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OK牧場の決斗   GUNFIGHT AT THE O.K. CORRAL(1957・アメリカ)
■ジャンル: 西部劇
■収録時間: 122分

■スタッフ
監督 : ジョン・スタージェス
製作 : ハル・B・ウォリス
原案 : ジョージ・スカリン
脚本 : レオン・ウーリス
撮影 : チャールズ・ラング・Jr
音楽 : ディミトリ・ティオムキン

■キャスト
バート・ランカスター(ワイアット・アープ)
カーク・ダグラス(ドク・ホリデイ)
ロンダ・フレミング(ローラ)
ジョー・ヴァン・フリート(ケイト・フィッシャー)
デニス・ホッパー(ビリー・クラントン)
OK牧場の決斗
『ヴェラクルス』でゲーリー・クーパーを完膚なきまでに喰い尽したバート・ランカスターが、カーク・ダグラスに無残なまでに喰われてしまった。ジョン・スタージェスの演出の凡庸さが伺える作品であり、雰囲気はいいが、中身は退屈な作品。音楽、役者、物語が揃っていてこれだけ退屈なのは、やはりスタージェスの登場人物の掘り下げ方の甘さによるのだろう。

■あらすじ


19世紀末の西部。ダッジ・シティの保安官を務めるワイアット・アープ(バート・ランカスター)は、トゥームストーンで保安官を務める兄から、救援要請の手紙を受け取る。クラントン一家との戦いに向けて協力する決意を固めるアープ。そんなアープに協力する肺を病んだギャンブラー・ドク・ホリディ(カーク・ダグラス)。やがてトゥームストーンで死闘が繰り広げられることになるのだった。


■残念ながら完膚なきまでに凡作の西部劇


OK牧場の決斗 OK牧場の決斗
この作品には、「西部の魂」が全く感じられない。バート・ランカスター(1913−1994)もカーク・ダグラス(1916− )もなんとなくそこにいるだけである。ダグラス演じるドク・ホリデイの情婦ケイトのその姿も、ただの老いを隠せない魅力的とはいいがたい役柄であり、ランカスター演じるワイアット・アープの婚約者になるローラとの馴れ初めの経過のわけのわからなさも物語の退屈さに拍車をかけるばかりであった。

こんな展開で男を好きになる女なぞ一人もいないと言い切れるその恋愛描写がこの物語の陳腐さを更に引き立たせてくれる。
唯一の救いはくどいまでのフランキー・レインの音楽。いやくどいのではなく、これがくどくなかったらこの作品の価値はただの凡作に過ぎなかったというほどこの音楽で持っている作品である。

この作品の価値に序列をつけるとするならば、1、フランキー・レイン 2、ロンダ・フレミング 3、カーク・ダグラスといった程度だろう。しかし、この作品のスタート時のあのうなるようなタイトル曲の始まりが与えてくれる高揚感が素晴らしいだけに非常に残念である。


■ロンダ・フレミング


ロンダ・フレミング ロンダ・フレミング ロンダ・フレミング
折角の美女もこう陳腐な恋愛描写に晒されると魅力の欠けらさえも生み出されるわけがない。それにしてもロンダ・フレミング(1923− )が演じたローラは一体何者だったんだろう?女賭博師として登場するのだが、なぜか突然、農場でゆったりと愛する人と暮らしたいと願う健気な女性に役柄が切り替わってしまうのである。しかし、それ以上に彼女に関してお粗末な展開は、仕事もそっちのけにストーカーのようにつけ回して、何ともわけのわからん口説き文句で迫るアープの胸に飛び込んでしまうシーンである。

普通、賢明な女性が仕事をほったらかしにして、女のケツを追っかけまわす男に惹かれるものだろうか?ましてや30代で酸いも甘いも経験した女賭博師がである。明らかに
「別れの切なさを演出したいが為に、即席で陳腐に作り出されたカップル」である。こういう物語上の関係の構築は、限りなくB級である。

もちろん孤高の保安官と流れてきた美女のご都合主義的なロマンスは、ジョン・ウェインの西部劇で嫌というほど存在するが、それにしても展開に説得力がなさ過ぎるのである。まさにその音楽が高揚的であればある程、見ている側はシラケさせられる演出である。最もスタージェス作品を見ているとこういう陳腐な描写は、ざらであるのだが。

ロンダ・フレミング ロンダ・フレミング ロンダ・フレミング
それにしてもロンダ・フレミングの扱いが、非常にもったいない。気丈な美女を巡るドクとアープの三角関係を期待したのだが、何故か最初だけ思わせぶりで後はただの陳腐な恋愛描写に走っていってしまった。


■ダンディなドク・ホリデイ


OK牧場の決斗 OK牧場の決斗 OK牧場の決斗
「達人だけどな。困ったことに生きた証人がいないんだがな」

「牧場を買ってローラと結婚する。式に出てくれ」「いや、俺は葬式が専門なんだ」


とにかくイーディス・ヘッドが女性陣の衣装を担当しただけあって華やかで可憐だ。そして、ドク・ホリデイの服装もおしゃれだった。それにしてもこのドク・ホリデイの雰囲気。なんとも『赤い靴』(1948)のレルモントフっぽいよなぁ。一言でいえば男らしさよりも、芸術家のようなおしゃれさが漂っていた。

それでいて、女にへらへらしているアープとは違い、見せ場が多いのである。最初の方に、リー・ヴァン・クリーフをナイフ投げで一撃必殺するシーンをはじめ、理髪店での優雅な仕草、ピンチの時の髪の乱れ具合、気の利いたセリフと全てが輝きに輝いていた。

そして、何よりも魅力的なのが、ドク・ホリデイに漂う孤独感。これが素晴らしかった。しかし、脚本・演出の拙さから、この名演がアープとの友情や三角関係、情婦との関係、そして、肺を病み死に場所を求めさすらう男という部分の描写の厚味へとつながっていかなかった。

一方のバート・ランカスター。彼が唯一魅力的だったのは片手でマッチを擦るシーンだけだった。


■なぜこのキャスティング??


しかし、ケイト役はなぜジョー・バン・フリート(1914−1996)なんだ?どう考えてもカーク・ダグラスには釣り合わない。そして、カーク・ダグラスが彼女に固執する理由も分からない。この女優は『エデンの東』(1955)でアカデミー助演女優賞を受賞している舞台女優だけあり、芝居も的確なのだが、ちょっと年を取りすぎてはいないか?

ロンダ・フレミングのローラに対して、せめて年増の女性であっても、バーバラ・スタンウィックなり、それよりももう少し若めの外見的にも魅力的な女優をキャスティングできなかったのだろうか?露骨に彼女と絡む芝居でのカークのやる気のなさが目についた。

ちなみにデニス・ホッパー(1936− )が、印象的な役柄で登場しているが、この時から光るものを秘めた俳優だった。それにしてもこの時代のハリウッド・スターに臆することなく堂々と芝居をしている姿が凄い。


■最後の決闘シーンの凡庸さ


OK牧場の決斗 OK牧場の決斗
やはりジョン・スタージェスはストーリーの中で人物を掘り下げていくのが、恐るべき程苦手である。一般的に評価され、私も最高に楽しめる名作だと同意する『荒野の七人』『大脱走』の監督でもあるのだが、この二作は他のスタージェス作品とは全く異なった作られ方をされている。

『荒野の七人』はユル・ブリナー、『大脱走』はスティーブ・マックィーンの我侭に振り回される形で作り上げられている。頻繁な脚本の修正、演出に対する注文といった彼らの圧力が、結果的にその
「登場人物に対する我の強さを生み出し、人物描写の奥行きを自身の力で生み出す結果となった」

しかし、本作においては、そういった役者からの圧力はほぼなく、そのことがランカスターの役柄の魅力のなさと、ダグラス自身のルックス的魅力が生み出した魅力的ではあるが平坦な役柄というものを生み出した。結果的には、ほとんどどの登場人物の描写も陳腐であり、それ故に最後の決闘も全く盛り上がらないものになってしまった。

史実ではOKコラルの銃撃戦は一瞬で決着がついたのだが、本作の最後の決闘シーンもぐだぐだ続けるよりも、一瞬でかたをつけたほうか緊張感みなぎるシーンになっただろう。しかし、それを凡庸なスタージェスに望むだけ無駄な話である。
シェーン』や『椿三十郎』のような終わらせ方は、よっぽど演出力に長けていないと難しいのである。

スタージェスほど日本において、過大評価されている映画監督はいまい。多くの出演俳優が言明するように、監督としての才能は全くない人である。


■どちらかというと過大評価されている作品


OK牧場の決斗
OK牧場の決斗は、史実の出来事であり、1881年10月26日にアリゾナ州トゥームストーンで起こった。この作品の前にこの題材を叙情的に描いた『荒野の決闘』(1946)が製作された。ちなみに本作の作りに不満を感じていたスタージェスは、ジェームズ・ガーナーとジェイソン・ロバーズ主演により『墓石と決闘』(1967)を作り直した。

本作は1957年アカデミー賞編集賞と録音賞でノミネートされた。公開当時本国においても日本においても大ヒット(日本においては1957年洋画興行成績第四位)を記録したが、現在的な価値としては、ノスタルジー的な価値しか存在しない典型的なスター・ムービーである。

− 2007年8月22日 −


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