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甘い抱擁   THE KILLING OF SISTER GEORGE(1968・アメリカ)
■ジャンル: ドラマ
■収録時間: 138分

■スタッフ
監督・製作 : ロバート・アルドリッチ
原作 : フランク・マーカス
脚本 : ルーカス・ヘラー
撮影 : ジョセフ・バイロック
音楽 : ジェラルド・フリード

■キャスト
ベリル・リード(ジョージ)
スザンナ・ヨーク(アリス)
コーラル・ブラウン(クロフト)
ロナルド・フレイザー(レオ)
パトリシア・メディナ(ベティ)
衝撃のレズビアン映画。最後のナマナマしい女性同士で愛し合うベッドシーンゆえに日本では公開されなかった作品。全体的に主人公の独りよがりが目につく作品で駄作に近いが、スザンナ・ヨークのショートカットと今見てもオシャレなお色気満点のベビードール姿は必見である。この作品のスザンナは、女性から見ても惹きつけられる魅力に満ちている感じがする。

■あらすじ


英国の国民的テレビ女優ジョージ(ベリル・リード)は初老に差し掛かり、人気にも翳りが見え始めていることに心を悩ましている。そして、同居している若くて美人の恋人アリス(スザンナ・ヨーク)が浮気してるのじゃないか日に日に気になっているそんな時に、クロフトという中年の品のある女性が現れる。彼女の存在がやがてジョージを破滅へと導いてゆくのであった。


■ベビードール姿のスザンナ・ヨーク



スザンナ・ヨーク(1941− )の存在感が本作の全てと言ってもよい。これ程彼女が魅力的な女優とは思わなかった。本作のほかの部分に関しては不満であるが、ことスザンナ・ヨークに関しては100%満喫である。とにかく
一見不細工にも見えるその表情のユニークな変化が、実に魅力的でブロンドにショートカットの髪型により、時に少年のような時に少女のような雰囲気を漂わせてくれる。特に男装してピエロのようなメイクをした時の、表情の変化などは実に魅力的である。

しかし、何よりもスザンナが魅力的だったのは、その意外なほどのセクシーさゆえである。
オープニングからピンクのすけすけのベビードールで登場するのだが、この可愛さはある種の衝撃である。その後のファッションも可愛くブルーのすけすけのベビードールからミニスカートにブーツ、上下下着だけの姿、ロングヘアーのウィッグをつけたお人形さんのような雰囲気と、スザンナちゃんは次はどんな格好で登場してくれるのかと一々期待させてくれ、まさに期待通りの出で立ちで登場してくれるのである。

確かに最後に「32歳であり、15歳のときに子供を産んでいる」とジョージに秘密をばらされてしまい、32歳にして、幼児性たっぷりで、お人形を愛し、独立心がなく、怖がりで、マゾっけがあるというダメなタイプの女性なのだが、こういう女性って最近多いんじゃないか?ある意味本作のアリスは多くの女性の共感を生みうる役柄かもしれない。


■ベリル・リード


主役の初老のテレビ女優ジョージを演じるのは、イギリス出身の喜劇を得意とする舞台女優ベリル・リード(1920−1996)である。彼女は1967年に本作の舞台劇でトニー賞主演女優賞を獲得している。ちなみに彼女は失読症であり、台本を覚えるにも他人の何倍もの努力をしてきた人である。67年の舞台劇でアリスを演じたのは『ドレッサー』(1983)にも出演していたアイリーン・アトキンス(1934− )だった。

このジョージという役柄は非常に下品で自分勝手な女性なので、見ていて不愉快な感情にさせられる。それも後ろ向きな不愉快感である。怒鳴り散らして泣き喚く主人公は舞台においては好まれる役柄であるが、映画にはあまり適さない役柄だと言える。
映画はどんな芝居でも誇張してしまう媒体なので、ベリル・リードの舞台から抜け出してきたかのような誇張された芝居は、一人浮き立たせてしまう。

恐らく映画化におけるジョージ役はベティ・デイビスだと良かっただろう。ただし、1968年においてのデイビスではなく1950年代のデイビスだとベストだっただろう(勿論原作は1965年に発表されたものなのでそれは不可能な話だが)。


■強烈にエロスなレズシーン


このジョージとアリスの関係はレズビアンの関係であると同時にサド・マゾの関係でもある。悔やまれるのは、もっとしっかりとジョージとアリスのサド・マゾな関係を浮き立たせるべきであった。クロフトがその管理職の仕事柄上、マゾっ気のあるアリスに惹かれ、同性愛に目覚めてしまう描写が全く弱く感じるのもサド・マゾの関係をしっかりと描かなかったからである。

アリスをジョージから奪う女性クロフトを演じるはヴィンセント・プライスの妻でもあるコーラン・ブラウン(1913−1991)である。彼女は2人に対して芝居はもう一つだったが、雰囲気はあった。

この品のいい女性が物語の終盤において、
「中年オヤジが若い娘の肉体を拝むかのように」生唾ごっくんしながらアリスの胸をはだけさせ、乳房にむさぼりつき、キスを交わすシークエンスなどは、かなりエロスが充満していた。お世辞にも芝居はうまくないが、その芝居の固さが日活ロマンポルノ並みの、大根芝居ゆえの「生々ならぬ臨場感溢れるエロス」を発散していた。


■やはりアルドリッチならこの男が出てくれないと


待ってました!アルドリッチの常連俳優ロナルド・フレイザー(1930−1997)が相変わらずコスイ男役で出演している。この男が卑怯者を演じたら右に出るものがいない。そして、本作においてもジョージにお酒を頭からかけられる屈辱的な役柄を演じている。

さらに何気に高級娼婦ベティ役でパトリシア・メディナ(1920− )が出演している。彼女はジョセフ・コットンの奥さんである。それにしても当時40代後半には見えない美しさである。ちなみに彼女と一緒にいる金髪美女ダイアナを演じるは1964年ミス・ユニバース3位のシビ・アバーグ(1944− )である。


■アルドリッチの一番のお気に入り作品らしい


本作は『特攻大作戦』(1967)で稼いだ資金でアルドリッジ自らプロダクションを設立し、監督した作品である。そして、アルドリッチは
「本作が私の生涯で一番お気に入りの作品である」と答えている。ちなみにレズビアン・バーのシーンはロンドンの実在する「ゲートウェイズ・クラブ」で撮影され、エキストラも実際の常連客たちだった。

撮影はロケーションはロンドンで行われているが、セット撮影はロサンゼルスで行われている。当初はアンジェリカ・ランズベリーとベティ・デイビスにジョージ役はオファーされていたという。さらにアリス役はオードリー・ヘプバーンに、クロフト役はキャサリン・ヘプバーンにオファーされていたという。

− 2007年6月21日 −


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