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007は二度死ぬ   YOU ONLY LIVE TWICE(1967・イギリス)
■ジャンル: アクション
■収録時間: 117分

■スタッフ
監督 : ルイス・ギルバート
製作 : ハリー・サルツマン / アルバート・R・ブロッコリ
原作 : イアン・フレミング
脚本 : ロアルド・ダール
撮影 : フレディ・ヤング
音楽 : ジョン・バリー

■キャスト
ショーン・コネリー(ジェームズ・ボンド)
若林映子(アキ)
浜美枝(キッシー鈴木)
丹波哲郎(タイガー田中)
ドナルド・プレザンス(ブロフェルド)
007は二度死ぬ
日本を舞台にした007!それだけで全ての日本人にとって見る価値あり!1960年代の日本の魅力をいろんな角度から堪能させてくれる作品。そして、若林映子と浜美枝の現在にも通用する美貌とスタイルの良さが満喫できる傑作。

■あらすじ


日本を最後にレーダーから消えた謎の宇宙船の正体を突き止めるために、香港で殺される芝居をしたジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、極秘裏に日本に上陸する。そして、日本の秘密諜報部のタイガー田中(丹波哲郎)やアキ(若林映子)と協力しながら、ついに敵の正体が秘密結社スペクターであることを突き止める。スペクターの火口湖にカモフラージュされた秘密基地に潜入するボンドの運命はいかに?


■007最高傑作!

浜美枝 浜美枝 浜美枝
007シリーズの中で掛け値なしの最高傑作であり、本作に出演した丹波哲郎、若林映子、浜美枝はある意味日本人らしさ溢れる日本人として輝いている。何よりも本作の素晴らしいところはありのままの日本の姿と世界的な日本のイメージを見事にミックスさせている点にあるだろう。
現在の日本人が見ると滑稽さよりもむしろ不思議な魅力に彩られた日本の姿が垣間見えるはずである。

そして、その日本の姿を克明に撮影したカメラマンが『アラビアのロレンス』(1962)『ドクトル・ジバゴ』(1965)『ライアンの娘』(1970)で3回アカデミー撮影賞を受賞している当時最高峰のカメラマン・フレディ・ヤングであることを見逃してはいけない。この作品の日本の姿が今見ても新鮮で美しい理由は、彼の存在による部分が大きいと言える。

浜美枝 浜美枝
ところで、私は非常に変わっているのだが1980年代後半の思春期時代に本作にすごくはまり込んだ。そして、
浜美枝が私のアイドルだった。もっとも本作で浜美枝を知り、その後に見た『日本一』シリーズの影響なのだが、こんなにスタイルのいい美女はそうざらにいないと感じた。さらにはどうやら英語が流暢に話せるのでボンドガールに選ばれたらしいという間違った情報でほれ込んだのだが、昔は情報が曖昧だった分それはそれで楽しい時代だった。今でも浜美枝のマイペースな雰囲気がとても好きだ。


■丹波哲郎と若林映子

007は二度死ぬ 若林映子 若林映子
丹波哲郎の格好良さは格別である。私的にはこれが大映の全面協力であったならば田宮二郎が出てきたはずだと残念には思っているのだが。とにかく丹波哲郎が相変わらずマイペースに貫禄ある芝居をしているところが素晴らしい。

そして、日本ではあまり認識されていないが、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のエヴァ・グリーンのポジションに位置するのが若林映子(1939− 、身長163p)である。カテリーナ・ムリーノの位置が浜美枝に相当する。つまり、若林映子の魅力を語らずして本作の魅力は語れないということである。

彼女は、とにかく現代的というか普遍的なアジアン美人であり、どっちかというと大陸の香りがする目鼻立ちのはっきりしたルックスに聡明そうな口調が素晴らしく良い。そして、その顔の小ささと造形からオードリー・ヘプバーン的雰囲気が漂っている人だった。ちなみに若林は本作で引退することを決めていたという。


■007が宇宙に近づく第一歩


冒頭の宇宙船による宇宙ロケット・ジュピター16号の拿捕シーンのユニークさ。まさに1967年と言えば宇宙に人類が最も興味を持ち始めた時代でもあったのである。本作が007シリーズで初めて宇宙と密接に関連するストーリーラインが作られた作品であった。

やがてこの作品の12年後にジェームズ・ボンドは宇宙に行くことになるのである。多くのファンは反対するだろうが、ある意味もう一度くらい宇宙に行ったボンドを見てみたいものだ。


■007は一度死ぬ


「中国の女性は味が違う」


ジェームズ・ボンドの第一声である。「いいと言う事?」と質問され「ノー。ただ違うだけだ。北京ダックとキャビアが違うように」と答えるボンド。おいおいそれって安くて美味しいってことかよと突っ込みたくなるような馬鹿なことを言っているうちにベッドが回転し、ボンドは閉じ込められ撃ち殺されるのである。まさにボンドは二度死ぬに相応しい幕開けである。

この中国美女リン(?)を演じるはツァイ・チン(1936− )である。後に『ジョイ・ラック・クラブ』(1993)で演技力を絶賛された今も現役の女優であり、父親の周信芳(1895−1975)は上海京劇の伝説的トップスターだった。しかし、この撮影当時父親は文化大革命により紅衛兵に迫害されている最中であった。のちに1975年迫害死したという。


■ナンシー・シナトラ


ナンシー・シナトラ ナンシー・シナトラ
ナンシー・シナトラによるテーマ曲とモーリス・ビンダーによる溶岩と日本女性のシルエットを巧みに組み合わせたタイトル・デザインの融合が実に素晴らしい。露骨にオリエンタルなマーティン・デニー風でないところが格別良く、今だかつてこういう不思議な音調の曲は聴いたことがないほどである。

ナンシー・シナトラは20時間以上かけてレコーディングをし、相当苦戦したという。
しかし、アメリカの大富豪の娘に日本人女性の甲斐甲斐しさ、健気さを表現させる情緒あふれる歌を歌わせたジョン・バリーはすごいとしかいいようがない。全体的にジョン・バリーの音楽は冴えに冴えていた。

マニーペニー
そして、マニーペニーが登場する。今回は海軍の制服で登場してくれる。帽子を帽子掛けに投げるボンド。やはりこういうお約束のシークエンスを見るとボンド・ムービーを見ている気になりうれしくなる。007には絶対マニーペニーの存在は欠かせない。特にロイス・マックスウェル(1927− )のマニーペニーの大いなる母性愛が堪らない。


■若林映子と浜美枝の役柄の交換


「日本語はケンブリッジで習った」

遂にボンドが日本上陸する。アサヒビール、テレビはナショナル、清酒白雪などのネオンが映し出され、街並みを歩くボンドの目に人力車が飛び込む。そして、当時の第50代横綱である佐田の山(1938− )がボンドへの連絡係として出演している。これは当時としてはすごいことで、まさに1970年代に巨人の長島が連絡係として出演しているようなものである。

そして、8000人のエキストラを動員したボンドが蔵前国技館で大相撲を鑑賞するシーンへ。ここで日本の諜報部員アキ(若林映子)が登場する。ちなみに当初は浜美枝がこの役をやる予定だったが、英語の上達が芳しくなかったので
役柄を浜と若林で交換することになったという。それに伴い当初はスキという役名だったが若林の提案でアキに変更された。そのことによって当初メインのボンドガールはキッシーだったがキッシーの出演シーンと会話シーンを少なくし、原作ではほんの脇役だったスキ=アキの出番をメインに相応しいように増やしたという。


■トヨタ2000GT


トヨタ2000GT トヨタ2000GT
実際はボンド・カーではなくアキ・カーとしてトヨタ2000GTが登場する。1967年から1970年にかけて337台だけ生産された伝説のスポーツカーである。実際のところ若林映子は車を運転できなかったので、停車状態で、スクリーンを背景に走っている映像を流して走行シーンの演出したり、遠景であれば男性が女装して車を運転していた。

007のためのコンバーティブルとして特別仕様で2週間で改造された(理由は見栄えではなくルーフが、長身のショーン・コネリーの邪魔になるからだった)。それにしてもこの車すさまじく格好良い。東京の狭い路地を駆け抜けるカーチェイスも車が格好いいので、なんでもないシーンが迫力あるものに変わった。
やはりカーチェイスの100%のうちの60%位はどの車を使用してるかで魅力的なシーンか否かに分かれるんだなと実感する。

しかし、ヘリコプターから吊り下げられた巨大磁石で敵の車が引き寄せられ東京湾にぼとんのシーンはなんという発想だと笑えた。さすがプロデューサーの奥さんが考えた発想だけある。ちなみに本作が唯一ボンドが車を運転するシーンのない作品である。


■タイガー田中の母の忠告


丹波哲郎 007は二度死ぬ
ヘンダーソン役で登場するチャールズ・グレイは『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)で秘密結社スペクターの首領ブロフェルドを演じることになる。オーサトの本拠地は1964年に創業されたばかりのホテルニューオータニで撮影された。ちなみにそこでボンドが戦うがたいのいい運転手は、ピーター・メイビア(1937−1982)といい。彼こそはプロレスラーであり、『スコーピオン・キング』などで有名な元WWEのスーパースター・ザ・ロックのお爺さんである。

タイガー田中役で丹波哲郎(1922−2006)が登場するが、彼の印象は東宝でも東映でも全く変わらないマイペースな芝居をする印象があるのだが、007においてもマイペースな芝居をする所はその度胸並ではないなと感じる。ちなみに丹波哲郎は『第七の暁』(1964)でルイス・ギルバートの作品に既に一回出演している。最も英語は日常会話程度は話せるのだが、やはりイントネーションに問題があるので、日本語で話すシーンをのぞいて全てロバート・リエッティによって吹き替えされている。

「私の母がよく言っていた。知らない女の車に乗るなと」

このタイガー田中のセリフが最高に面白い。普通「知らないおじさんの車に乗っちゃダメよ」だろうが、タイガーの母に至っては「知らない女」なのである。


■まさにボンド映画!


タイガー田中のボンドへのおもてなしはホスピタリティーを超えたホスピタリティーであった。そして、タイガーがボンドに日本での生活のルールを言うのだが、恐らく現在においては100人中100人の女性が同意しかねるルールだろう。

ルールその1 まかせる者のある時は何もすべからず
ルールその2 日本では常に男が最初女はあとだ

「よしマッサージはどの女に」とタイガーが言うと。目を輝かして女を品定めするボンド。そして、女がマッサージしてる後ろからアキが登場する。アキが女と入れ替わる形でボンドをマッサージし、それに気づいたボンドと何故か唐突に愛し合う二人。う〜ん、この一連のシーンは、知的な女性とは見れないな。しかし、
昔のボンド映画は女性はボンドとは寝たがる存在でしかないのである。



■もう1人のボンドガール


カリン・ドール カリン・ドール カリン・ドール
もう1人のボンドガール・カリン・ドール(1938− )が本編の半ばにスペクターのナンバー・イレブンとして登場する。アルフレッド・ヒッチコックの『トパーズ』(1969)にも出演しているドイツ出身の女優で、かなり綺麗な女性だがボンドガールとしては正直印象が薄い。殺され方はピラニアの池にブロフェルドに落とされてなのだが・・・

それにしてもタイガーが言う
「マツという島が神戸と上海の間にある」という絶妙の位置感覚は見事である。この辺りからロアルド・ダールの脚本は効いてくるのである彼こそは『チャーリーとチョコレート工場』の原作者であり『チキ・チキ・バン・バン』(1968)の脚本を書いた人なのである。


■リトル・ネリー


007は二度死ぬ
リトル・ネリーがQと共に登場する。小型のジャイロコプターなのだが、分解すれば4つのスーツケースに収まり持ち運び可能という優れものである。リトル・ネリーが鹿児島の普通の公道を滑走路に飛んでいくシーンが実に躍動感に溢れ素晴らしい。そして、そのバックに流れる音楽も圧巻である。ちなみに、そのヘリを見上げる海女の3人のうちの1人は松岡きっこである。

やがて滑走中のリトル・ネリーに5機の追跡ヘリが襲い掛かる。そして、ジェームズ・ボンドのテーマ曲が流れる。それにしても5機のヘリとの追跡バトルは今見ても刺激的で、リトル・ネリーに搭載されている秘密兵器の数々を駆使して敵のヘリを撃墜していく様は迫力満点である。

ちなみにこのシーンの撮影中にヘリコプターのプロペラで空中撮影を得意とするカメラマン・ジョン・ジョーダン(1925-1969)が片足を切断してしまう。後にメキシコ湾で『キャッチ22』(1970)の撮影中にヘリから転落死する。ヘリの戦闘シーンはスペインで行われた。


■姫路城とコネリーの悲劇


世界遺産・姫路城に日本の忍者部隊の訓練所があるという設定はなかなか良いが、城壁に畳を立て掛け、そこに手裏剣を投げ込むシーンの撮影で、外れた手裏剣が城壁に直撃したりして傷をつけたため、文化庁は以後姫路城での映画撮影を禁止した。

そして、それ以上に悲惨だったのが、ショーン・コネリーで彼にとって日本での撮影は心地よくないものだった。終始プライバシーのない状態でファンとマスコミに囲まれ、トイレに入ってる写真まで取られ激怒したコネリーはボディーガードを30人雇うことになる。しかし、そのボディガード達までもコネリーを見ると写真を撮り始めたという。

しかも撮影当時コネリーは東京ヒルトンに滞在していたのだが、それまでまだカツラの使用は極秘裏にされていたが、ヒルトンの理髪店で散髪しているところを目撃され、カツラを使用していることを記事として公表された。そういったいろいろな騒動もあり、コネリーは本作でボンド役を降りる決意を固めたという。


■キッシー鈴木登場


007は二度死ぬ 007は二度死ぬ
ボンドは漁村の島民に化けるために日本人に変装するのだが、どこからどう見ても日本人に見えないところが本作のハイライトである。そして、若林映子と入れ替わる形で、花嫁姿の浜美枝(1943− )が登場する。とにかく本作の浜美枝は華麗で可愛らしいのだが、ちょっと白ビキニに長髪姿の長髪がカツラっぽい。

ちなみに浜美枝は泳げないので、泳いでるシーンはショーン・コネリーのその当時の妻だったダイアン・シレント(1933− )が黒のかつらをつけ泳いだという。

それにしても浜美枝は日本映画では164p+10pくらいあるヒールを履くので共演俳優よりも背が高くなったり、同じくらいなのが常なのだが、コネリーのような大きな男と一緒に歩くと結構可愛い女の人だったんだなあと気づかされる。


■アンスト・スタブロー・ブロフェルド


ドナルド・プレザンス ドナルド・プレザンス ドナルド・プレザンス
ついに火口湖に存在するスペクターの秘密基地に突入するボンドとタイガー田中率いる忍者部隊。とにかく100万ドルかけたリアルサイズでの戦闘シーンなのでこのシーンはかなりの迫力である。唯一つ難点を言えばボンドの服装がダサすぎると言う点だけである。

そして、はじめてスペクターの首領ブロフェルドの顔がボンド映画で映されるのである。片目がつぶれているかなりグロテスクな顔で
「生きていたんだね。ボンド君。ではもう一度死んでもらおう」というセリフ回しがかなりイカス。さすがドナルド・プレザンス、その無表情といい貫禄たっぷりである。ちなみにこの男がマイク・マイヤーズの『オースティン・パワーズ』のドクター・イービルのモデルである。

アメリカにおいて本作は007シリーズの中でもかなり人気がある作品であることがこのことからもよくわかる。ちなみにナンバー3役で『ピンク・パンサー』シリーズでクルーゾー警部の召使役で有名なバート・ウォークも出演している。


■日本での007人気を決定付ける


007は二度死ぬ
本作はイアン・フレミングが1962年に日本を訪れた時に見た松尾芭蕉の詩
「人は二度しか生きることがない、この世に生を受けた時、そしてその顔に死を見た時」に触発されて書いた小説「YOU ONLY LIVE TWICE」(1964)を原作に製作された。1966年7月4日ボンドが死ぬシーンから撮影はじまり、7月末より日本ロケが始まった。

950万円の予算で製作され、そのうち100万ドルがケン・アダム設計による火口湖のクレーターに作られた秘密基地のセットに使用された。このセットの製作費だけで『007/ドクター・ノオ』の製作費に相当したという。

− 2007年6月16日 −


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