HOME
■サイト内検索

■洋画
 □カタカナ順
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 □クラシック
 □ドラマ
 □コメディ
 □サスペンス
 □アクション
 □ポリス
 □スパイ
 □犯罪
 □カー
 □ミュージカル
 □史劇
 □文芸
 □戦争
 □西部劇
 □アドベンチャー
 □パニック
 □ギャング、マフィア
 □SF
 □ホラー
 □スポーツ
 □香港
 □ドキュメント
 □アニメ
 □エロス
 □B級
 □アカデミー賞
 □カンヌ映画祭
 □ヴェネチア映画祭



■邦画
 □ひらがな順
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 □名作
 □ドラマ
 □喜劇
 □サスペンス
 □アクション
 □刑事
 □時代劇
 □戦争
 □文学
 □パニック
 □東映ヤクザ
 □ギャング、ヤクザ
 □特撮
 □怪奇
 □ドキュメント
 □アニメ
 □エロス
 □B級
 □海外映画祭受賞
ウォリアーズ   THE WARRIORS(1979・アメリカ)
■ジャンル: アクション
■収録時間: 93分

■スタッフ
監督 : ウォルター・ヒル
製作 : ローレンス・ゴードン
原作 : ソル・ユーリック
脚本 : ソル・ユーリック / デヴィッド・シェイバー / ウォルター・ヒル
撮影 : アンドリュー・ラズロ
音楽 : バリー・デ・ヴォーゾン

■キャスト
マイケル・ベック(スワン)
ジェームズ・レマー(エイジャックス)
デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ(マーシー)
デヴィッド・パトリック・ケリー(ルーサー)
デヴィッド・ハリス(コチーズ)
この映画の前では黒澤明も、フェリーニもゴダールも束になってもかなわないだろう!もしかして『ウォリアーズ』って世界最高の映画かも・・・なわけねえだろ。それはともかくとして、最高にクールすぎるよこの空気は。これぞスタイリッシュ・ムービーと言うんじゃないか?俺が女なら間違いなく、エセヤンキーの集まりジャニーズよりもウォリアーズに惚れるね。

■あらすじ


ニューヨーク最大のストリート・ギャング団「グラマラス・リフス」の呼びかけに45キロ離れたコニー・アイランドより駆けつけた「ウォリアーズ」を代表する9人は、ブロンクスの公園に集まる約1000人の決起集会に参加する。しかし、集会の最中に「リフス」のボス・サイラスが射殺されてしまう。しかも射殺したのは「ウォリアーズ」と濡れ衣をきせられ、彼らは45キロ離れたコニーアイランドを目指して逃げる羽目になる。


■最も危険なロードムービー



1979年、ウォルター・ヒルはとんでもない作品を発表した。その名も『ウォリアーズ』=戦士たち。ニューヨークのスラム街のストリート・ギャング達がただひたすら逃げるその姿に、アメリカ中の若者はドラッグ片手に熱狂した。サンフランシスコ、ニューヨークで、本作上映中の映画館において、10代のストリート・ギャングによる殺人事件まで起こった。しかも、実際にサウスブロンクスで抗争事件まで起こってしまったので、全米中で宣伝の自粛や、州によっては公開中止という大混乱を巻き起こしたのである。

そんな大混乱がさらにアメリカでの熱狂的な信者を増やしたわけだが、一方、
日本においては田代まさしを筆頭とする一部マニアのみに支持される形にとどまり、興行的には惨敗した。

落書きされた地下鉄、ゴミが散らかっているストリート、上半身裸に茶色の革のベストを着た男たち、全員無名スターこういった要素に当時の日本の男も女もときめかなかったのだろう。少なくとも田代まさし以外は。やがて21世紀を越えた今、本作は日本においてもカルト的人気を誇っている。


■若者よ熱くなれ!



とにかくオープニングから絶妙に格好いい。チームごとにユニフォームのように統一された服装でストリート・ギャング達が登場するのである。
決してあおりの音楽も威圧も決めのポーズも無く淡々とその姿が映し出されるのが、逆にまた格好いい。

ここかなりポイント。最近はMTVの影響で格好つけすぎのストリート・ギャング(以下SG)映画が多すぎ、今まで格好つけまくりのSG映画で格好良かったのは、『シティ・オブ・ゴッド』(2002)だけだろう。

そして、ブロンクスの大集会シーンが始まる。ちなみにこの大集会のシーンは、1000人の実際のストリート・ギャングのエキストラを動員して撮影したのだが、どいつもこいつも目立とうと自己主張するので、ウォルター・ヒルも呆れるほどだったという。


■スラム街の魅力が画面を通しても伝わる!


ポイントは、ウォリアーズがひたすら徒歩と電車だけで逃げる事だ。決して追跡者の車・バイクを奪ったりはしない所が本作の魅力となっている。上半身裸にベストな男たちが汗だくになりながらひたすら夜中のスラム街を闊歩する。

それにしてもスラム街というのはいつの時代も大して変わらないのだなと本作を見ていると実感する。2000年頃に私が住んでいた
シドニーのスラム街(レッドファーン、チッペンデール、サリーヒルズのクリーヴランド・ストリート)もこの映画の雰囲気そのものであった。

シドニーのスラム街は日本人が絶対近寄らない場所であり、近寄る必要性もない場所(私が近寄ったのは仕事柄)で、一種独特の雰囲気がある。そういったスラム街の危険な魅力を本作は私に思い出させてくれる。さすがウォルター・ヒルがスラム街でオールロケしただけはある。実際撮影中にボディガードとしてあるストリート・ギャングを一日あたり500ドルで安全のため雇ってまでオールロケにこだわったという。


■われらがウォリアーズ


本作の主役は何と言ってもスワンだろう。もちろんマーシーの蓮っ葉なすれた女の魅力も堪らないし、ベースボール・フューリーズも堪らないが、やはりクリント・イーストウッド並みにクールなこの男の魅力には敵わない。演じるはのちに『ザナドゥ』(1980)『メガフォース』(1982)と大失敗作に主演することになるマイケル・ベック(1949− )である。

とにかく本作のマイケルは格好良すぎ。ただし10代のストリート・ギャングには見えない事請合い。しかし、そんなこと関係無しの魅力全開ぶりである。マイケルが一番輝いた瞬間である。彼はのちにこう言っている
「『ウォリアーズ』がたくさんのドアを開けてくれた。そして、『ザナドゥ』によってそれらはすぐに閉められた」


そして、もう一人印象的なメンバー・エイジャックスを演じるはジェームズ・レマー(1953− )である。後に『48時間』(1982)や『ブレイド3』(2004)で今も健在な役者だが、本作においては、悪党的役割を一手に引き受けている。デビューしたてにして貫禄十分なマーセデス・ルール(1948− )演じるセントラルパークのベンチに一人座っている美女(どう見ても怪しいだろ?美人のオカマかと思ったが、実は婦人警官)に襲いかかり逮捕されてしまう情けなさなぞかなりグッドである。


そして、愛しの「アヒルちゃん」マーシーを演じるは、デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ(1952− )である。
このスリットのはいった部分からちらり見える太ももといい、すれた女っぷりといい日本で演じるなら間違いなく芹明香だな(これ最大級の褒め言葉)。

ちなみに当初「カウボーイ」役はロバート・デ・ニーロにオファーされていたという。


■ベースボール・フューリーズ



とにかくどいつもこいつもウォリアーズを追跡するストリート・ギャング団の面々が個性的である。ベースボール狂のウォルター・ヒルがキッスのメイクとミックスさせて作り上げたストリート・ギャング団がベースボール・フォーリーズである。とにかく本作で一番目立ってるやつらだ。

またニューヨーク最大の勢力を誇る「グラマラス・リフス」も格好いい。全員赤の胴着を着た黒人で、しかもボスのみはラメ入りの黒の胴着にレイバン風グランサンできめている。

ちなみに本作は、アクションが全体的にカンフー映画っぽくて、その70年代テイストがまた宜しい。カンフーテイストあふれる男性用トイレでの『パンクス』との喧嘩シーンのために5日間費やされたという。ちなみにスワンが警官の足下にバットを放り投げるシーンで、間違ってデボラの顔面に直撃し、病院に担ぎ込まれたという。そして、その傷痕は今も残っているという。



■原作のウォリアーズはもっとイケテル!


これだけクールな本作なのだが、原作は、1965年の実際にストリート・キッズを取材して書き上げた小説なのだが、こちらの方がある意味もっといけている。ある意味リアルすぎるほど登場人物は見せ場のないダサさなのである(ママに宿題しなさい!とのび太並みに叱られたり)。

映画の中では、終盤電車の中でスワンとマーシーの前に座った盛装した2組のカップルを、2人は戦いで汚れきった風体で冷ややかに見つめて威圧するのだが、原作ではフットボール選手のような逞しい男と美女の2組のカップルが逆に小汚いウォリアーズの面々にメンチを切るのである。

そのメンチに対して、われらがウォリアーズの面々はすっかりびびり、なんと寝たフリをするのである。しかもスワンにいたっては夜の公園で一人で彷徨い歩くアル中おばさんをレイプしようとして物語の途中で逮捕される始末である。

本作を見た後だと、作品としての出来は良くないが、ある意味ソル・ユーリックの原作も読んでみると面白いのである。


■ウォルター・ヒルよ熱くなれ!(もう無理っぽいが)



本作はわずか3万6000ドルの予算で、オールロケーションで1978年に60日間で撮影された(男性トイレでの喧嘩シーンだけセット撮影した)。当初ウォルター・ヒルはウォリアーズのメンバーをオール黒人キャストにしようと提案したが、製作者が「白人と混合のグループ構成にした方がいい」とアドバイスしたという。

ウォルター・ヒルは1990年以降は撮る作品全てが駄作であり、今や枯れ果てた感じなのだが、この頃の画面から溢れる空気は異様なほど魅力溢れていた。しかし、ある意味この感覚で映画を撮り続けているから行き詰まってしまったのだと納得できるくらいの一本気な演出とも言える。

ヒルのこの一本気な演出も無名の役者や現場の雰囲気とマッチすれば魅力的なのだが、現在のハリウッドシステムに乗っ取ってのスターを使って、おざなりの脚本ででは、その一本気な演出はただのありきたりなB級映画にしかならないのだろう。

しかし、この映画の良さたぶん女性には分かりにくいだろうなぁ。

− 2007年6月23日 −


Copyright (C) 2007 Geijyutsu Taizen. All Rights Reserved.
Mail:webmaster@summaars.net