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激突!殺人拳   (1974・東映)
■ジャンル: アクション
■収録時間: 91分

■スタッフ
監督 : 小沢茂弘
脚本 : 高田宏治 / 鳥居元宏
撮影 : 堀越堅二
音楽 : 津島利章

■キャスト
千葉真一(剣琢磨)
山田吾一(ラクダの張)
中島ゆたか(サライ)
石橋雅史(志堅原)
志穂美悦子(奈智)
山本麟一(九龍)
渡辺文雄(牟田口)
天津敏(盲狼公)
武道精神ゼロ!カラテムービー最強のヒール誕生!主人公が鬼畜同然の極悪人という「観客を敵に回したサニー千葉」の姿から和製カンフー・ブームは始まった!その終焉も早かったが、しかし、ブルース・リーのライバルとしてサニー千葉が名乗りを上げたことに価値があった。「アチョー」には「クハァー」をもって、華麗なる技の切れには過敏な顔面の濃さをもって、ノラ・ミャオには山田吾一の「ターリン」をもって徹底的にカラテ下克上宣言をしたのがこの作品だった。「とにかく最も安上がりな方法で観やがれ!」サニー千葉を感じよ!そして共にクハァーせよ!

■あらすじ


空手の達人の父親を戦争中にスパイ容疑で射殺され、誰も信用せずに狼のように生きてきた空手の達人兼殺し屋・剣琢磨(サニー千葉)。彼はある日、中東の石油王の娘サライ(中島ゆたか)の誘拐を依頼される。早速相棒のラクダ(山田吾一)と共に行動開始する琢磨だったが・・・


■和製カンフー・ブームの到来!



ブルース・リーが生み出した空前のカンフーブームの中、一人の男がこのブームに便乗しようと名乗りを上げた。そう!「西のイタリア!東のトウエイ」と言われるほどに機をみるに敏な映画会社・東映の社長岡田茂その人である。

「ブルース・リーが流行ってる?よし!オール海外ロケで千葉でカンフーを撮れ!」の鶴の一声。そして、この和製カンフー・ブームが始まるのである。そう、サニー千葉の「クハァァァ〜〜」の呼吸音と共に。
この男こそ、ダース・ベイダーに影響を与え、北斗の拳にも多大なる影響を与えた。そして、最終的にはタランティーノをもぞっこん惚れさせたのだった。

しかし、最初に私ははっきりここに断言しておく。この作品に映画的な価値は全くない。ただあるのは「サニー千葉」&「悦っちゃん」好きには捨てがたいだけの、決して一般受けしない一方通行な展開である。さらにさらに言えば「70年代の東映好き」を喜ばせる胡散臭さだけである。


■いいぜ!ホニャホニャなオープニング・テーマ曲!



ストーリーなぞあってないようなもの。しかもサニー千葉(1939− )は正義の味方ではなくただの悪党である!だからこそカタルシスなぞ期待せずにただただそのヘンテコな非情さを楽しむべきである。それにしてもこの敵役の石橋雅史がまた花がない。『燃えよ!ドラゴン』の鉄の爪に対抗するにしては、いくらホンモノのカラテ家にしても地味すぎやしないか?どうせなら蟷螂拳をつかわせるなり、ベアークローをつけさせるなりしないと、ただのカラテの使い手じゃつまんねぇぞ!

オープニングでサニーは、将来宿敵になる石橋扮する死刑囚を脱獄させる。しかし、死刑囚の監房にこんな簡単に忍び込み、脱獄させられんのか普通は?と小学生のガキでも不思議に思うほどの子供も騙せないくらいにしょぼしょぼの脱獄シーンである。
とにかく監房で始まるサニーの一発目のパンチと石橋の一発目の蹴りがしょぼく、スローだからさらにショボさが目立つおまけつきである。

この作品のアメリカ公開時の題名が「ザ・ストリート・ファイター」なのだが、このポスターがすさまじい。そして、左端のセクシーな女性誰を意味してんだ??忠実に再現されてるのは、サニーの表情だけだぜ。


■俺はな!約束を守らねぇーヤツは、でぇーきれーなんだっ!



やっぱ、志穂美の悦っちゃん(1955− )だよな。この頃の悦っちゃんなんかムチムチしてます。この太もものむちむちぶりがたまらんぞぉ〜。しかも扱いはかなり残酷。長兄は死刑囚で、次兄はサニー千葉に飛び蹴りをかわされ窓を突き破り自爆墜落死。さらに悦っちゃんはサニーにパンチラ殺法を食らわすもあっさり手なずけられ、香港へ300万円で売られる始末。

「ミーがかわいがってあげるヒヒヒヒ」

そして、香港行きの密航船の中で白い粉を打たれた挙句に黒人と数人のマフィアに輪姦されてしまう。もうここまででかなり弄ばれ悲劇です悦っちゃん。やっとこさ長兄と香港で再会したのも束の間、最後はサニーごと長兄に串刺しにされて殺されてしまいます。ムム・・・悦っちゃんいいとこなし・・・

何気に悦っちゃんて酷な扱いを受けてたんだよなこの頃は。それにしても悦っちゃんの次兄を演じる千葉治郎。何気にサニー千葉の実弟じゃねえかよ!


■ターリン!ターリン!



「ターリン!」

お前はジュリーかよ!ばりにダーリンをターリンと連発する山田吾一。正直オレはこの吾一に惚れたね。吾一とサニー・コンビという発想だけはオレはこの作品で唯一認める斬新さだ!恐らく東映のことだから行き当たりばったりのキャスティングの可能性もあるが、吾一がとにかくいい!

「ターリン!」が耳について離れないぜ。このオヤジ、シンガポールでサニーに助けられたらしい。っていうかなぜ殺されかけるハメになったのかも気になるが・・・。そして、サニーの食事、洗濯、筋トレと何から何まで尽くす恋女房。まさにこの時代、里中に山田太郎(ドカベン)なら、サニーに山田吾一というアツアツぶりだ。

しかも最後には
「相棒でなくてよいのだ。奴隷でよいのだ」とまで言う始末。変な意味じゃなくオレは最後の方には、この吾一がとても愛しくなったぜ。この吾一が・・・たとえホモでもな。


■風間千代子のビッチな雰囲気がたまんねぇ〜


う〜ん。実にしょぼいがナイスな敵役・風間千代子。このビッチな顔つきが堪らんのだよな。しかもこのボディー。いいよこの人。中国人が見たら激怒ものの変な日本語を話すのだが、チャイナドレスがすごく似合ってる。しかし、そのあとはずっと乗馬服オンリー。しかも一切乗馬シーンはなしというヘッポコぶり。

上目遣いのビッチ美女に弱いオレにとっては、この人十分すぎるほどにそそる女だ。しかし、この作品この女も含むサニーをはじめとする登場人物の誰一人にも感情移入しにくいんだよな。あまりにも劇画チックすぎて。しかし、それがサニー千葉ムービーの基本といえば基本なのだが・・・


■サニーズブートキャンプ



一つ質問!?「サニーはなぜ戦いの間中いちいちクハァァァ〜と言うんですか?」

その答えは「この映画を観やがれ!」観たら分かるさ。なぜサニーがクハァ〜と言うのか。ブルース・リーがアチョーと言うように、ハンセンがフォォーと叫ぶように、サニーはクハァクハァするのだ。考えるな感じろ!すると分かるはずだぜ、サニーの凄さが。
しかし、何よりも凄いのは、ブルース・リーをライバルにしているつもりが、サニー千葉も東映も知らぬ間にジミー・ウォング様をライバルにしてしまっていたところなのだ!

しかし、すっげぇ高いところからサニーと吾一が車ごと突き落とされるシーンで、まぁもちろんサニーと吾一は超人的に助かるのだが、敵役で川谷拓三が登場する。そして、頭蓋骨のX線写真が丁寧に挿入される脳天チョップをくらい血まみれで死すのである。

とにかくサニーが、残酷すぎて強いというよりも殺人狂としか思えないこの作品。歯を何本も叩き折るは、目をえぐるは、脳天は割るは、ペニスは引きちぎるはと血に取り憑かれているとしか思えない
ジェフリー・ダマーぶりなのである。


■やっぱり中島ゆたか嬢がイチバン!



オレの中で永遠のスチュワーデスといったらこの人中島ゆたか(1952− )。この作品のゆたか嬢マジカワイイ。なんかこの可愛さ半端じゃない。しかし、サニーという鬼畜は、悦っちゃんを香港に売り飛ばす前に何故か唇にむしゃぶりつくのだが、ゆたか嬢の拉致を目論む時もとりあえず唇を奪うのである。

それじゃ強姦魔だろおめえは。そういう非難囂々の声を背中で受け止めながらクハァァァ〜の呼吸音を聞かせるサニー千葉何気に新婚2年目。サニーの手にかかれば全てが汚れる。
まさに70年代の東映の凄みは、東映の触るものは全て汚れるところにあったのだ!

サニーが唯一した良い事。それは黒人にレイプされかけたゆたか嬢を助けた所。しかも、その助け方が戦慄なのだが、黒人は勃起したペニスを引き抜かれ死に絶えるのだった。しかし、それと同じくらい戦慄なのが、ゆたか嬢の役柄が、中東の石油王の娘という事実である。

しかし、女と見ればズボンを脱いでパンツ一丁になり犯そうとする黒人を演じたチコ・ローランドがかなりグッジョブだった。


■『トゥルー・ロマンス』で主人公2人が見ていたシーン


結局冒頭で助けた死刑囚の冴えないオヤジとクライマックス雨の中で死闘を繰り広げるサニーだが、これが全く迫力のない展開で・・・そして、わけのわからぬまに一発逆転の必殺拳「喉仏引きちぎり」を繰り出し勝ち名乗りを上げた瞬間に、何の余韻もなく唐突に物語は終わるのだった。


<なんとも爽やかな完成記念撮影真ん中にサニー千葉、小沢茂弘監督、山田吾一、石橋雅史、そして、ずっと右端に志穂美悦子>

全くカタルシスはゼロ。これは映画なのか?映画とは昔を懐かしむ哀愁の玉手箱でイイのか?オレは思うまあこういう映画の存在もいいんじゃないか。芸術性の高い作品ばかりだと人生も疲れるからな。こういうトラッシュムービーの存在があるからこそ、芸術を堪能するゆとりも出るんじゃないだろうか?


− 2007年9月30日 −


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