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トラック野郎 故郷特急便   (1979・東映東京)
■ジャンル: コメディ
■収録時間: 110分

■スタッフ
監督 : 鈴木則文
脚本 : 中島丈博 / 松島利昭
撮影 : 出先哲也
音楽 : 木下忠司

■キャスト
菅原文太(一番星桃次郎)
愛川欽也(やもめのジョナサン・松下金造)
石川さゆり(小野川結花)
森下愛子(西尾風美子)
原田大二郎(垣内竜次)
波乃ひろみ(多美子)
春川ますみ(松下君江)
これで最後のトラック野郎。もう文太兄ィの男意気をひたすら堪能してください。1973年『仁義なき戦い』から始まった文太兄ィの快進撃。この男がいたからこそ70年代は熱くエロく男臭かった。日本映画界にとってあまりにも蔑ろにされてきたこの役者・菅原文太。しかし、時がたってみると現在の若者に唯一通用する普遍的な熱気をもった役者は、この人だけだった。

■あらすじ


日本全国を縦断する長距離トラックの運転手・星桃次郎(菅原文太)が、今回は相棒のやもめのジョナサン(愛川欽也)と南国土佐を突っ走る。そして、フェリーで出会ったドサまわりの演歌歌手結花(石川さゆり)に一目惚れする桃さん。更にあろう事かドライブインくろしおのウエイトレス風美子(森下愛子)にも一目惚れしてしまう桃さんだった。1979年の年の瀬に公開された『トラック野郎』シリーズ第十弾であり最終作。


■エロ無くしてトラック野郎と言えるのか?



トラック野郎最終作であり記念すべき第10作目。もはや10作目になるとトラック野郎は『男はつらいよ』化していこうという延命工作の目論みがありありになっていた。
女性の裸シーンは消えうせ、もちろんトルコシーンもなくなり、下ネタもなりを潜めた。しかし、そのことが則文と山田洋次の完膚なきまでの監督としての差を露呈してしまった。

則文からエロを取り除いたら何が残るんだ??下ネタのつるべ落としで攻めるのが、東映喜劇だろが!その本来の姿勢を忘れた時本作の魅力は全くなくなってしまった。

トラック野郎は、トラックの違法改造やロケにおける道路交通法の問題もあって警察を茶化しにくくなったこともあり、1980年春にシリーズ打ち切りが決定されたが(11作目は沖縄ロケの予定だった)。しかし、そんな要因がなくても、もう作品としてネタもエネルギーも出演者の情熱も枯れ果てていたので早晩にシリーズは終了したことだろう。


■しかし、トラック野郎は永遠に不滅です!



残念ながら10作目で終了してしまったと言うよりも10作続いたのが奇跡と言ったほうがいいはず。
だからこそ最終作に変な色気を出さずに素直な色気を満載して欲しかった。どうせWマドンナにするんならもっと東映っぽいエロいお姉さんと清純な美女の組み合わせでお願いしたかった。森下愛子と石川さゆりだと、どっちも可憐な感じなので、Wマドンナの意味がなかったのではないか?

やっぱ多岐川裕美、関根恵子、夏木マリ、意外に倍賞美津子辺りで攻めてほしかったな。もう最後の打ち上げ花火はとことん大人のエロさでトラック野郎を締めくくって欲しかったな。


■ひろみちゃんと言えば『堕靡泥の星 美少女狩り』



とにかく原田大二郎(1944− )といい男優陣のテンションが空回りしていて、則文のノッていない作品の兆候が抜群にてんこ盛りである。もう演出をしていないに等しいくらいの俳優のお粗末な芝居。これは大坂志郎でさえもそうなのだから、新人に近い波乃ひろみちゃんなら尚更だ。


とにかく彼女の芝居は、狂気的なほどお粗末過ぎる。折角可愛いのだからもっと念入りに演技指導するなり、脱がせるなり(これは悪い意味ではなく)するべきなのだが、登場シーンが多い役柄の割りにはお粗末さを超えたお粗末な芝居っぷりである。
男ならこんな姿の彼女が見たかったはずだ!

身長166センチ、体重52センチ。しかも1974年にはミス日本に輝いているという彼女の唯一の主演作『堕靡泥の星 美少女狩り』(1979)。桃さんもゲスト出演している。


■せんだみつおが消え、キンキンからも熱気は消えうせていた



石川さゆり(1958− )よりも森下愛子(1958− )の方が魅力的なのは、しょうがないのだが、役柄的には、とんでもない変な子を演じさせられていた。それにしても則文よ・・・ベタに2回繰り返したりして見せるのやめて欲しいぜ。この作品はなんしか演出がお粗末すぎた。

とにかく、最終回に相応しく(意図したことではないはず)、石川さゆりとの恋が成就したと思ったのも束の間、歌手としての成功を選ばせる為に桃さんが一言言い放つ。「付きまとわれると迷惑なんだよ」そして、桃さんは彼女の成功を祈りながら去っていくのだった。

どんなに演出がショボくても、脚本がずたずたでも一瞬で映像を引き締める文太兄ィ・・・。やはり並みのスター俳優のレベルじゃないよ。この人の存在感は。


■だからこそトラック野郎は今も輝き続ける!



「決めた〜お前と道ずれに〜♪」と指パッチンしながら冬の海の中をずんずんと進んでいく桃さん。本作で最も笑えるシーン。

それにしても文太兄ィという人は、どんな仕事でも一生懸命にする人だなぁ。ホントこの人はある意味そんじょそこらの勘違い芸能人のオヤジ達とは地金が違うといった感じだ。まだまだ日本の役者達は、この人から学ぶべきところは多いだろう。

この藝術を語るサイトでどうして『トラック野郎』という単なる娯楽作品を延々と取り上げたのか?それを最後に語るとするならば、スティーブ・マックィーンのようなニヒルでクールなヤクザ俳優の型を作り上げた男が、40代を過ぎても尚、新しい役柄にチャレンジしたという事実に惚れ込んだからである。

こういったシリーズが今後登場する可能性は極めて少ないだろう。それは則文という監督云々の問題ではなく、文太兄ィのような役者がなかなか登場する土壌が邦画界にないからである。

しかし、大手プロダクションや広告代理店の力の支配で腐りきったテレビ界及び邦画界から締め出された30代のヤツラが舞台や海外で地道に力を蓄えこんでる事実を見れば、やはりこれからの日本の映画産業はより芸術的嗜好を深めていくだろうと思われる。

21世紀の始めは大型メディアが、藝術的活動に脅かされ駆逐されていく時代になるだろう。これは間違いなく歴史的必然である。

− 2007年11月11日 −


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