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新仁義なき戦い 組長最後の日   (1976・東映京都)
■ジャンル: 東映ヤクザ
■収録時間: 91分

■スタッフ
監督 : 深作欣二
脚本 : 高田宏治
撮影 : 中島徹
音楽 : 津島利章

■キャスト
菅原文太(野崎修一)
松原智恵子(中道麻美)
成田三樹夫(松岡光治)
和田浩治(中道努)
尾藤イサオ(加田伸吉)
藤岡琢也(米元政夫)
桜木健一(西本明)
小沢栄太郎(坂本英光)
もう出せるもんは全部出し尽くしたゼ!そんな文太兄ィの叫びと共に伝説の『仁義なき戦い』シリーズは終了した。もはや「伝えたいもの」が何一つ存在しないこの作品こそVシネマの元祖だろう。そこにあるのは、ただの殺し合いと女のハダカとシャブ中と「ガムのように噛んで捨てられる」味気なさ。すべてがヒロポンパワーで作られたような作品だった。

■あらすじ


麻薬密売のトラブルで売春婦が殺された事件をきっかけに、北九州のやくざ組織と関西のやくざ組織の全面戦争に拡大していく。そして、九州岩木組の親分が暗殺された時、後継者の野崎修一(菅原文太)は地の果てまで、関西やくざ坂本組の首領・坂本英光(小沢栄太郎)の首を取る決意をするのだった。


■ただただ笑うしかない・・・衝撃のラストシーン



「見たかぁぁぁぁ!わいがやったんやでぇぇぇ!見たかぁぁぁ!」

「おう!見とったドォォ!」取り囲んだやくざ達の拍手喝采の中、衝撃の文太兄ィの死に様と共に終焉を迎える『仁義なき戦い』シリーズ最終作。それはケツの毛まで抜ききった後の出し殻のような作品だった。もはやそこには根底に流れる「テーマ」なぞ存在せずにただ殺し殺されていく姿のみ。

もはや失敗作とかそういう次元の問題ではない。そこにはやる気のない状況で作り上げられたヒロポンパワーそのものの惰性が漂っていた。出演者誰一人として輝いておらず、むしろ負のエネルギーが充満していた。
そんなスターもこれからスターになろうと夢見ていたヤツらも輝けない映画なんかに価値はねぇよな!?

しかし、最後くらい文太兄ィに死に様芝居見せもらいたかったよな!中途半端に死に掛けの姿で警察に連行される姿で終らせるのなんか全く燃えないぜ!死に絶えた姿を背中越しになりナイスな角度で押さえながら、背景には警察の封鎖線の外で歓声をあげるやくざ達という絵の方が遥かに素晴らしかったと思うんだがなぁ。


■パンマとは?パンパンと按摩の造語



この作品、何故か昔の『仁義なき戦い』のテーマ曲で始まるのだが、広島が舞台でもなく、広能も山守も武田も出ないこの作品にはこの名曲はただ単に侘しさだけが付きまとっていた。とにかくとことんまで幸の薄いこの作品は、オープニングから幸の薄い女がシャブ打ってる途中にラブホで刺し殺されるショッキングな絵から始まる。もう高田も深作もヤケだね。これは・・・

胸をはだけて出刃包丁を腹に突き刺され死すこの女の名前はサチコ。漢字で書くと幸子・・・ムムッ、幸子って名前?ネタか?これ?しかもこのシーンには全く様式美の欠けらもない、ヤケクソぶりだけが画面上を支配していた。



■幸の薄い三人組登場!



さらに幸の薄いサチウス三人組。桜木健一(1948− )&横山リエ(1948− )&尾藤イサオ(1943− )。3人とも死にまっしぐらなのだが、その死に様もまた虫けらそのもの。しかも、リエとイサオにいたってはシャブ中街道まっしぐら。リエはシャブが切れて発狂して転落死。健一は地井武男とイサオに撃たれた後に生きたまま焼却炉に放り込まれ焼死。そして、イサオは松原智恵子様にご褒美の一発をさせてもらえるが、次の日鉄砲玉として蜂の巣にされ憤死。
しかも、手持ちカメラの映像が全く生きていないので、虫けらの死に様が全く映像的にダサいというおまけつきの幸の薄さである。

とにかく暗いんだよな。この作品。シャブに狂ってるヤツらを何のテーマもなしに映し過ぎなんだよな。しかも横山リエ・・・リアルすぎなんだよこの人。綺麗にしたらとことん綺麗そうだが、綺麗とキモイの境界線にいるんだよな。それにこの人常にガニマタだしね。

そして、尾藤イサオ!「あしたのジョー」。こいつなんか憎めないんだよな。オレこの人今も最高に好きだぜ。何故かなんとなく。


■う〜ん。松原智恵子様も出ているが・・・



恐らくほとんどのオンナに共感されなさそうな役柄を演じる松原智恵子(1945− )。やくざの夫にトルコ嬢、芸者として働かされ、赤ん坊を抱え健気に生きる女一匹。なんかこの役柄見てるとふと考えるよな。実際ニュースとかで幼児を殺してる親も、誰よりも必死に生きてきた果てのふとした気の迷いからそういう事件を起こしてしまった事が多いかも知れないんじゃないかと・・・

なんかメディアは、全てのそういった事件をいい加減な親が幼児を殺したと攻撃したがるが、オレはメディアの発展は、人間の浅ましさ・単略的判断・優しさの欠如を生み出しているとしか思えないよな。まともな心理学者ならすぐ分かるが、
少年犯罪・猟奇的犯罪を生み出してるのはニュース、ワイドショー系のメディアの存在そのものからなんだぜ。

「お願いぃ。こどもん頃いつも抱いて寝てくれたやなかねェ」

しかし、文太兄ィと近親相姦?(恐らく)な関係なところも描き方が薄っぺらなのでどうしても違和感だけが残る。とにかく美しいこの智恵子様がもし「組長の首」のひし美的役柄だったならオレは太もも全開とかだけでも喝采するよな!あのラストのやくざ達並みに。

しかし、彼女のダメ夫を演じる和田浩治(1944−1986)がまた北大路欣也を意識してるんだろうが、全然ダメなんだよな。こいつは浮いてるよ。しかも文太兄ィ殺そうとしてダンプに轢かれ死んでいくカタルシスのないダサさ。


■オトコもオンナもチンカモしゃなあかんでぇ!


いやぁ〜最後にこの濃い3人だけ紹介しておこう。一人は密入国した韓国軍の元軍人ジョーを演じる郷^治。ほとんど喋らんが出てくるだけで不穏な空気が漂うよなぁこのオトコ。とことんまで70年代劇画チックなコイツ。髪の波立ち具合までいちいち痺れるぜ!

そして、文太兄ィの親分を殺害するオカマの奈美を演じる堀めぐみ。消されて港に沈められた奈美の死体が不必要に胸がはだけさせられ、股間に黒の四角が入って、「実は十三のゲイバーで働く」とナレーションされるのである。しかし、どう見てもオンナな肉体に黒ヌリを挿入してアレがついてるオカマだったという、女優生命もへったくれもない東映の姿勢。まさに「仁義なき映画会社」だよなこの頃の東映って。

そして、やくざの組長役の藤岡琢也。この頃のこの人いっつもヤクザばっかり演じてたよなぁ。しかもかなりにリアルなガラの悪さ。それが年とったらイイオヤジを演じるわけやから役者ってのはうまいこと化けるよな。

最後に死の床に臥せってる坂本親分=小沢栄太郎を撃ち殺す文太兄ィと、その後すぐに手錠をかけられた文太兄ィを刺し殺すピンクシャツのチンピラ。「仁義なき戦い」の本質がどこかに消し飛んでいきかなり陳腐な負の連鎖で終焉を迎えるところなんかまた東映らしい。

− 2007年10月4日 −


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