく、ただただ鬼畜じみた行為と男女の感情の機微のかけらもない安っぽいロマンスの羅列で進んでいく。
この監督・・・ダメすぎだな・・・という次元を遥かに越え、こんな仕事っぷりで監督が務まるのが何よりも怖いと感じる作品にもなかなかお目にかかれない。

「現代は、混迷、不確実の時代と呼ばれています。それは、人間そのものに問題があるのではないか?一瞬に自己破壊する若者、権力に盲従する者、体制の流れの中に自分を喪失していく者など・・・そんな時代に挑戦し、人間の誇りと真実を追究しようと試みる、本年度最高の娯楽話題作「黄金の犬」が製作されました」


上記の一文は公開時のパンフレットの一文である。「っていうかこの文って、この映画の駄目な部分そのものやんけ!」と誰もがつっこみたくなるはず。


■唯一の救いが池玲子様というお粗末さ・・・


池玲子 黄金の犬 黄金の犬 池玲子
「お前を俺の奴隷にしてやる」鬼畜男

っていうかこの作品の見所って結局池玲子様(1953− )だけじゃねえかよ?
しかし、バックからつくならつくでもう少しカメラワーク気合入れろや!同時代の『蘇える金狼』に余裕で負けてるぞ!あとサンドバック叩く地井武男もっと腰入れてパンチ打て!

それにしても地井に犯された池様が自ら進んで何故再び会いにいくのか?恐らく官僚で外に愛人を作っている夫に満足してなかった有閑マダムが背徳的な性の世界に堕ちて行く様を見せたかったのだろうが、演出が駄目すぎて分からん。この監督・・・ホンマ才能ないな。

そして、もうひとり出演者として名前が出ていたひし美ゆり子様なんだが、かなり鬼畜なシーンを不純にも期待していたのだが、わずか30秒の通行人程度の役で終了だった。これって出演じゃなくてカメオ出演だろ?


■気の毒なゴロ君と夏八木勲兄貴


黄金の犬 黄金の犬
「生きるってこういうことだったんだよな?戦うってことだったんだよな」(勲がアザラシを噛み殺すゴロを見て感嘆して吐くセリフ)っていうかアザラシをマジで襲撃するゴロ・・・なんか映画のために襲われるアザラシも気の毒だが、別に襲いたくもないアザラシに襲いかからせられるゴロも気の毒だろ?

全くセリフとストーリーがかみ合ってない駄目すぎる脚本。それ以上に駄目なのは、待田京介のように特に見せ場もなくフェイドアウトする出演者陣と、森田健作や宮下順子のように意味もなくあっさりと血だらけになって殺されていく登場人物たちが生み出す展開の幼稚なうすっぺらさ。

更にいうと精神破綻者が製作したのかといわんばかりの「とりあえずレイプするか殺しとけ」という姿勢。更に更に!製作者の良心を疑うのは子供に両親の殺害現場を見せるという常識の範疇を越えるキチガイぶり。

この作品の最悪な部分は、下手な演出と脚本で残酷描写を見せ付けてくれるので、逆に何を意図してそこまでするのか分からないぶん、かなり不気味すぎるという点だった。


■ビール取ろうとした手と手が触れ合う 見つめあう二人 クサすぎ・・・


黄金の犬 地井武男
「声を出すと殺すぞ〜!」

警察にアジトを嗅ぎ付けられ身を潜める地井は、島田に脅しをかける。しかし、あっさり声を出され、警察に包囲されてしまうバカっぷり。なんじゃそれ??もう恐ろしいほどにそら寒くなるほどのダメダメな展開で後半は進んでいく。
とにかくただの精神異常者の地井が女を犯し、殺し暴走する姿には、誰一人として悪の魅力を見いだせないだろう。

さらにヒロイン島田陽子(1953− )と鶴田浩二(1924−1987)のロマンスという製作者達の年齢層を繁栄した
、バブル成金オヤジが高級クラブのね〜ちゃんに惚れてもらいたいと懇願する脂ぎったオヤジのエセロマンを見せ付けられる。

なんで鶴田と島田??っていうか鶴田の役どころ自体もそもそも問題ありで、自分勝手に危険な捜査に女性を引き回し、囮にまで使う鬼畜に過ぎないデリカシーのない役柄に、賢明なる女性諸君ならまず間違いなしにゲンナリさせられるはずである。

そして、賢明なる男性諸君は夫の喪も空けぬうちから他のオヤジに色目を使うこの女の節操のなさ(清純さを装っているから尚性質が悪い)にゲンナリさせられるのだった。


■とにかく観客をなめた作りに終始するこの男・山根成之


菅原文太
銃撃シーンやカーチェイスといった部分に期待するだけ無駄な話なので、くどくどと書かない(呆れるほどのご都合主義に満ちているので)が、70年代の大作映画はなぜかいつもアクションシーンは熱気のないスカスカなものになっている。これは多分演出する監督の熱気が反映されているのだろう。
深作欣二にしても誰にしても大作になればなるほどアクションシーンの演出が冴えないのは、邦画の大作はやっつけ仕事という監督の観念が強いからだろう。

ここで中盤の文太兄ィに注目しよう。トラック野郎そのものの風情で文太兄ィが登場する。しかも助手席には森田健作という新鮮さ。文太兄ィが出てくるシーンだけはちょっとだけ熱気に包まれている。
しかし、健作が殺される血しぶきシーンはNGだろ〜??撮り直せや!全く地井が島田の下着をナイフで切り損ねるNGシーンもそのまま垂れ流しやがるし、この監督マジ観客ナメてるよな?

こういう監督の存在が邦画を著しくダメなものにしていった。それだけは確かだ。


■一つ聞こう、お前はなぜ出てきたのだ?


黄金の犬 黄金の犬
そして、もう笑うしかないのが、昔の美輪明宏そっくりな三田佳子(1941− )が弟と唐突に近親相姦する展開。
男優はボロ雑巾のように捨て去られ、出てくる女優は、ことごとくレイプされ、出てくる動物は、ことごとく虐待され、果ては姉と弟の近親相姦まで見せ付けられるこの作品。コレが徳間書店25周年記念作品でいいのか?

この映画ってどんな人に観てもらいたかったのだろう?まず女性は共感できないし、子供も論外。じゃあ若い男性・・・しかし、島田と鶴田の年の差カップルのロマンに感動できるヤツなぞいないはずだし・・・多分銀座辺りの高級クラブに通うエロジジイをターゲットにした映画なんだろう。

酔ったエロジジイならこの作品は十分に鑑賞に堪えることが出来るだろう。しかし、そんな酔った金満ジジイが世間に向けて「みんな俺についてこい!」と叫んだ所で誰もついてこなかったのがこの作品の実際の姿だった。そして、バブルの本質もココにあった。

オマケとしての本作の純粋な疑問
1.無一文の夏八木勲が、ゴロを助け獣医に見せるお金がなぜあったのか?
2.ゴロと夏八木の姿が北海道新聞に掲載された写真を、東京に住む島田陽子がなぜ見ることが出来たのか?
3.
島田陽子の絆創膏を編集でカットしなかった意図は?

− 2007年11月30日 −


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