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新仁義なき戦い 組長の首   (1975・東映京都)
■ジャンル: 東映ヤクザ
■収録時間: 94分

■スタッフ
監督 : 深作欣二
脚本 : 佐治乾 / 田中陽造 / 高田宏治
撮影 : 中島徹
音楽 : 津島利章

■キャスト
菅原文太(黒田修次)
成田三樹夫(相原重彦)
山崎努(楠鉄弥)
梶芽衣子(美沙子)
ひし美ゆり子(綾)
西村晃(大和田徳次)
小林稔侍(志村勝男)
渡瀬恒彦(須川国光)
「あんたは前からね?後ろからね?」最強最後のサゲマン女登場!ひし美ゆり子様のエロスがやくざの仁義もクソもへったくれもストーリーもぶっ飛ばす!もはや『仁義なき戦い』は目立ったもん勝ちの映画に成り下がった。しかし、その目立ったヤツラがまた素晴らしかった!この作品どいつもコイツもキャラが立ってます。その分人によってお気に入りキャラも代わってくるはず!それもまた東映やくざ映画の楽しみ方の一つ!

■あらすじ


昭和43年、北九州。大和田組組長大和田徳次(西村晃)の娘婿・楠鉄弥(山崎努)は、敵対する暴力団の組長殺害を旅人・黒田修次(菅原文太)と共に決行する。成功後、黒田は楠の身代わりとして七年の刑期を勤める。そして、七年の時が経ち黒田は出所するが、大和田組の興隆に対して、肝心の楠は麻薬中毒で破門寸前だった。七年が無に帰した黒田は野良犬のように暴れ狂うのだった。


■最強最後のサゲマン女昇臨!



「あんたぁ〜責めたかったら、うちん身体よかだけいじめたらよかぁ〜」

この室田日出男の「オトコ顔」を見てくれ!そう!まさにこれほど必死にむしゃぶりつく価値アリのこの身体!そうひし美ゆり子様(1947− 、この人オレのオヤジと同い年だ!)昇臨だ!本作の日出男はかなり切れてるぞ!そして、
「はぁぁぁ〜〜」というあのゆり子様の声音・・・オレの今までのオンナの中でもあんないい声聞かせてくれるオンナいなかったかも・・・あんな声音で泣かれて、しかもこの肉体ならオトコは「サゲテサゲテ地獄の果てまでサガリつくされて本望」だよな?

しかしよぉ〜。もうこの作品はゆり子様・オン・ステージだな。脱いで脱いでオトコ汁を搾り出すだけ搾り出して次へ次へと乗り換えてくれます。ホンマいい女だなぁ〜この人。


■シャブやってぇ〜〜天まで昇れやぁぁぁ!(楠談)



仁義なき戦い』ももはや第七作目ということもあり、舞台も広島から北九州に移行する。そして、登場人物も博多弁になる。もはや山守義雄=金子信雄も出なけりゃ、田中邦衛も登場しない。この作品は完全に一個の独立した東映やくざ映画と考えた方がよいだろう。音楽も一新されたのだが、本作の音楽はかなりテンションが高くてよろしい。

しかし、こんな東映やくざ映画に場違いともいえる二人が出演している。前出のひし美ゆり子様と70年代の狂気桜・山崎努(1936− )だ!この二人の登場が、本作に一種独特な魅力を生み出している。その魅力とは二人まとめて言うとするならばこうだ!
「『仁義なき戦い』をぶっとばせ!」そう二人はシリーズ最高に弾けまくっている。

2年後の『八つ墓村』を彷彿させる努の狂いよう。西村晃と中原早苗の寝込みを襲い、文太兄ィと一緒になって二人に墓穴を掘らせている姿などはやばすぎる。しかも深作妻である中原にスコップ一杯の泥をバシバシぶちあてる鬼畜ぶり!果てはナムアミダブツと祈りだした中原の取って作ったお経に、
「なに死に際カッコよう決めようとおもっとるんじゃ〜〜!」とばかりにお経を唱える口めがけて泥をぶっかけ、中原をさらに取り乱させる念の入れよう。


さらにトドメは、嫁の見ている前で、嫁の父・西村晃を滅多撃ちに撃ち殺すその狂乱ぶり!オレはこのシャブ中の山崎努を見て思った。
「渡哲也か努だよな。この時代のこういう芝居の境地は」と。それとマジもん芹明香を絡めればもう負のパワーを画面上に充満させられるよな。

そして、この負のパワー充満の努を出ずっぱりにさせなかったのが、また良かった。こんなヤツが出ずっぱりだと作品全体が沈滞していくだろうからなぁ。まさにゆり子様が「サゲマン」なら努は「サゲチン」を演じていたというわけだ。


■カジ系のオンナよもっと出てきてくれ!



オレが2年くらい付き合っていた彼女の悪友が、梶芽衣子に背丈もそっくりだった。とにかく綺麗な人だったが、シャブ中だった。この人を見るたびにその女性を思い出す。オレとその女性は全く気が合わなかったので、肉体関係もシンパシーもないが、梶芽衣子を見るたびに嫌でも思い出すくらい似ている。

この作品の梶芽衣子(1947− )がとても美しい。
バカなオンナの情念を演じさせたらこの人の右に出るものはいないからだろうが『広島死闘篇』と全く同じ役柄を演じているのだが、それでも十分魅力的で、とにかく首の流線が美しいので着物姿も映える。特に喪服姿は息を呑む美しさ。

顔の系統的に言えば八代亜紀をモデルにボッティチェリが超美化して描いたような美しい顔をしている。とにかくこの狐のような面構えが堪らんのだよな。


■心持ち文太兄ィの表情が柔らかいのは『トラック野郎』の影響?



しかし、岩尾正隆。今回の登場は小林稔侍の「貞操を奪おう」とする囚人役である。しかもセリフらしいセリフはこれだけ。

「エエ目さしたる言うとるやないけぇ!」

何がエエ目なんだよと100人中100人の突込みを受けること請け合いのこのシーン。そして、文太兄ィは、ナタをふるって稔侍を救出し、舎弟にするのだった。本作はとにかく稔侍がうれしい程にがんばってます。稔侍もこのチャンスを逃してなるものかと、もう勢いで突っ走っているこの熱気がオレは限りなく好きだ。

前作には欠けていた熱気を稔侍が呼び起こしてくれていた。『仁義なき戦い』がいかに大部屋俳優のエネルギーの下に築かれた栄冠だったかが、彼を見ているとよく分かる。


■湖上オアシス??



全てを失った文太兄ィはストーカーのように70年代に考えうる最狂の僕(しもべ)二人渡瀬恒彦(1944− )&小林稔侍を引き連れ、成田三樹夫を付け狙う道中にさりげなく民家の中にぽつりとこんなシーンが。

「湖上オアシス」「お座敷サロン」「東京トルコ」

さすが東映!しかしだな「湖上オアシス」??なんだそりゃ??しかもかなり興味アリ。それにしても渡瀬恒彦が、本作でもいかしまくってる。特にピラニア軍団の二人川谷拓三&成瀬正が刑事に扮して恒兄ィを取調べする終盤のシーンで、二人が恒兄ィを突き飛ばした時に、火鉢に頭ごと突っ込んでいってもんどりうって倒れるのである。どこからどうみてもホンモノの火鉢に。

そして、のたうつ渡瀬を取り囲むようにして「コイツ大丈夫か!?」といういような表情で芝居を続ける二人のピラニアたち。マジ凄すぎるエネルギーが充満している。


■3人のはずが、4人???



「流れもんには流れもんの意地のあっとたい!」

たしか・・・追跡は3人だったはずだが、なぜかカーチェイスのシーンでは明らかにもうひとりの姿が露骨に見える。しかも後部座席に手持ちカメラ姿の・・・さすが深作だよな。遊び心、手抜き、無頓着。まあその全てだろう。そして、これが東映スタイルなんだ!

さすが深作がアメリカのアクション映画のようなって感じで撮ったシーンだが、こういった手前味噌なアクションシーンの挿入から実録やくざ映画は面白くなくなっていくのである。最も本作の場合はメリハリのあるカーチェイスが展開されるので、文句なしに面白いのだが・・・特にゴキブリのようにしぶとい文太兄ィ&最狂の僕(しもべ)二人に死神のようにつけ回され、
「警察に逃げるんじゃ!」と必死こいて逃げる三樹夫。思わず爆笑間違いなしの三樹夫節全開のシーンである。


■サニー千葉登場!



最後の成田三樹夫ヒット・シーンで小林稔侍(1943− )がクラブに侵入した時にやけに立ち回りの機敏なバーテンダーがいる。そうサニー千葉だ。
サニー千葉友情出演である。しかもほんの数秒のノンクレジットの出演である。偶然撮影現場を覗いたのが運のつきだったらしい。


そして、稔侍は死す!かなりグッジョブだった。この作品の約5年後に稔侍は注目されていくのだった。しかし、成田三樹夫も最高に本作はキレのいい芝居を見せていたなぁ。


■まさに和製クレオパトラ・ひし美ゆり子様



「ありゃの〜サガリボンボンいうてのぉ〜」

う〜〜ん。やはりゆり子様で始まり、ゆり子様で終わるだな。この作品は。室田日出男→成田三樹夫とかまきり女のように男の運を食い潰し生きながらえる女。そして、最後にオドオドキャラ井関(織本順吉。汗だくな姿が素敵っ!)の額からポトポトおちる汗を拭うその表情が全てを語る。

ここにひとつ人生哲学アリ!

「サゲマン女とは、肉体関係抜きの友達になれ」そう黒田のように。サゲマン女の食い散らかした運をかき集めたオトコこそ黒田だった。


「相原は、うちんこと雌犬っちゅうてうしろからしかせんとよ」

しかし、並大抵の精神力じゃ。こんな風に耳元でこんな肉感的な美女に囁かれたらもう駄目なはず。しかし、今思い出したんだが、この人は『ウルトラセブン』に出てたはず。アンヌ隊員だったよな。オレには世代的に思い入れは全く無いが・・・


「あんたは前からね?後ろからね?」

とにかく身体のラインはモデル体系ではないが、ベッドの上で最高に映える肉体の持ち主。
それがひし美ゆり子様だ。レースクィーンやモデルをしている女性とベッドで愛し合った経験のあるオトコなら分かろうモノだが、骨があたって痛い、胸の谷間で安らぎたい・・・

・・・という雑念が生まれてくる。しかし、なかなかこんな肉体を持つ女性とはお付き合いできないのが、悲しい現実だ。それにしてもこのゆり子様見てると、やっぱりオンナは逞しいのぉ〜と思う次第である。最も現実にこれほど逞しいオンナはそうざらにはいないのだが・・・


「いうちゃるがのぉ〜やくざは大将にならにゃくそのかすぞぉ〜」

結局の所、子分たちを生贄に狡猾に大和田組の若頭にまで登りつめた黒田だった。あのエンディングテーマに重なる文太兄ィの顔つきは魅力的というよりも、世間一般によくいる人を人とも思わずに、のし上がっていった男の人間味の失せた顔つきそのものだった。

こういうのしあがり方をどうせ見るなら、ゆり子様ののしあがり方の方が魅力的である。つまりオレ的にはこの作品の主役はひし美ゆり子様なのである。

− 2007年9月24日 −


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