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宇宙からのメッセージ   (1978・東映=東北新社=東映太秦映画村)

■ジャンル: SF
■収録時間: 105分

■スタッフ
監督 : 深作欣二
原案 : 石森章太郎 / 野田昌宏 / 深作欣二 / 松田寛夫
脚本 : 松田寛夫
撮影 : 中島徹
音楽 : 森岡賢一郎
特技監督 : 矢島信男

■キャスト
ビック・モロー(ゼネラル・ガルダ)
真田広之(シロー・ホンゴー)
志穂美悦子(エメラリーダ)
千葉真一(ハンス王子)
成田三樹夫(ロクセイア12世)
この時代の日本映画には何でもありの素晴らしさがあった。人生もそうだが映画もやはりこじんまりとしたものはつまらない。いい時代だった昭和の日本はロマンに溢れていた。そして、今日本に欠けている物は、『遊び心』ということに気付かせてくれるそんなSF大作である。

■あらすじ


西暦2600年、アンドロメダ大星雲にある惑星ジルーシアはガバナス帝国の侵略を受ける。エメラリーダ(志穂美悦子)は、ジルーシアを救う8人の勇士の印である「リアベの実」を持つものたちを探すために宇宙帆船で大宇宙に旅立つ。ガバナス帝国の皇帝ロクセイア12世(成田三樹夫)の追跡を交わし、果たして8人の勇士をエメラリーダは見つけることはできるのか?


■スター・ウォーズのパクリ?


1978年深作欣二監督。ヴィック・モロー、真田広之、千葉真一、成田三樹夫主演の和製『スター・ウォーズ』SFアクション巨編?カルトにもならない程のレベルの低さで他を凌駕する大型勘違いサイエンスフィクション時代劇が本作である。はっきりいって見所は、全くありません。ただし、70年代東映映画マニアまたは角川映画マニアならかなりの見所があるはず。

ちなみに『スター・ウォーズ』の日本公開は1978年6月30日と、本作の約2ヵ月後である。東宝も78年正月に『惑星大戦争』を公開している。本作と『スター・ウォーズ』との類似点について深作監督は
「まったくの偶然だ。だいたい俺のスタッフに『スター・ウォーズ』を観てる奴は一人もいない」と言っている。まったく素晴らしいほど嘘も方便な人である。


■壮大なるパクリ・スコア『宇宙からのメッセージ』



なぜか劇場の予告編特報で、大写しにされる水野晴男。このオヤジ昔っから憎めんオヤジオーラ満開である。それにしても、このオヤジを特報で大写しにする効果・価値は今だ未知数である。

テレサ・テンや小柳ルミ子など歌謡曲の編曲で有名な森岡賢一郎による『宇宙からのメッセージ』のテーマ曲は、エンニオ・モリコーネの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト』とトワ・エ・モアの『ある日突然』の2曲をアレンジして編曲したこと丸出しなのだが、その子供だましなパクリっぷりからこの作品の方向性が伺えるのである。『スター・ウォーズ』人気にあやかって、ただ単にゼニゲバのために子供達・そして大人に広がるSFブームを利用しよう!と。当時最強のゼニゲバ監督に成り下がっていた深作欣二に任せたら、どんな作品でもジ・エンドに導いてくれるということで依頼したのが本作である。ちなみに1978年深作作品が、『柳生一族の陰謀』1月21日公開、『宇宙からのメッセージ』4月29日公開、『赤穂城断絶』が10月28日に公開と1年に3本もの大作が公開されたのである。

しかし、オープニングの壮大なテーマ曲を聴いていると確かにSF大作に見えてきてしまうのだから、深作&東映のハッタリ演出はさすがである。


■ダメダメぶりのリミッターを振り切り、癒しの領域に達す


この作品は、「果てしなき 宇宙の夢のせて」などという予告編で謳われた作品ではなく、ただ単に安易にゼニのために製作したSF映画なのである。だからこそ映画的な評価ではなく、思いっきりめちゃくちゃでしょぼしょぼの世界観を満喫するべきなのである。

これほどダメな作品なのだが、そのあまりにものダメさ加減ゆえに愛される作品なのである。そう『宇宙からのメッセージ』に、我々日本人は今だからこそ癒されるのである。終始苦笑いの連続の映画なのである。

ナレーションは、さすがにいい人を押さえている。芥川隆行(1919−1990 芥川龍之介の遠縁にあたる)である。この人『Gメン’75』『必殺仕事人』『西遊記』『スクールウォーズ』など大ヒット・テレビドラマのナレーションを一手に引き受けていた人である。彼がナレーションさえすれば物語の壮大感は40%増しになるほどの重圧な喉を持つ人である。


■期待の悦っちゃん全くの不発!



しかし、物語が始まり、惑星ジルーシアの長老キド(織本順吉)のメイクアップを見て早くも本格SF大作ではなかったことに気づかされるのである。マジックで目の下を縁取ったり、ドリフのコント・レベルのズラ&つけ髭なのである。

そして、ストーリーも「リアベの実」を持つ8人の勇士を見つけて来いなのである。これって深作欣二が後年監督する『里見八犬伝』そのものやん。キドの孫娘エメラリーダ(志穂美悦子)とそのお供ウロッコが宇宙中を冒険するのである。ウロッコには佐藤充である。ウロッコ・・・ウロッコ・・・この命名って、ベジータ、カカロット、ウーロン並みの鳥山明ネーミングやんっと早くもウロッコに愛着がわいてしまうのであった。

元々このウロッコ役は室田日出男の予定であったが、1978年2月11日朝覚醒剤違反で逮捕されたことにより降板になった。それにしても本作の悦っちゃんはほとんどアクションしない。


■成田三樹夫の陰謀



「成田くん。次の仕事は『柳生一族の陰謀』の麿役に続いて厚化粧でお願いしたい」「分かりました」と言ってしまったのだろう。まさかこんな役柄だとは当人も絶対に、考えてもいなかったはずである。最初から最後までこのメイクなので、成田三樹夫だということすらなかなかわからないのである。役名はずばりガバナス皇帝・ロクセイヤ12世である。そして、同じようなメイクをした母親ダーク大公には、男性の死神博士%V本英世なのだ。はっきりいって老婆そのものである。そして、車椅子の扱いがかなりうまいのである。この天本使用の髑髏つき車椅子はかなりのプレミアの一品である。

ペギー・リー・ブレナンがなかなかカワイイ。しかも日本語上手。そして、さらに登場するのが宇宙暴走族の二人、シロー(真田広之)とアロン・ソーラー(フィリップ・カズノフ)である。アロンも日本語うめぇ〜〜って、これって吹き替えじゃん。ペギー扮するメイアの吹き替えは『ヤッターマン』の愛ちゃんなんかで有名な岡本茉利である。しかも宇宙暴走族を追跡する銀河パトロールに小林稔侍が出演しているのだ。
彼の登場で完璧に宇宙のロマンは、東映実録やくざ映画臭さへと移行していくのである。


■ハリウッドスター・ビック・モロー・アメリカから来日


それにしても野田昌宏がSF考証をしただけある。墜落したマシンを消火するために消火器を使用するところはさすがである。このシーンを見て心躍るSF大作だと思う人はまずいないだろう。ただ単にF1のクラッシュ・シーン程度にしか見えないところがミソである。

ハリウッドスター・ビック・モロー(1929−1982)アメリカから来日である。それにしても、このロボット・ベバ2号。どこからどう見ても人間が中に入ってるの丸出しのこのロボットを前にして芝居をしなければいけないビック・モロー。役者という仕事は、道化芝居のようなこともしなければいけない大変な仕事である。


■よし、ジャックはなかなか踊れる



そして、『スター・ウォーズ』の酒場のシーンを100倍しょぼくした感じの酒場シーン。正直どうひいき目に見ても東映やくざ映画に出てきそうなナイトクラブの仮装ショーにしか見えない。そして、リアベの実をゲットする3人目の人物・ジャック登場。っていうかただの仁義なき戦い常連のチンピラやんという出で立ちの岡部正純登場。もろ大阪弁でジャックなんだからね。元々この役柄・川谷拓三の予定だったが、降板の為岡部人生最大の晴れ舞台がやってきたのだった。そして、シロー、アロン、メイア、ジャックの4人で宇宙ボタルを採りに行くこの衝撃のシーン。宇宙服無しに、酸素マスクだけで私服で宇宙遊泳する4人。しかし、酸素ボンベはつけていない所はご愛嬌・・・・SF考証は名ばかりか???さらに極めつけは宇宙船に乗り込むときのシローとアロンがルームランプを手動でつける所・・・この作品SFだよね?

さらにさらに極めつけは冥王星人カメササの登場である。どこからどう見ても小汚い老婆だが演ずるは三谷昇先生である。この作品とにかく展開が速い。そして、結構カワイイ、ペギーちゃん達がディスコ風なダンスをするシーンが始まる。さすがアメリカン。ペギーちゃんはかなり踊れる〜。一方ジャック=岡部正純は、さりげに盆踊り・・・でも結構コイツも踊れるところが段々小憎たらしくなってきてツボである。


■肝心の特撮は?


惑星ジルーシアのロクセイヤ12世に捕まえられたエメラリーダ。しかしこのシーン。セット丸出しだろ?『里見八犬伝』でもそうだが、日本は大きな敵の拠点の見せ方がいつもわくわくしない箱の中的つくりになってしまう。こういうシーンでは、宇宙空間が見えたり、外の景色が見えたりするようなセット感覚を出さないつくりが常套なのだが・・・007シリーズの美術監督ケン・アダムを少しは見習ってもらいたいものである。

制作費15億円のうち4億円を特撮にかけたらしい。特撮監督は円谷英二の師事もうけた矢島信男(1928− )である。ガバナスによる地球侵略のミニチュア特撮はなかなか見事である。しかし、ガバナスの侵略に対して、対抗する地球防衛軍が3隻の戦艦ではあまりにも少なすぎだろ。というつっこみを入れるまでもなく秒殺されてしまうのである。しかし、秒殺の瞬間に発射した「超原爆ミサイル」とは、理論的に宇宙空間でも有効なのか??というよりもネーミングも少しはひねれよ。そして、地球連邦議長として、アーノルド・ノグチ=丹波哲郎の登場である。丹波哲郎くらいしかビック・モローと幼馴染だと言っても説得力がないだろう。この男の無国籍オーラーはこういった時にただものでないことを示してくれるのである。

リアビの戦士達の反攻のシーンで流れるテーマ曲。ショスターコヴィッチの第5番交響曲第4楽章のしょぼいブラスバンド編曲バージョンでしょぼくしてぱくってる有様がちょっと情けなすぎではないか??そして、ハンス王子(千葉真一)が登場する。


■所々に見られる学芸会的演出


しかし、ナポレオンのような出で立ちのジェネラル・ガルダ(ビック・モロー)がロクサイヤ12世の腹心とレーザー銃で一対一の決闘をする。それにしても、このレーザー銃の効果音そのものインベーダー・ゲームの効果音じゃね〜〜か?かなりちゃっち過ぎます。さらには、宇宙時代にパラシュートなる超現在的な機具を使用するガルダ。颯爽とした音楽の割りにはカッコウワリィ〜。しかしビック・モロー短足だなあ。

ウロッコ演じる佐藤充・・・若い頃は良かったのだが、年をとればとるほど芝居が臭くなった人である。「わぁ〜〜〜〜」と走り去っていくシーンはまさに学芸会レベルなので唖然である。それにしてもこの作品突然敵がやってきて捕まるというパターンが多すぎる。SF以前に脚本ベースに問題があるのは、『スター・ウォーズ』が公開される前に公開しなければいけないという時間に追われたゼニゲバ映画の悲しいところである。


■効果音はスペース・インベーダー


やがて最後のバトルへと流れ込んでいくが、ほとんどの効果音はインベーダーであるところがどうもしょぼすぎる。日本初の音響システム・スペースサウンド4ではあるが、効果音がインベーダーじゃ意味ねえだろ?しかし、ハンス王子強い。『柳生一族の陰謀』の死闘よ再びである。
「おのれロクセイアァァ〜!我が父母を殺し、王位を簒奪したばかりかぁ〜宇宙に殺戮と恐怖をもたらした張本人 その罪万死にあたいするぅ〜〜」って、おめぇ〜は遠山の金さんかよばりの口上を申し立てて、ハンス=千葉とロクセイア=三樹夫は死闘を繰り広げる。が・・・結構あっけなくハンス王子が勝利するのである。

なにげにすごい『スターウォーズ』のぱくり。要塞破壊のため戦闘機で要塞内に突入するシーン。そして、最後の特攻シーンとかなりのミニチュア特撮能力である。しかし、結局はエメラリーダと一緒にガルダも、ハンス王子も、メイア、シロー、アロン、ジャックも新しい惑星を目指して地球に戻るのではなく宇宙航海へと乗り出していくのである。


■せめて夢だけは無限でありたい・・・



最後のガルダのセリフが渋い。
「宇宙は広いのだよベバ。我々はちっぽけな存在に過ぎないが、せめて夢だけは無限でありたい」素晴らしいこのセリフ・・・そう夢だけは無限でありたい。激しくも同意した瞬間である。

この作品海外ではヒットしたらしい、ただし日本ではこけたらしいのである。まるっきし『スターウォーズ』のぱくり作品ではあるが、
ラスト、シローとアロンが敵の要塞内の防御壁を破壊しながら内部に侵入するシーンは、実際に撮影現場に見学に来ていたILMスタッフによって、1983年に公開された『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』のクライマックス、デス・スター内部でミレニアム・ファルコンが飛び回るシーンにスケール・アップしてぱくられているのである。まさにぱくりの因果応報である。ちなみに本作は1978年度アカデミー特殊効果賞にノミネートされた。特撮はわずか2ヶ月で撮影したらしい。

肝心のアメリカでは、『スター・ウォーズ』の20世紀FOXのライバル会社ユナイテッド・アーティストが配給権を100万ドルで買い取った。
「きっと切符売り場は行列が出来るはずだぜ!何たってジャップどもの『スター・ウォーズ』だからね!これでかっさらおうぜ!」しかし、アメリカでは全くヒットしなかった。


■サントラ総括


『宇宙からのメッセージ』サントラ。音楽は、エンニオ・モリコーネとトワ・エ・モアとショスターコヴィッチのぱくり以外の何者でもないのだが、結構耳に残る曲である。特にサントラは、エンニオそのもののコーラス的な手法までぱくっているので、かなりの哀愁あるサウンドになっている。しかし、「リアベの勇士」はショスターコヴィッチのもろぱくりなので収録はまずくないか?

ちなみに1978年7月8日〜1979年1月9日まで全27話の続編が『宇宙からのメッセージ・銀河大戦』の名前で放映された。


− 2007年2月4日 −


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