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惑星大戦争   THE WAR IN SPACE(1977・東宝映画/東宝映像)
■ジャンル: 特撮
■収録時間: 91分

■スタッフ
監督 : 福田純
製作 : 田中友幸 / 田中文雄
原案 : 神宮寺八郎(田中友幸
脚本 : 中西隆三 / 永原秀一
撮影 : 逢沢譲
音楽 : 津島利章

■キャスト
森田健作(三好孝次)
浅野ゆう子(滝川ジュン)
沖雅也(室井礼介)
池部良(滝川正人)
宮内洋(冬木和夫)
世界一「やる気のない」映画。おそらく東宝の近所の小学生50人くらいに原案書かせて組み合わせた方がよっぽど面白いものが出来上がってたはず。史上最低の特撮映画の名に相応しい寸分の隙もなく駄目な作品はなぜ生まれたのか?それは誰もこの作品に情熱なぞ感じてなかったからだ。最近のやる気のない邦画の先駆け的作品。

■あらすじ


1988年地球に突然侵略してきたヨミ星人に対し、宇宙戦艦“轟天”で金星にあるヨミ星人の本拠地に侵攻する。ヨミ星人の宇宙戦艦“大魔艦”・・・っていうかストーリーなぞあってないような邦画史上最低の特撮映画。やる気ない学芸会作品。


■『隠し砦の三悪人』(東宝)をモチーフにした『スター・ウォーズ』



『スター・ウォーズ』(1977)が全米で公開され一大SFブームが到来した時、一年後の1978年6月30日に日本公開される前にこれに便乗せよ!と製作されたのがこの『惑星大戦争』である。日本特撮史上間違いなく最低レベルの「やる気のねえ」SFだった。

1977年にこれ作るか?というほど特撮云々の前にその世界観は、「やる気のない」陳腐な破綻振りに覆われている。この作品の誕生はまさしく東宝SFが地に落ちた瞬間であり、同じく便乗作品である東映の『宇宙からのメッセージ』よりも遥かに遥かに劣っていた。

元々『スター・ウォーズ』自体が黒澤明の『隠し砦の三悪人』(1958)にインスピレーションを受けたジョージ・ルーカスが作り出したファンタジーだった。ちなみにこの作品は東宝によって作られた作品である。そして、
1977年東宝はもはや世界に影響を与える作品を作り出す会社ではなく、世界中で影響を与えている作品に便乗して日本という小さなマーケットで詐欺同然の商売を行う会社に成り下がっていたのである


■やはり浅野ゆう子のこの姿が見たかった



間違いなくこの姿で浅野ゆう子(1960− )には悪の宇宙人を演じさせるべきだった。子供のロマンなぞ2ヶ月で描けるわけない。むしろ大人のSFロマンを『バーバレラ』的に撮るべきだった。
折角ジェーン・フォンダ匹敵ボディを持つユウコ・アサノなんだからこれを生かさずして、この作品何を生かすのかと問いたい?

それにしても彼女が人質になる時のあの中途半端な趣味の悪いレオタードのようなパンツ・ルックなんとかならなかったのか?しかも素足って貧乏臭さはなはだしい。せめてブーツ履かせるべきだよな?上の写真集の姿で出てくれていたなら、間違いなく本作は傑作になったはず。


■マジやる気ねぇ〜池部良


キャスティングしたヤツかなり才能ないよな。
大体わずか2ヶ月の製作期間で、よりによって森田健作、沖雅也、宮内洋、池部良という守銭奴魂だけ進化している大根役者を揃えるかよ。しかも陰鬱さで言えば邦画界No.1の池部良と後に自殺する沖雅也という、ファンタジーの逆の世界を突っ走るこんなキャスティングで明るい映画なんて作れるかよ。福田純はまず最初にそう思ったはず。(逆に思わなかったらかなりヤバイ・・・)

このキャストじゃ浅野ゆう子が輝けるわけねえ。主に池部良の相変わらずの「やる気のねえ」手抜き芝居が、他の役者?に伝染し、浅野ゆう子にも超ヤバイ状態で感染している。ほとんど同じ年齢にしてレイア姫と彼女の差は何なんだ?それって誰にでも分かるよな?浅野ゆう子の資質以上に環境によるものが大きい。


■2ヶ月の突貫工事SF珍大作


「完成までの予定は?」「六日かかります」「三日だ。三日で完成させろ!」「ハイ」


全てはこのやる気のない池部と、同じくやる気のない森田健作の受け答えに凝縮されている。そんなあっさりハイと言えんなら元々六日かかんね〜だろ!と皆が突っ込みたくなるくさい芝居。
そうこの映画、出演しているやる気のないどいつらよりもまず間違いなく観ている側が、やがて同じようにやる気がなくなってくる作品(ガラクタ)なのである。

1977年に田中友幸が書き上げた原案(というか恐らく雑談)を元に、10月より製作開始された。製作費5億円をかけて数週間で撮影終了したといわれている本作は、1977年12月17日より、よりによって山口百恵主演の『霧の旗』と同時公開された。

田中友幸は当時「スター・ウォーズから学ぶべきものは何もなかった」と豪語していたが、恐らく
「スター・ウォーズから即席でぱくれそうな部分は何もなかった」の間違いだろう。この作品は明確にSF=特撮の面汚しであり、特撮映画を愛する人々からすれば憤懣やる形無しの作品である。


■テーマ曲がまた最高にダサイ


しかし、この作品ほどどこからどこまでも「やる気のない」作品も珍しい。音楽においてもその「やる気のなさ」が顕著に示されている。『仁義なき戦い』の津島利章によるこのやる気のないテーマ曲は一体なんなんだ?ショスターコヴィッチの部分的なぱくりと中途半端なロックの融合・・・

っていうか融合じゃなくてもろ不協和音。しかもダサイことこの上ない音楽性。『宇宙からのメッセージ』のテーマ曲がパクリでありながら壮大な音楽性を主張していたのに対し、
この作品の音楽は、ただただゆるいテンポの「やる気のなさ」に満ち満ちていただけだった。

これって東宝の近所の高校生のブラスバンド部に適当な曲をアレンジさせ演奏させた方が、まだいいテーマ曲になったんじゃねえか?


■史上最強にやる気のない宇宙からの侵略者



それにしても銀河帝国司令官ヘルダーのこのやる気のない造形はなんとかならんか?なんで『宇宙からのメッセージ』といい宇宙からの悪の首領は、顔を塗りたくりたがるんだ?ただただ安っぽくしか見えない。
日本人って本当にファンタジー作るの下手だよな?石森章太郎を見てると良く分かる。

しかも実質的な部下は黒いチューバッカもどきの気ぐるみ一着だけのやる気のなさ。しかもこいつがやたらに弱い。さらにザコキャラは、布をかぶっただけの配下(しかも死ぬ時にJAC根性丸出しに無意味にトンボを切る)。これじゃ仮面ライダーやキカイダーで目の肥えてる子供たちはそっぽを向いて当然だろう。

そもそも浅野を救うために森田健作たちが“大魔艦”に侵入するシーンからしてやる気がないのである。見張りゼロの中侵入するドリフのコントばりのグダグダ感の中、やがて3人の仲間もあっさりと殺され、森田のみひっ捕まえられるのである。

浅野と森田は、牢に閉じ込められるのだが、
なんとその牢の中に開閉用のパネルがあるのである。そして、やる気のない二人が適当にパネルをいじくってるとなんと牢が開くのである。それにしても牢の中に開閉用の装置をしつらえるとは、このヨミ星人って本当に宇宙侵略者なのか?


■最初から金星爆破しとけば・・・?


しかも、最後はやる気のない池部良が、やる気のない宇宙船の先端のドリル部分の核弾頭を使用して、何の工夫もない泣きの芝居を見せつけながら、やる気なく特攻=カミカゼして物語りは終了するのである。
さすが田中友幸(1910− )。戦後30年経とうともその時代錯誤なカミカゼ・メンタリティは変わらない。

かたやアラン・ラッドJRが『スター・ウォーズ』をバックアップしている中、新陳代謝の悪い東宝においては、こんな夢もへったくれもないオヤジがこんなやる気のない原案で物語すすめるんだからなあ。
しかし、宇宙的レベルから見ると、金星を破壊したこのやる気のない地球人たちの方がよっぽどの悪党だろうな。

この物語は、作中は一切惑星間の戦争は行われていないのだが、金星破壊という宇宙に対する脅威の軍事活動を行った星=地球という悪の星に対する宇宙防衛軍の惑星間の戦いが、後に繰り広げられるのかもしれない。だからこそ、エンディングにド〜ンと「惑星大戦争」と出てくるのだろう!


■しょぼくてやる気のない特撮


「轟天使ったらSFじゃないでしょ?」
(中野談)

肝心の特撮部分もやる気ねえよな。時間がないからっていうんじゃなくて、最低限の創意工夫くらいしなよ?特撮監督の中野昭慶は、『スター・ウォーズ』を事前に見ていたというが、絶対にやる気なしでやっつけ仕事って感じだよな。

特に前半部分は、『世界大戦争』の流用フィルム仕様。さらに、宇宙人が侵略してきて全く反撃しないところがすごい。アメリカなぞは反撃ゼロでジミー以外全滅してしまうのである(やる気ねぇ〜設定)。しかも、宇宙に出てからは『惑星大戦争』と謳ってはいるが、実際はちびっこいやる気のない敵の宇宙円盤と二隻のしょぼい戦艦がゆるい戦いを繰り広げるだけなのである。

これって『ドラえもん・のび太の宇宙小戦争』よりもしょぼいだろ?


■言葉だけなら、無限の可能性を秘めていた作品


SFの最大の特徴はSense of wonderにある。驚きの感覚≠観る者にもたらすことにある

浅野ゆう子は、日本で最もSF映画に適した女優ベストワンに挙げられる

SF映画は、日本映画が世界に評価される第一の映画分野であり・・・

要求されるのは、作る側のイマジネーションと、世界にも通用し得る単純明解なストーリーということになる

この映画の狙いは「科学」と「ファンタジー」の融合にあった。

敵艦「大魔艦」はその大仰な名様が示すごとく、ファンタジーの世界から抜け出てきた・・・

この二隻の巨大軍艦が、はるか異郷の星(金星)の地表で上空で、ちょうちょうはっしと渡り合う、なんと魅惑的な図柄ではないか

「海賊映画」の楽しさを狙っている

テーマ以前に浸りたいと願う「世界観」を作ることが・・・

この映画が皆さんに楽しんでいただけるとすれば、日本SF映画の未来は、まことに明るいといえるだろう


上記の引用部分は全て公開当時の本作のパンフレットに記されている田中文雄の文章である。もはやコメントの必要はないだろう。

− 2007年7月16日 −


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